軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

205.友達100人できるかな?

私に名前を聞かれて、格さん助さんは驚く。

「貴女ね〜、私たちの名前を知りたければ普通そちらから名乗るものですわ〜。」

格さんが、おっとりとした感じで言う。

あー、それは私があなたたちより格下ならね〜。

こりゃ、確実に私の挨拶聞いてねーな。

あれか?平民だと思ってる感じ?

チラッとベルとザックを見ると、2人とも無言で頷く。

「そうですか〜?じゃあ、私から名乗らせて貰いますね。

初めまして、ランペイル辺境伯が長女ジョアン・ランペイルと申します。お茶会も出たことのない田舎者ですが、これから宜しくお願いします。」

綺麗なカーテシーを取り挨拶をする。

顔を上げると、キャサリーヌ様と助さん格さんは目を大きくして固まっていた。

「私、生徒代表で挨拶もしたんですけど?」

「も、申し訳ありません。ちょっと私達の乗る馬車のトラブルで遅れたものですから……。し、失礼しました。わ、 私(わたくし) 、ナッシュ子爵次女のサマンサ・ナッシュと申します。」

格さんはガバッと頭を下げて名乗る。

「失礼しました。 私(わたくし) 、サノック伯爵長女、レベッカ・サノックと申します。」

助さんも続けて名乗った。

「次は、 私(わたくし) ね。 私(わたくし) は、カッター公爵家長女の、キャサリーヌ・カッターよ。」

「キャサリーヌ様、先程は私の勉強不足で失礼な態度を取ってしまいまして申し訳ありません。」

「許しますわ。それよりも、貴女、誰彼構わず頭を下げるものではありませんよ。」

「え?」

「さっき、あちらにいる彼女たちにお礼を言いながら頭を下げていましたでしょ?」

「あー、はい。でも、頭を下げることは相手に対しての敬意や感謝、申し訳ないという気持ちを伝える動作だと思うんです。それに王立学院では、身分関係なく全員が平等ですよね?だから、私は頭を下げました。何かいけなかったでしょうか?」

キャサリーヌ達だけではなく、周囲で遠巻きにこちらを見ている生徒達もジョアンの言葉に唖然とする。

そこへ、パチパチパチと拍手をしながらアルバート殿下が教室へと入ってきた。それに対して、男子が首を軽く下げる会釈、女子はカーテシーをする。

「あっ、いきなりごめんね。皆、頭を上げて構わないよ。……ジョアン嬢、キャサリーヌ嬢の言っている意味はわかっているね?」

「はい。貴族が平民の方に簡単に頭を下げないことはわかっています。」

「そう……。キャサリーヌ嬢は?ジョアン嬢の言っている意味はわかっている?」

「ええ、理解はできるのですが……。」

「ジョアン嬢は、学院の外でもそうなのかい?例えば領民にとか?」

「はい、そうです。我が家は領民が毎日頑張って仕事をしてくれるお陰で生活ができているのですから。」

「確かにそうだね。その考えは間違っていないと思うよ。……キャサリーヌ嬢、今日から卒業するまで時間はたっぷりある、ここでは身分関係なく全員が平等なんだ、君なりに答えが出るといいね。じゃあ、邪魔したね。」

そう言うと、颯爽と教室を出て行った。

何しに来たんだろ?

殿下の登場で固まっている周囲の生徒に

「えーっと、なんか私の行動でこんなに大事になってしまってごめんなさい。」

そう言って頭を下げる。

今度は未だに悩んでいるキャサリーヌに話しかける。

「キャサリーヌ様、せっかく頂いたアドバイスがこんな形になってしまって申し訳ありません。でも、教えてくれてありがとうございました。サマンサ様もレベッカ様も、ありがとうございました。お茶会も出たことないので、これからも色々とわからないことあると思いますが、また教えて頂けますか?」

「えっ……ええ、私で良ければお教えしますわ。」

「あっ、わ、私も。」

「私もです〜。」

「じゃあ、これで私達、友達ですよね?」

「「「えっ?」」」

「ジョ、ジョアン、それは、ちょっと強引じゃないかな?」

ベルに言われ

「えっ?そうなの?だって名乗りあったし……えっ?ダメですか?私、学院で友達100人作ること目標なんですよ!」

キャサリーヌたちの方を見ると、3人が呆然としてる。

「あ、貴女……変わってるわね?普通、自分に意見してきた人間と友達になろうなんて思わなくてよ?」

キャサリーヌが言うと、両脇の2人もうんうんと頷いている。

「しかも、何ですの?その友達100人って。」

「目標です!」

拳を握りしめて言い切る。

一年生になったら、友達100人できるかな〜?って、言うじゃない?

あっ、 異世界(こっち) じゃ言わないのか。

「えーっと……ベル・バースト様ですわよね?ジョアン様は、いつもこんな感じなのですか?」

「えっ?あっ、はい……ま、まあ……そ、そうですね。」

「あれ?キャサリーヌ様とベルは面識あるの?」

「ええ、わ、私はお茶会でたまに……お見かけするぐらいで……。そ、その……お、お話しする機会は……あ、ありませんでしたけど……。」

「そうなんだ。じゃあ、私だけじゃなくベルとも友達になって下さい!」

「えっ、ちょっ、ジョアン?」

またまた、呆然とする3人。

「私、貴族の友達はベルしかいないんですよ。だから、ぜひ!!ぜひ!!」

そう言いながら間合いを詰めると、3人は同じ距離だけ下がる。それでも、間合いを詰めると下がる。詰めると下がる。それがなんだか楽しくなって、ふふふっと笑いながら更に詰め寄ると

「わ、わかったわよ。友達になれば良いのでしょう?なるわ、なるから、だから笑いながら近寄って来ないで。怖いわ。」

「イェーーイ!友達、一気に3人ゲットー!……痛っ。」

「ジョアン、調子のりすぎ!」

ザックから、頭にチョップを食らう。

「あら?貴方は?」

「失礼致しました。ランペイル家に仕えております、ザックと申します。ウチのお嬢様が失礼致しました。」

片手を胸において、キャサリーヌにお辞儀をするザック。さすが、グレイたちに厳しく指導されているからか、お辞儀の所作が綺麗だ。

「ちょっと、ザック。お嬢様って言うなら、チョップとかおかしくない?」

「奥様からは、許可貰ってる。」

「何の許可よ?」

「暴走したら止めろって。」

「うっ……。」

お母様、ひどいわ……。