軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

285.王都南冒険者ギルド

ウェンディさんから、さっさと仕事しろと言われて渋々ながらも説明をし始めるギルマス。

「あー、俺は王都南のギルマス、アダムだ。手続きをする前に聞きたいことがある。まず、どうして依頼主はお前らを指名したんだ?」

「そ、それは、俺達が孤児院の掃除とかをやっていたからじゃあ?」

ブラッドが言う。

「だとしてもだ、どうして依頼主がお前らを知っているんだ?依頼主とは会ってないんだろ?」

「会ってはいないです……。それに、俺は依頼主が誰だかわからないんですけど……。」

ダガーが言うと、俺も俺もとソウヤ、リキ、ブラッドが言う。

「あー、なるほど。じゃあ、そっちのお嬢さん達は知ってたのか?えーっと、ジョアンとか言ったか?」

「はい、知ってましたよ。って言うか、私が依頼主に連絡したので。」

「「「「「「は?」」」」」」

ベル以外が驚く。

「どういう事だ?」

ギロッとギルマスが私を睨む。

「どういう事って?誰も孤児院の出資者に連絡してないって言うから、連絡したまでですけど?」

「いや、そーいう事じゃねー。どうやって連絡取ったんだ?」

「えっ?文を飛ばしただけですけど?」

「だーかーらー、何でお前が依頼主と連絡取れるんだ?」

「あー、そういう事ですか……えーっと、知り合いだから?」

「「はー!?」」

再度ギルマスとウェンディさんが驚く。ギルマスは、急いでウェンディさんから受け取っていた書類を見て、はぁーとため息をついた。

「ジョアン・ランペイル……ランペイル辺境伯家の長女か。なるほどな。なら、依頼主と知り合いでも納得だ。」

「えっと……どういう事ですか?その依頼主って一体……?」

未だに話の内容について行けないソウヤが聞いてくる。ギルマスは、お茶を飲みながら私をチラッと見る。

あー、私が説明しろってことですね……。

「えーっと、各領都の孤児院は領主が管理してるでしょ?じゃあ、王都の孤児院は誰が管理してるの?」

「えっ、そりゃあ王都は領主がいなくて……マジか!?」

ソウヤは気づいたようだった。他の3人も驚いているようなので、気づいたようだ。

「いや、でも、何でジョアンが?」

「あー、うちのお父様が依頼主の旦那さんと同級生で、私も小さい時から依頼主の家?に遊びに行ってたって言うか……。」

「家ってレベルじゃねーよな……。」

「まあ、別名、城とも言う?」

「「「「別名じゃねーよ。」」」」

同時に4人に突っ込まれた。

「まあ、依頼主との関係はわかった。じゃあ、達成金を渡す。活動日数の10日間と指名料も含んだ金額だ。ウェンディ。」

「はーい。じゃあ、これがその達成金ね。」ガチャ。

「「「「「「えーーっ!?」」」」」」

これには、さすがに私も驚いた。まさか、1人、30,000Gだなんて……。平民の10日分生活費と同じぐらい。

「それと、これはダガー君とブラッド君のお母さん達に。」

先に院長先生やシスターを看病し、子供達の世話をしてくれたからと、2人の母親にそれぞれ15,000G。

「「こ、こんなに……。」」

「使い易いように、銅貨と銀貨で準備したら重たくなっちゃったわ。ここで、マジックバック販売しているわよ。小が6,000G、中が12,000G、大が18,000Gだけど?」

「「「「中を買います!」」」」

「毎度あり〜。じゃあ、12,000Gね。今、持ってくるわ〜。」

と、ウェンディさんは鼻歌を歌いながら執務室を出て行った。

「商売魂、凄っ……。」

「だろ?自慢の受付嬢だ。」

「あっ、そうだ。ギルマスに聞きたい事あったんですけど。」

「あん?何だ?」

「ケンさんって知ってます?」

「どこのケンだ?」

「うちの屋敷の料理長なんですけど……。確か、冒険者の時にパーティ組んでて、その仲間が眼帯してギルマスやってるって。」

「あー、アイツか。ってか、お嬢さんとこの料理長か。アイツも出世したんだな。……いや、でも良かった。俺のせいでパーティが解散したようなもんだからな。」

「そうかも知れないけど、ケンさん、今、楽しそうですよ?もし良かったら、今度会って話してみて下さい。」

「ああ、そうするよ。悪りぃな、お嬢さん。」

「……って、言いながら、会いにくいとか言って会わないでしょ?」

ジト目でギルマスを見ると

「えっ、い、いや、会う。……たぶん。」

「んじゃ、コレあげます。」

ストレージから菓子パンを出す。

「ん?パン?」

「食べてみて下さい。」

「ん?……モグッ……んん?……美味い。初めて食べるクリームだな。パンもこんなに柔らかくて……。」

「クリームパンって言うんです。ケンさんに会えば、また食べれますよ?他にも色々種類がありますし……。」

「クッククク。わかったよ、ケンに会って他のも食わせて貰うよ。」

「「「「ゴクッ……。」」」」

「えっ?」

変な音が聞こえて周りを見ると、ソウヤ、リキ、ダガー、ブラッドがギルマスのクリームパンを凝視している。ギルマスは、急いで口の中に詰め込む。

「えっと……食べる?」

「「「「食べる!」」」」

ソウヤ達4人と、ベル、そしておかわり希望のギルマスにクリームパンを渡して、皆んなで食べていると

「お待たせー……って、何、皆んなで食べてるんですかーー!?」

「「「「「「「あっ。」」」」」」」

もちろん、ウェンディさんにもクリームパンを渡した。

小柄で赤い髪をポニーテールにしたウェンディさんは、満面の笑みでクリームパンを頬張っている。その姿は小動物のようで可愛らしい。

帰り際には、ウェンディさんにだけ内緒でイチベリーのジャムパンを渡した。きっと、このギルドを利用するならギルマスよりもウェンディさんとの接点が多くなりそうだから。

はい、お察しの通り賄賂です。