軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

268.ファンタズモ冒険者ギルド

ファンタズモ2日目。

朝からベルと一緒にファンタズモ冒険者ギルドへ。もちろんパールとロッソも一緒。ジーン兄様達を誘ったけど、明日の鍛練がどのくらいハードかわからないから今日はゆっくりするとのこと。

ファンタズモ冒険者ギルドは、ランペイルのギルドよりも南国感があり、入口の両脇に椰子の木が植えられていた。ギルド内の天井にもファンが回っていた。

「さぁ〜どれにしようか?」

「ん〜、海岸の掃除とかもあるんだね〜。」

「あっ、これはどう?カルキノスの討伐だって。」

「カルキノスって?」

「えーっと確か、巨大なカニだったはず。」

「じゃあ、掃除依頼をこなしつつ討伐かな?」

「うん、良いね〜。」

ベルと依頼について話していると、後ろから声をかけられる。

「カルキノス討伐を受けるのか?」

「女の子2人で?」

「君たち何才?」

振り向くと、3人の男の子がいた。年はジョアン達より少し上のように見える。

「あっ、こんにちは〜。受けますよ。私達とこの子と。2人とも10才。」

パールを紹介しつつ、質問に答える。

「えっ?10才?一年生?」

「マジで?俺らより下じゃん。」

「いやいや、この子って犬じゃん。」

3人は色々と驚いている。

「知らないかも知れないけど、カルキノスって結構強いぜ?」

「そうそう、ランクDの魔獣だよ?」

「君ら、ランクいくつ?」

冷やかしかと思って警戒してたら、単純に心配してくれていたようだった。

「討伐したことはないですけど、大丈夫だと思いますよ。私たちDランカーだから。」

ベルも頷く。

「「「えっ?D?」」」

「俺らと一緒……。」

「嘘だろ?」

「もしかして、王都ギルドのどっかに所属?」

「違いますよ。私はランペイル、この子はバースト所属です。ほら?」

そう言って、プレートを見せる。ベルも、慌てて同じように首元からプレートを出す。

「「「マジか……。」」」

「マジです。でも、心配してくれてありがとう。あっ、私ジョアンって言います。この子はベル。」

「そっか……。あっ、えっと俺はジョーイ。で、こっちがチャンドラー、その隣がロス。皆んなファンタズモに住んでて同じ年の幼馴染だ。」

ジョーイは、3人の中で1番体格がよく赤い短髪、チャンドラーは橙色の髪にそばかす、ロスは3人の中で1番長身だが細身の子だ。私とベルよりも2つ上らしい。3人ともファンタズモ冒険者ギルド所属のDランカーで、見かけない顔の女の子が無謀な依頼を受けようとしていたので、心配して声をかけてくれたそうだ。3人にお礼を言って、受付に行く。

受付のお姉さんも、依頼内容と私たちを何度も見比べていたが、プレートを出すとようやく納得してくれた。

「さっ、じゃあ海岸の掃除しつつカニ捕まえよう。」

「カニって……カルキノスでしょ?」

「でもカニだよ?美味しいかな?早く会いたいな〜。カニさん、カニさん。どっこですか〜?」

「ちょっ、ジョアン待ってよー。」

スキップをしながら海岸に向かうジョアンを追いかけるベル。

『はぁ〜相変わらず食い気優先なのね。』

という、パールの呟きは誰も聞いていない。

「ジャジャーン、やって来ました。海岸ー!」

そう言って両手を広げる。

「ジョアン?どうしたの?」

「あー、ちょっとYouTuberみたいな?」

「えっ?ユーチュー……何?」

「あっ、えーっと気にしないで。」

「そ、そう?……じゃあ、始めようか。」

「『『おー!』』」

背中にゴミを入れるカゴを背負い海岸のゴミを拾いながら、移動する。観光地というのもあって、水遊びをする子供連れの家族などがいる。

「わあー、ワンちゃんがゴミ拾ってるー。」

「帽子被ったリスさんも、頑張ってるよー。」

「可愛いー。」

「はい、どーぞ。」

「こっちもあるよ。」

近くにいた子供たちが、パールと額の石を隠す為に帽子を被ったロッソを見つけて駆け寄ってくる。中には一緒にゴミを拾ってくれる子もいた。子供達の手伝いもあって思ったより早くに海岸掃除が終わる。

「みんな、お手伝いありがとう。コレ、お礼ね。」

そう言って、ストレージからべっこう飴を出して渡す。もちろん普通の水で作った、普通のべっこう飴だ。

「「「「「ありがとう、冒険者のお姉さん。」」」」」

「じゃあ、次はカニさんだ。」

「たしか受付のお姉さんが言うには、もう少し奥の岩場の所らしいよ。」

『じゃあ、さっさと行きましょう。2人とも乗って。』

大きくなったパールに跨り、岩場を目指す。

パールのお陰で、岩場にはあっという間に着き、辺りを見回す。でも、それらしき姿は見えない。

「ん〜、いないね。」

『じゃあ、ご飯にしようよ。僕、お腹空いた。』

「そうだねー。ランチにしよう。」

岩場から少し離れた砂地の所に、敷物を敷いてストレージから鍋を出す。

「何をするの?」

「ん?スープを温めようと思って。……よし、これでいいかな?ベル、火をつけてもらっていい?」

近くにあった石を集めて竈をつくり、その中央に木や枝を置く。【火】属性のベルに火をつけてもらい、鍋を置く。

「そろそろ良いかな?……はい、どうぞ。」

「うわぁ〜、具沢山なスープだね。メソ味?」

「うん、オークの肉で豚汁。それと……おにぎりもあるよ。じゃあ、いただきまーす。」

「『『いただきまーす。』』」

今日のランチは、豚汁、おにぎり、卵焼きにソーセージのケチャップ炒め。パールとロッソは、リクエストでオムライス。

「美味しい。このソーセージは、あのケチャップ?」

「そう。アトスさん達が頑張って作った物。1つ貰ったの。」

「1つなんて言わずに、もっと貰ったら良いのに。ジョアンが教えてくれて、バーストでも販売出来る様になったんだから。」

「ありがとう。じゃあ、また今度貰うね。でも、使うトメットによって味が違うから、バーストのはランペイルより甘味があるね。きっと売れるよ。」

「だと、良いなぁ〜。」

そんな話をしながら、ランチが終わりまったりとアイスティーを飲んでいると、パールとロッソが顔を上げる。

『匂いに寄って来たのかしら?』

『遅いよ〜。今更来ても、もうご飯ないのに。』