軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

204.入学式

周りの生徒達が、拍手をしている。

どうやら、殿下のスピーチが終わったようだ。

ヤッベ……。マジで聞いてなかったよ。どうしよう?

料理食べてる場合じゃなかったよ〜。

………んー、まっいっかー。こっちに戻って来るとは限らないし、なんとかなるでしょ。

フレッド殿下がアラン兄様とリュークさんを引き連れて戻ってきた。

うっわ〜。戻ってきたよ……。

さっさと帰れよーー!!

「「……。」」

「……ジョアン嬢、それ、隠れたつもりか?」

テーブルの下に頭だけを入れていたジョアンに、呆れたように言うフレッド殿下。

「……はぁ〜。ジョー、出ておいで。」

ノエル兄様に言われて、渋々机から頭を出す。

「お前は、何をしているんだ?」

「あは、はは……いや〜、ちょっと……。」

どう誤魔化そうか悩んでいると、リュークさんがフレッド殿下の耳元で何かを囁いている。

「ん?もうか?んー、しょうがない。残念だが、俺は王城に戻らねばならなくなった。ノエル、ジョアン嬢それと……。」

「彼女は、ジョアンの学友のベル・バースト伯爵令嬢です。フレッド殿下。」

「そうか。宜しくな。ではまた、学院でな。」

「「「はい。」」」

フレッド殿下の後ろを見送ってると、リュークさんがチラッと振り返りサムズアップを、アラン兄様が口パクで『バーカ』と。

助かった〜。2人には私がスピーチを聞いてないのバレてたのね……。だから、フレッド殿下にバレないようにしてくれたんだ。

「はあー。……ジョー、スピーチ聞いてなかったでしょ?」

「えっ?あはは……まあ……そんなこともあるよね?」

「「ない!!」」

ノエル兄様だけじゃなく、ベルにまで言われる。

「こっちがハラハラしちゃったよ。ベル嬢、本当にごめんね。」

「いえいえ、ジョアンですから。」

「そう言ってもらえると助かるよ。」

「ちょ、ちょっと2人して酷い!」

「いや、理解してるんだ。ジョーは、もうちょっと考えて行動しようね?それとも、母上に報告ーー」

「いや、それだけは……これから気をつけます。」

「次はないよ?」

「はい……。」

「うふふふっ。」

夕食会は終わりノエル兄様が私とベルを寮まで送ってくれた。その間も、同じように寮へ戻る女の子たちがチラチラとノエル兄様を見ている。

「じゃあ、明日の入学式でね。父上達も来るから、ちゃんとするんだよ?僕も生徒代表として出るから。」

「はい。」

「じゃあ、2人ともおやすみ。」

*****

ーーー入学式。

昨日の入寮式とは違い、どこか緊張感が漂う講堂。

それもそのはず、王立学院と言うことで来賓には王族が来るという。現段階では、誰が来るのかわからない。ちなみに去年は陛下が来たらしい。

新入生が座ってる後方には保護者席があり、今日はお父様お母様が並んで座っている。その2人の両脇にはグレイとナンシーが。ちなみに一緒に入学のザックは屋敷で従僕の仕事を覚える為に、寮には入らなかった。チラッと見ると、お母様がニコッと笑いながら手を振ってくれる。

入学試験首席だった私は、代表として挨拶をする。

壇上にあがると、来賓として来たのはアルバート殿下だったことが判明した。来賓席からニヤニヤしながら見てんじゃねーよ!と内心ツッコミつつ、私はなんの問題もなく代表挨拶を終えた。

その後、クラス分けが発表され私はベルとザックと同じクラスになり、安心した。

式が終わると保護者は帰り、新入生は各自教室へと向かう。

新入生は158名。身分関係なく成績順にクラス分けがされていて、5クラスあるので約30名ずつ。私はベルとザックと共に1-Aの教室に入る。今日入学したばかりというのに、もうなんとなくグループ出来てる。よく見ると、グループは平民と貴族に分かれているようだった。

「席は決まっているのかな?知ってる?」

「ううん、聞いてないわ。」

「俺も知らないな。」

「そっか……。じゃあ……あの〜、席って決まっているか知ってます?」

入り口近くにいた平民らしい女の子のグループに話しかける。

「「「えっ!?」」」

「えーっと……たぶん、どの席でも良いかと思います。」

「そうなんだ。ありがとう。」

「「「っ!!」」」

屋敷では当たり前になっているのでジョアンはなんとも思わなかったが、平民の生徒に頭を下げてお礼をいうジョアンをベルと周囲の生徒は驚いた。ザックは、自分が聞けば良かったと少し後悔。

「ん〜窓側の方にする?」

「そうだね〜。」

2人と窓側の席の方へ行こうとすると

「貴女、ちょっと宜しくて?」

「へ?」

急に話しかけられる。

振り向くと、そこには乙女ゲームでよく見るような金髪の縦巻きドリルで、ロングスカートの女の子が。両脇には2人の女の子。

うわっ、縦巻きドリルだ〜。すごい、すごい!!

朝からコテでやってるのかしら?メイドさんも大変ね〜。

しかも、ちゃんと両脇に取り巻きもいる〜!!

水戸黄門の助さん格さん状態だ。すごい、すごい!!今すぐ、テーマソング流したーい!!

わ〜、本当にいるんだ〜。

目をキラキラさせて縦巻きドリルを見ていると

「ちょっと、貴女聞いているの?」

「あっ……スミマセン。ちょっと妄想の世界へ行ってました。」

「「「は?」」」

「ちょっと、ジョアン!キャサリーヌ・カッター公爵令嬢様よ。」

「へ?そうなの?」

「そうなのって、貴女!キャサリーヌ様を知らないのですか?」

そうジョアンに言うのは、公爵令嬢の助さん側ーー左側ーーにいる、薄紫色のサラサラおかっぱヘアで、茶色の瞳に銀縁のメガネをした女の子。

「はあ、知らないですね。私、お茶会とかも出たことないので。」

「まあ〜呆れますわ〜。どこの田舎者なのかしら〜?」

そう言うのは、格さん側ーー右側ーーにいる、赤色のふわふわロングをハーフアップにした、紺色のタレ目の女の子。

「あー、確かに田舎者ですよ。……ところで、あなた方お2人のお名前は?」

確か私の記憶では、新入生の中には公爵家が男女1人ずつ、侯爵家がいなくて、次は辺境伯の私だから確実に我が家より格下のはず。だから、私からは名乗る必要はない。

っていうか、私、新入生代表で挨拶したんだけど?

あれ?ランペイル家ってマイナーなのかな?

キャサリーヌ公爵令嬢は良いとして、助さん格さんはそれを知った上で、そんな物言いなのかな?

えーー、ワクワクするんですけど〜。

ふふふっ、82才に、口喧嘩で勝てるかな〜。