軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

のんびりした冬

冬。

秋は生まれた子供たちの面倒を見ていたので、ちょっとクロたちとのスキンシップが足りなかった。

その不足分を補うようにクロが甘えてくる。

よしよし。

寂しかったな。

ハグしてやろう。

ははは。

……

少し匂うな。

よし、風呂に入れてやろう。

どうせ冬の間はほとんど屋敷の中にいるんだろ?

綺麗にしておかないと、アンに嫌な顔をされるぞ。

アンに嫌な顔をされても平気?

そんなことを言わないの。

家族は仲良くだ。

クロを洗ったあとは、ユキ、クロイチ、クロニなどが交代で風呂場に入ってくる。

クロたちにとっては綺麗になるのが目的ではなく、俺に洗ってもらうのが目的なので、他の者が手伝うのは歓迎しない。

しかし、さすがに俺一人では厳しい。

ブラッシングぐらいは、俺以外でも良いよな?

アルフレートにティゼル、ウルザ、グラル、ナートがブラシを片手に手伝いたそうにしている。

仕方がないなぁとクロたちは子供たちのところでブラッシングを受けてくれた。

ちょっと楽になる。

しかし、一時間で四頭ぐらいしか洗えないのに、待機列は……うん、見たくない。

洗う作業にも手伝いを加えても構わないかな?

……

風呂以外でも色々と遊ぶから。

天気の良い日は外だな。

わかった。

手の空いているハイエルフや山エルフと一緒に、クロたちを洗っていく。

流れ作業だ。

大変、助かる。

流れ作業の先頭のハイエルフが小さく悲鳴を上げた。

何かあったのかなと駆け寄ると、一頭のお腹に大きな傷があった。

少し前にできたのか、血が固まって傷は塞がっているが……大丈夫なのか?

いつの間に怪我をしたんだ?

秋に森で狩りをしている時に、ちょっと失敗した?

怪我したなら黙ってないで報告してくれ。

勝手に治るかもしれないが、放置はよくないぞ。

俺が怒っていると、酒スライムが真っ白なホーリースライムを連れてやってきた。

ホーリースライムが、怪我をしているクロの子供に近付くと、治癒魔法を唱えた。

すると固まっている血がボロッと落ちた。

あとは綺麗な肌。

傷は見当たらない。

傷があった証が、毛の生えていない部分か。

毛は自然回復待ちと。

なるほど。

ルールはよくわからないが、了解。

ありがとうホーリースライム。

連れて来てくれた酒スライムも。

でもって怪我をしたクロの子供。

今後は注意するように。

よしよし。

無事でよかった。

俺は洗い作業に戻るが、ホーリースライムはしばらく待機列の周囲をウロウロしていた。

……

ひょっとして怪我を隠しているクロの子供が多いのだろうか?

さっきのが一番大きい怪我?

他は擦り傷とかだから、大丈夫?

信じるけど、無理はするなよ。

でもって、酒スライムとホーリースライムの仲がいいように思えるが……

どうなんだ?

酒スライムを物陰から見つめている聖女セレスに聞く。

「私のほうが仲がいいです」

そういうことを聞きたいのではないが……

まあ、いいか。

冬に入って少ししたころ。

ルーが新しく入った文官娘を数人引き連れて、シャシャートの街に出かけた。

新しく入った文官娘たちは、ビッグルーフ・シャシャートの会計手伝いに。

ルーはシャシャートの街にあるイフルス学園に呼ばれているからだ。

なんでも新しい魔道具を作ったのでルーの意見が聞きたいのだそうだ。

ルーのほうでも、新しい理論に関して意見交換がしたいと前々から行きたがっていた。

しかし、妊娠中だったから遠慮していた。

秋に無事出産が終わり、体調も回復。

生まれたばかりのルプミリナを置いていきたくはなさそうだが、アンに任せて行くことになった。

アルフレートも面倒をみるのを手伝ってくれるそうだ。

もちろん、俺も手伝う。

ルーが不在なのは二週間の予定だけど、長くなることもあるとのこと。

ただ、どうなっても春前には戻ってくるそうだ。

宿泊場所はビッグルーフ・シャシャートの近くに作ったホテル。

シャシャートの街にいるマルコス、ポーラ、それとミヨによろしく。

冬なので、温泉地に移動して死霊騎士や、ライオン一家とコミュニケーション。

大樹の村の牛や馬は、秋ぐらいから定期的に来ては温泉に入っているそうだ。

俺より常連だな。

ライオンの子供たちは、親よりは少し小さいが立派な大人サイズになっている。

お前たちのパートナーも探さないといけないな。

タテガミがあるのが一頭。

これは雄だな。

残り二頭が雌か。

背中に羽があるから、普通のライオンじゃ駄目だよな?

大丈夫かな?

ルーが戻ってきたら相談しよう。

死霊騎士たちは……パートナーの必要はなさそうだな。

必要になっても、肉体を装備するとイケメン三人に見えるから相手には困らなさそうだ。

そのイケメン姿で、変なダンスはやめような。

面白いけど、なんだかもったいない。

いや、だからってイケメンな態度も腹立たしいぞ。

俺に壁ドンしてどうしようってんだ?

そこの文官娘衆、黄色い悲鳴を上げないように。

ティアの元に五村経由で手紙が届けられた。

差出人は天使族の長だから、キアービットの母親だな。

内容は、そろそろ報告に戻ってくるように的なこと。

ティアは一読したあと、無視すると決めて手紙を捨てた。

しかし、グランマリア、コローネ、クーデル、キアービット、スアルリウ、スアルコウの天使族六人は、誰か一人を報告に行かせるべきじゃないかと話し合った。

話し合うのはわかるが、コタツに入ってする話なのか?

半纏が温かそうだな。

ミカンが必要?

わかったわかった。

カキやナシもまだ余っているから剥いてやろう。

戻る人が決まったら教えてくれ。

お土産を用意するから。