作品タイトル不明
208.新入生オリエンテーション
今日は、朝から新入生オリエンテーション。
午前中は、各授業の先生の挨拶とこんな授業ですよ〜という説明。
授業内容は、前世の学校と同じ感じだった。国史、算術、
生物学、魔法学そして選択科目がいくつか。だいたい5時間授業で、週休2日制。
私が楽しみな授業は、武術の授業。徒競走や体操をする体育と武術は選択科目となっていて、どちらを選んでも良いらしい。やはり女子生徒は体育の方を選択する生徒が多いそうだ。
午後からのオリエンテーションまで、ランチ休憩となる。
今日も昨日のようにランチをしようと、ベルとザックとテラスへ来ると、そこにはすでに私を待ってる人がいた。
「おーい、ジョー。」
その人は、私を見つけると手を振って呼ぶ。
「ジーン兄様?どうしたの?エリック様、マーティンさんまで。」
「どうしたのって、ジョーのご飯を食いに来た。」
「食堂の食べたら良いのに〜。」
「なんでだよ。せっかくジョーが入学して来たのに。」
「いやいや、食堂の食べましょうよ。」
「あのなー、ザック。ジョーのご飯があるのに食堂のなんて食えないだろ?」
「なんで?美味しそうだよ?」
「見た目はな。でも、味が薄いしパンは硬いし……。」
「あー……。まあ、沢山あるから良いですけど。」
「今日は、コレでーす。足りなかったら、また出しますね。」
取り出したのは、BLTサンド、卵サンド、カツサンド、メンチカツサンド、ミネストローネスープだ。
「うわー、美味そう。……見たことないものばかりで何だかわからないが。」
「あー、コレは……。」
サンドウィッチが初見のベルとエリック様に、簡単に説明する。
「「「「うっま!!」」」」
「美味しいわ、ジョアン。」
「ジョー、ジョー、このメンチカツサンド?美味いわ。ハンバーグを揚げたのか?」
「あー、まあ、そんな感じです。」
正確に言えば違うけど、材料はほとんど同じだし面倒なのでそういうことにしておいた。
「ねぇ〜ジョアン?このパンなんでこんなにフワフワなの?」
「えっ?えーっと、ウチの料理長と一緒に考えて……うん、頑張った。」
「ん?何だかよくわからないけど、まぁジョアンだもんね。」
ベルは昨日に引き続き、ジョアンだからということであまり深く考えないようにした。
「ジーン兄様?午後からのオリエンテーションは、各学科の先輩たちが説明するって言ってたけど、どんなものなの?」
「あー、例えば魔術科だったら授業で作った魔道具の披露や魔術の披露とかだな。まあ、各学科が色々とデモンストレーションするんだ。」
「へぇ〜楽しみにしておきます。」
*****
午後のオリエンテーションが始まる。
まずは、魔術科による学科説明。
魔術科は、卒業後魔術師団に入団志望や魔道具設計及び開発に携わりたい生徒が多い。
その魔術科のデモンストレーションは、生徒が考えた匂いを吸うという魔道具の説明とデモンストレーションという名の寸劇。それはまるで前世で見た海外のTVショッピングのような胡散臭さ。
まあ、これはこれで面白いけど。
あの魔道具はゴミ箱とかシューズクローゼットに入れたいな〜。
その後に、魔術による余興。
【火】属性の生徒達が、花火のように色とりどりの《火球》を打ち、【水】属性の生徒達が、水芸のように《散水》で手から噴水のように水を出す。
続いて、文官科による学科説明。
文官科は、卒業後王城での文官志望や商人の跡取り、そしてレベルの高い執事やメイドを目指す生徒が多い。
その文官科のデモンストレーションは、執事とメイドたちによる高速テーブルセッティング、そしてそこからのテーブルクロス引き……。もちろん大成功だけど、なぜクロス引きなのか全くわからない。
ただ私とベルよりも、ザックが目を輝かせて手を叩いていた。
最後は、騎士科による学科説明。
騎士科は、卒業後騎士団や私兵団志望や冒険者を目指す生徒が多い。
その騎士科のデモンストレーションは、【水】属性の生徒達が剣に氷を纏わせ、戦うように踊る剣舞だった。舞うたびに剣から雪が降り気づくと、ステージに何本かの氷の柱ができていた。それを今度は、他の生徒達が剣舞をしながら削っていく。ある生徒は剣だけで、ある生徒は剣に火を纏わせ、ある生徒は剣を使いながら《風刃》で。
あっという間に、氷で出来た魔獣が出現する。
あまりの氷像の出来栄えに、気づけば新入生たちはスタンディングオベーションをしていた。
オリエンテーションの全行程が終わり、講堂から教室まで新入生たちは、あの学科が凄かったあの学科に進みたいなどと話をしながら向かう。
「ほわぁ〜、かっこよかったなぁ〜。騎士科。」
「ええ、本当に。」
「いや、あのテーブルセッティングの方がスゴいから。」
などと、ジョアンがベルとザックと話していると
「ジョアン様は、どの学科に行くつもりですの?」
と、縦巻きドリルのキャサリーヌが話しかけてくる。もちろん両脇には助さん格さ……じゃなくて、サマンサとレベッカがいる。
「……。」
その3人を無言かつジト目で見るジョアン。
じーっと見られて、3人は一歩後ろに下がる。
じーっと、無言で見られるのって意味がわからなくて怖いよね〜。
でも、私は3人に言いたい!!