軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

207.テラスでランチ

その後、入学式を行った講堂や食堂を案内してもらって教室に戻る。

「はーい、じゃあ今日はこれでおしまいでーす。みなさん、また明日ね〜。遅刻しないようにねー。」

「「「「「「「「先生、さようなら。」」」」」」」

「はい、さよーならー。」

今日は、初日ということもあって午前中で終わりらしい。

ザックは、屋敷に戻るということで早々に帰ってしまった。

「ベル〜、お腹空いて死にそうだよ〜。」

「もおー、大袈裟なんだから〜。でも、お腹空いたし食堂行ってみる?」

「うんうん。行く行くーー。レッツゴー!!」

「あっ、ちょっ、引っ張らなくても行くからー。ジョアーン。」

*****

食堂内は、ランチ時もあって混雑していた。

「うわーー。混んでるね。ご飯なくなっちゃう?」

「いや、なくなりはしないだろうけど……。どうしよっか?」

「んー。あっ、天気も良いしテラスで食べる?」

「でも、ランチ取りに行かないとね。」

「大丈夫。私のストレージに入ってるよ。」

「えっ?そうなの?」

「うん。じゃあ、テラス行こっか。」

食堂は王宮の食堂と同じように、ガラス一面の外にはテラス席がある。テラス席には、何組かの平民グループがいるだけ。

あれ?もしかして貴族ってテラス席使わない感じ?

「えーっと、ベルのお腹の減り具合ってどんな感じ?」

「えっ、どうして?」

「それによって出すもの違うから?」

「そうなの?んーと、じゃあ、結構空いてるかな〜。」

「OK。そんな、あなたにはコレだ!」

そう言いながら、カバンに【ストレージ】を展開して出したのは、唐揚げとおにぎり、豚汁オークver.と、キャベッジの浅漬け。

ちなみにカバンは学院指定などなく、基本手ぶらがいいジョアンがメーガンにお願いして、ショルダーバッグを作ってもらった。腕の上がったメーガンは、普通の裁縫では物足りなくなったらしく最近では革製品まで作るようになった。さすがに革製品は裁縫のプロのミトでもわからないと言うことで、領都にある革製品の店に休みのたびに通い続けている。

今回作ってもらったショルダーバッグは、ブラッドバッファローの革らしい。しかも、マイクとベンが仕留めたモノらしく、肉は美味しく頂きました。

「……ねえ、ジョアン?出来立てのように湯気がたってるんだけど?」

「あー、私のストレージ時間停止機能付きなの。」

「えっ?すごいね。」

「ほら、冷めないうちに食べーー」

「ジョー!」

さあ、食べようとした時にジーンがエリックと共にやって来た。

「あっ、ジーン兄様。エリック様も。」

「1年は、今日はもう終わりだ……あー、何美味そうなもん食おうとしてんだよ。」

「お腹空いたから食べてから帰ろうと思って。……食べる?」

「食う!」

「エリック様も良かったら。……エリック様?あの〜。」

エリックはテーブルの上に載せられた食事に目が釘付けになって、ジョアンの声が聞こえてない。

はあーとため息をついたベルは、エリックに肘鉄をくらわす。

「うっ……。」

いい感じに鳩尾に入ったらしく、ウッドデッキに膝を突き悶絶している。

「「………。」」

ベルを怒らせたらヤバいわ……。

「うっま!何これ?」

復活したエリック様は、右手にサンドウィッチ左手に唐揚げを刺したフォークを持ってわんぱくに頬張っている。

「このキャベッジも美味しい。いい料理人がいるのね。私の代わりにお礼を言っておいてね。」

「ありがとう。このぐらいなら、いつでも作るよ。親友の為に。」

「えっ、えっ、えっ?もしかして、ジョアンが作ったの?」

「うん、そうだよ。」

「「えーーーっ!!」」

「おい、エリック!飛ばすなよ、汚ねーなー。」

「わ、悪い。マジか……料理まで。」

「ふふふっ、羨ましいだろ〜。ジョー、この牛丼も美味いな。」

おにぎりよりも、もっとガッツリ食べたいと言うジーン兄様は、ブラッドバッファローの肉の牛丼を頬張ってる。

「何か見たことない食べ物ばかりだな……。ランペイル領では普通なのか?」

「あー、ここ5年ぐらいで普通になったかな。」

「なんでここ5年なんだ?」

「あー、ここでは説明できねーな。また、今度だな。あっ、そうだ。次の週末、家に来るか?ベル嬢も。」

「あっ、それ良い!ベル、家へおいでよ。」

「えっ、でも……。」

「ウチの私兵団と鍛錬ーー」

「行きます!行かせて下さい!!」

「ベル……。お前……。」

「ふぅ〜、苦しい。」

「エリック、食い過ぎだ!午後イチで国史だぞ。絶対、寝るだろ。」

「あー、忘れてた。まー、寝たら起こしてくれ。」

「ったく、しょーがねーな。」

「ジョアン、ありがとう。美味しかったわ。」

「いつでも作るよ。あっ、デザートいる?」

「えっ………食べたい。」

「……はい。リップルパイとリップルティー。」

「「っ!!」」

エリックとベルが驚いてる。

「あれ?どうしたの?……痛っ。」

「どうしたの?じゃねーよ。ジョー、バッグ経由で出せよ。」

ジョアンは、うっかりストレージからバッグ経由ではなく、いつも通りイメージして手元に出してしまった。

「あっ…‥ごめんなさい。」

「えーっと、エリックもベル嬢も大丈夫か?」

「あ、ああ……すげ〜な。一瞬でパイが出て来たぞ。」

「あー、コイツが規格外なだけなんだ。週末、楽しみにしてろよ。こんなもんじゃないぞ。」

「マジか……。」

「驚かせてごめんね、ベル。」

「ううん。確かに驚いたけど、なんかジョアンらしいって思っちゃった。それより、このリップルパイ美味しいー!これもジョアンが?」

「うん、そうだよ。喜んでもらえて良かった〜。」

「このリップルティー?これはどうやって作るの?」

「リップルの皮を煮出したお湯でお茶を入れるだけだよ。」

「へぇ〜。今度やってみるわ。」

「なぁ、エリック……。ベル嬢、すげーな。ジョアンの規格外をすんなり受け入れたぞ。」

「ああ、あーいうところはアイツの兄貴より男らしいかもな。」