軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

グレンジャー館をホテルへ

部屋が整うまでロビーで待つ。部屋と言うより、私達の服とかを整理するまでだね。

ホテル用に改築しているので、前のホールにはフロントとロビーが作られている。

そして、応接セットが何個か置いてある。

そこでウェルカムドリンクならぬお茶を飲みながら待つ。

寒い季節なので、暖炉前の応接セットに集合だ。夏ならテラス席も良さそうだけどね。

「ペイシェンス様、大丈夫ですか?」

今回は、ほぼ 馬の王(メアラス) に乗っていたからね。パーシバルと二人乗りができなかったのは寂しいよ。

「ええ、生活魔法の『綺麗になれ!』でなんとか」

パーシバルは、初めて 馬の王(メアラス) でロマノまで走った時を思い出して笑っている。

あの時は、初めての長距離の乗馬だったので、お尻が痛くなったんだよね。降りて歩けるか不安だったんだ。

お父様が横に座っているので、パーシバルがお行儀よくしている。いや、いつもお行儀は良いけど、様つけ呼びなんだよね。

婚約披露パーティまでしたのだから、呼び捨てで良いじゃん! と思う。

でも、今回は新しい領地も視察するから、少し堅苦しくしているのかも? それか、ソニア王国行きの準備?

外務大臣のモラン伯爵、私には優しい小父様だけど、パーシバルには厳しいんだよね。外交官としての研修を兼ねているから、キチンとしなさい! とか言われたのかも? 後で話し合わなきゃ!

ヘンリーは、途中から私と二人乗りで 馬の王(メアラス) に乗ったけど、元気いっぱいだ。やはり身体強化をもっと修業するべきかも。

今回は、お父様やメアリーなど馬車組がいたから、宿屋で結構な時間を休憩に充てたけど、緊急事態とかなら馬で急いだ方が良いんだよね。

乗馬は苦手だけど、そうも言っていられない場合もあるかもしれないからさ。

「ご用意ができました」とアダムがホテルの支配人の顔で言う。ハンサムだし、ホテルの格式が上に見えるね。

部屋に上がったけど、ここってロイヤルスイートルームだよね! まぁ、領主なんだから有りなのか? お父様に譲るべき?

予備部屋には、侍女や侍従が座れる椅子とテーブルがある。護衛のベリンダもここで待機するのかも?

そして、すごく広いリビング! 応接セット、十人は座れそう! それに、食事を部屋で取れるように食卓も完備している。

「まぁ、窓からグレンジャーの海が見えるわ!」

生憎、冬の海はどんよりとした灰色だけどさ。棗椰子も枯れずに冬風に揺れている。

夏になったら、広いベランダでお茶をするのも良さそう。目の前に広がる青い海、リゾート感が増して最高な眺めだと思うよ。

その上、二つも寝室がある! 其々にお風呂とトイレが付いている。

つい前世の庶民感覚で、ここにヘンリーとお父様と一緒に泊まれば良いんじゃない? と思っちゃう。

「ベリンダとメアリーが泊まる?」とつい言ったら、二人に呆れられた。

この部屋は最高級なので、お風呂とトイレは別だし、私の好みに合わせてシャワーとバスタブも設置してある。

他の部屋は、お風呂とトイレの水回りを一緒のスペースにしているのもあるみたい。一度、見学したいな!

今回は、お父様、パーシバル、ヘンリーは全員スイートルームだよ!

スイートルームを何室にするのかも、アダムに任せた。

このグレンジャーホテルは、高級リゾートホテルを目指しているので、スイートルームを増やしている。

スイートルーム、十部屋! 普通の部屋も十部屋!

私のロイヤルスイートルームなら家族で泊まれそう。

そう、豊かな商人は泊まれるけど、普通の商人は泊まれないかもね。

その分、グレンジャーとハープシャーの宿は改築して、雨漏りはしないし、清潔なベッドも完備している。

グレンジャーの宿の料理は前から美味しかったしね!

ハープシャーの宿の料理も、前よりは美味しくなったそうだ。

兵舎や館で美味しい料理を食べているから、美味しくしないと休日に兵士達が文句を言うからね。

グレンジャーの宿には海鮮パエリア、ハープシャーの宿には肉のパエリアをエバが伝授したし、スープとかはケリーが指導したみたい。

ワインや小麦の買い取りに来た商人も、気分よく泊まれば少しは値段を上げてくれるんじゃない?

こちらでは、貴族は侍女や侍従を連れて旅をするのが普通なので、お供の人が泊まる部屋も用意されている。そして、紐を引っ張れば、侍女が呼べるシステムも完備。

勿論、侍女や侍従を連れていない人には、メイドやボーイがお世話をする。そちらの紐もある。

馬丁や護衛の泊まる部屋も必要なので、大きなグレンジャー館だけど、客室は十五部屋だけ。

従業員の部屋も必要だし、食堂やお風呂も設置して貰っている。

支配人のアダムとメイド長の部屋は、少し広くて居間と寝室は別にしてあるし、お風呂とトイレも完備。

去年の夏休み、カザリア帝国の遺跡見学の学生が、雨漏りしているグレンジャーの宿にまで泊まったと聞いたけど、今年なら大丈夫じゃないかな?

夏休みに研修所をヴォルフガング教授の研究室に開放するかは、ちょっと考えている。

今年の夏休みも、ノースコート伯爵館やホテルは既に予約で満室だそうだからね。

外国からの視察も多いそうだけど、私は其方はお断り! まぁ、友好的なコルドバ王国とかソニア王国は、縁談もあるから断りきれないかもね。

ただ、領地の改革に必要な研究室を優先するのは当たり前だよね! でも、ナシウスの歴史研究クラブの合宿があるなら、最優先しちゃうよ!

来年は、ノースコートのホテルを予約が取れたら良いなとは思っているけど……そうなるとナシウスと夏休みの間、離れ離れになっちゃうね。

そんな事を考えながら、メアリーにお風呂上がりの髪を整えて貰っている。乾かすのは生活魔法で一瞬だけどね。

「お嬢様、やはりシャワーは便利ですわ!」

メアリーは、前はシャワーに懐疑的だったけど、本当に便利だよね。

でも、今回は身体が冷えたから、バスタブにもゆっくりと浸かったけどね。

どちらも魔導具にしているから、お湯を運んでもらわなくても良いのは便利! ただ、魔石がいっぱい必要だ。来年も魔物討伐に行くかも……。

さて、旅装を解いて、普通のドレスに着替えたら、パーシバルとモンテス氏とアダムから報告を受けよう!

せっかくのロイヤルスイートルームだけど、未婚の令嬢の部屋にパーシバルは入れないから、下の会議室で話し合う。