軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

269.鮮度が命!

パールとロッソの視線を辿ると、そこには見たこともないぐらいの大きなカニ……カルキノスがこちらを見ていた。

「うっわ、デッカ!」

「う、うん、予想してたよりも大きい……。」

『ほらほら、片付けて。』

「「は、はい。」」

パールに促されて片付ける。

カルキノスは、こちらの様子を窺っている。

《カルキノス》

巨大な化け蟹。

外殻は金属のような光沢や質感を持つ。強度は金属を遙かに上回り、これらを利用して加工された武器は、物体が原形を留める事は不可能なほどの威力を秘める。

巨体故に重量も凄まじい。

「どうしよっか?」

「討伐依頼は脚の部分よね?じゃあ、取り敢えず切る?」

「んー、でもかなり硬いらしいよ?パールに感電させてもらって、その間に脚の付け根から切った方が早いかな?」

『そうね。』バリバリバリー!

「「『うわっ!やるなら言って!』」」

『あら?ごめんなさい。……でも、ほら失神したから、ね?早く脚取っちゃいましょ。』

見ると感電して仰向けに倒れ泡を吹いている。そのカルキノスの近くに行くと、本当に大きいことがわかる。

「痛みで目を覚ますといけないから、先にハサミの部分かな?よいしょっ……固い。ナイフが刃こぼれしちゃったよ。」

『じゃあ、僕がやってみるよ。ジョアンもベルもちょっとどいて……《風刃》』

すると、綺麗にハサミの部分がポロッと取れた。しかも、切れ味が良かったからかカルキノスは目を覚さない。

「「『お〜。』」」パチパチパチパチ。

私とベルは、ロッソに拍手を贈る。

『えへへ。じゃあ、他もやっちゃうね。……《風刃》』

「じゃあ、パールは落とした脚から氷漬けにしてくれる?」

「えっ?何で?」

「海産物は鮮度が命でしょ?」

「えっ?食べれるの?」

「うん。サーチ見る?【サーチ オープン】」

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[カルキノス]

巨大な化け蟹。

材質:外柄は金属よりも強度がある。

武具にも武器にも加工可能。

食用:もちろん可。

絶品。ズワイガニ的な感じ。

1匹で50人分ぐらい?

ミソは濃厚だよ。

食べ方:刺身、焼き、蒸し、茹で、鍋、汁など。

カニ玉、カニチャーハンもいいね。

でも生食する時は気をつけて。

補足:脚切っても、まだ生きてるから気をつけよう。

魔石は口の中。

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「「『『えっ?』』」」

皆んな補足を見て固まり、ゆっくりカルキノスの方を見ると胴体だけになったカルキノスが動いている。そしてこちらを確認した瞬間に口から水を勢いよく吐き出す。

「「きゃっ!」」

……が、その水がかかることはなかった。

ゆっくり目を開けると、そこには土壁ができておりジョアン達を守ってくれていた。

「な、なんで?」

「大丈夫か?ジョー。」

声をする方を見るとゼクスに乗ったジーン兄様と、ブラウに乗ったエリック様がいた。

「ジーン兄様!」

『ジョアン様、皆様、ケガは?』

「ブラウ!もしかして、この土壁はブラウが?」

『は、はい。間に合って良かったです。』

「ありがとー、ブラウ。」

ブラウに駆け寄って頬擦りする。

『ジョ、ジョアン様、あの、ちょっと。その……。』

「クッククク。ジョー、それくらいにしてやれよ。ブラウが照れてるみたいだぞ。」

「あっ、ごめん。」

『いえ……大丈夫です。』

「そう言えば、カニさんは?」

『仕留めておいたわ。』

パールに言われカルキノスを見ると、しっかりと氷漬けにされてパールの前脚が乗っていた。

「ありがとう、パール。」

「それにしても、これデカくないか?」

エリック様がブラウから降りて、氷漬けのカルキノスを見ている。

「えっ?そうなの?エリック兄様。」

「ああ、たぶん。標準よりもデカいかもな。」

「よくジョー達だけで、ここまでやれたよ。」

そう言いながら、ジョアンの頭をワシャワシャと撫でるジーン。

「えへへ。あっ、ジーン兄様、このカニ、絶品らしいよ。」

「マジか?じゃあ、今夜の夕飯は期待出来そうだな。」

「うん、期待してて。ところでジーン兄様達は、どこに行こうとしてたの?」

「あ?ジョー達が中々帰って来ないから、散歩がてら探しにな。」

「あっ、そうだったの?ごめんなさい。」

「いや、カルキノスを見て納得だな。コレは時間がかかるだろ。」

「えっ、えーっと、そんなには?」

「は?いや、だってもう13刻だぞ?午前中からコイツと戦ってたんじゃねーの?」

「午前中は、海岸のゴミ拾い依頼して、ランチしてたら、カニが来たから……。」

「なんだよ〜。ってか、じゃあカルキノスはどうやって?脚だって硬いだろ?よく切れたな。」

「あー、パールが感電させて、ロッソが風刃で切り落としてくれた。で、鮮度が落ちないようにパールが氷漬けに?」

「パールとロッソ、大活躍だな。で?ジョーは?」

「私?私はこれから料理するもん!」

「じゃあベルは?」

エリック様がベルにきく。

「私は……手伝うし……いっぱい食べるもん!」

「何だそれ?」

「エリック兄様、うるさい!」ドスッ。

「うっ……。」

久々に、ベルの肘鉄見たわ……。

綺麗に鳩尾に入ったけど、エリック様大丈夫かな?

私たちがカルキノスをストレージに収納している間に、エリック様はなんとか復活し、皆んなでギルドに報告しに行った。

ゼクスとブラウを所定の位置に置いて来るというので、先に中に入る。ギルドの中に入ると、朝会った3人組も達成報告に来ていた。そして私たちを見つけると駆け寄って来た。

「大丈夫だったか?」

「2人ともケガしてないようで良かったよ。」

「あのさ、もし良かったらあっちでお茶とかどう?」

3人が言うことに驚いていると、後ろから誰かにグッと肩を抱かれる。