軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ソニア王国へ

ゲイツ様が帰国され、水曜には王立学園も終業した。

ナシウスの成績は、お父様宛に届いた。気になるけど、教えて貰えるまで我慢しよう! 絶対、中等科に飛び級していると思う!

早く教えて欲しい! だって明日からソニア王国へ行く旅に出るのだもの。

ゲイツ様が帰国されてからは、留守の間の領地管理について忙しくしていた。

それと新規採用の面接! パーシバルも来てくれたし、お父様は大学は早くから冬休みになっているので、同席して貰った。

騎士二人は、エルビス卿も騎士クラブで知っていたし、紹介者はマックスウェル子爵家とサティスフォード子爵家なので安心して採用する。

「これで騎士は七名になりましたね」

パーシバルは、ホッとした顔だ。ハープシャーとグレンジャーだけでなく、新年からはラグーンも領地になるから、五人では王都に一人交代で来ていると、パトロールも難しいと思っていたみたい。

ユニウス・ホースヘッド卿は、茶色の髪とハシバミ色の目。なかなかの美丈夫。胸板が分厚い!

異世界に来て、魔法で身体強化するから、筋肉がここまで発達した人を見るのは初めてかも?

パーシバルは、どのような剣を使うのか、興味があるみたいだけど、それは帰国してからゆっくりと稽古したら良い。

ルイ・コナー卿は、これまでの騎士とはイメージが違った。若い方は何人かいたけど、凄く若くて騎士なのかしら? と少し驚いたぐらい。それに、ひょろっと細いんだ。

「私は、大学に行かず、第六騎士団の見習いになって騎士になりました」

つまり、海軍? なのに、何故我が家に? と顔に出ていたみたい。

「実は、船酔いが治らなくて……父や兄は慣れる! と言うのですが……どんどん酷くなる一方で……」

面目なさそうなルイ卿だけど、剣の腕前と魔法は自信があるそうだ。

「船酔いなのに見習いから騎士になられたのですね!」とパーシバルも驚いている。

「沖に出たら、何とかなるのですが……港にいる時の方がしんどいのです」

変なの! 港の方が揺れないと思うけど? やはり慣れるのではないのかな?

「グレンジャーにもいずれは護衛船をと考えているのですが」と尋ねる。

「ずっとでなければ、何とか……でも、できたら、陸の勤務が希望です!」

まだ船も作っていないし、ラグーンは山地だからね。

「航行のやり方を教える事はできます!」

よほど海軍は嫌みたい。採用しよう! 二人の騎士は、エルビス卿と共に領地に行って貰う。

領地管理人の見習いのハービスさんも一緒に連れて行って貰おう! ハービスさんは、見た目はおとなしそうだけど、話したら賢いのがわかった。

一を聞いたら十がわかるタイプ! ただ、もう少し押しが強くないと、領地管理人として苦労しそう。モンテス氏が鍛えてくれるだろう。

家政婦見習いのアルマは、ブルネットの活発な女の子で、私が留守の間はミッチャム夫人に鍛えて貰う。

教師希望のマギーは、帰国するまではシャーロッテ伯母様が秘書として使うそうなので、お任せする。

H&G商会の事はメーガンに一任し、グレンジャーホテルの開業準備と研修所の事はアダムに任せる。

昨日は、王宮で王妃様とベネッセ侯爵夫人とマーガレット王女とで、最終確認も済ませた。

「馬車の件ですが、やはりペイシェンスの馬車にカレン王女とパリス王子を乗せてあげて欲しいのです」

そうだと思っていたよ。ベネッセ侯爵家、ゲイツ侯爵家の紋章のついた馬車より、ハープシャー伯爵家の新しい紋章の方が他国の王族を乗せるのに支障がないとパーシバルに頼まれていたんだ。

だって、ゲイツ様の紋章にはエステナ教の七芒星が付いているし、ベネッセ侯爵家は元王族の王冠が付いているからさぁ、ややこしいんだってさ。

聖皇の甥であるパリス王子だから七芒星が付いていても良いのでは? と思ったが、余計にややこしいみたい。

私の盾と剣をバラで囲ってある紋章は、当たり障りが無いそうだ。飾りと一緒の扱いなのかもね。

「ええ、長旅ですから、それが宜しいと思います。私はマーガレット王女の側仕えとして参加するのですから、同じ馬車に乗せていただきます」

王妃様も侯爵夫人も満足そうに微笑んでいる。マーガレット王女も、私と同じ馬車なのは楽しそうだと喜ぶ。

侯爵夫人の馬車には、ゲイツ様が乗ることになったそうだ。本人は不満だろうが、外交官を侯爵夫人の馬車に乗せるわけにはいかない。

つまり、ゲイツ様の馬車には外交官が乗る。パーシバルは、基本は馬で移動。 馬の王(メアラス) と 金の鬣(グルファクシ) を連れて行くので、パーシバルとベリンダにお願いする。

「でも、 天狼星(シリウス) はどういたしましょう。狩りの帰りには馬車の床に寝させていたのですが」

侯爵夫人が自分の馬車でも良いと言いかけたけど、マーガレット王女が先に自分の馬車にと言った。

「ペイシェンスがテイムしたのだから、側においた方が良いわ」

「それに護衛としても優秀でしょうから」

ほほほほ……と笑われる王妃様。これって、あの噂のせいかも?

そこからは、旅行中の諸注意だ。昼も貴族の屋敷で休憩するけど、あまり時間は取らないように! とか言われても、迎える側に徹底して欲しい。

私とマーガレット王女の馬車には、シャーロット女官とメアリーが同乗しても良いそうだ。

他の侍女や従者は、前に領地に行く時の使用人用の馬車も用意されているそうだ。

「女性の騎士として、ユージーヌ卿と見習い騎士のカミラ・シュナイダーとアリエット・ダーソンが同行します。護衛の責任者はサリエス卿なので、困った事があれば、早めに相談しなさい」

サリエス卿が選ばれたのは、女性騎士のユージーヌ卿の婚約者だからかも?

「それと、ソニア王国に入ってからは、特に一人にならないように! いつも以上に気をつけて行動しなくてはいけませんよ」

マーガレット王女には、前から厳しかった王妃様だけど、今回は私にも厳しく注意をされた。

「マーガレットの部屋の扉は、ユージーヌ卿と見習いの女性騎士が常に護りますが、ペイシェンスも気をつけないといけませんよ」

「護衛のベリンダに扉の前で寝て貰っても良いぐらいです」

侯爵夫人もあの馬鹿げた噂を耳にしたのかも?

「 天狼星(シリウス) に扉の前で寝て貰いますわ」

まぁ、誰も 天狼星(シリウス) を跨いで侵入はしないと思うよ。

ヘソ天で寝ている姿は可愛いけど、フェンリルだからね。