軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お祭りの後

青葉祭の後、期末のテストのための勉強と領地が気になる。

「私も青葉祭の準備で忙しくて、ペイシェンスとデートしていませんでしたね」

ああ、パーシバル! それもあるよね! 忘れていないよ!

「今週末は、エリザベス様とアビゲイル様、それにハンナ様が屋敷に来られるのです」

エリザベスとアビゲイルは午前中、お茶の時間にハンナ! ハンナには、織物クラスの友達とクラリッサを連れてきてもらう約束なんだ。

本当は、午後の方が訪問のマナーとしては良いのに、伯爵令嬢のエリザベス達を午前にしたのは、こちらは仮縫いだから時間はかからないからだ。

ハンナ達は、生地とデザインを選ぶから時間が凄くかかりそうなんだよね。それと、お古のドレスのリメイクも頼まれている。午後いっぱい掛かりそうな予感!

「それは、ドレス関係ですか? それなら、私は遠慮した方が良いですね」

そうだけど、パーシバルとも会いたい。

「夕食を一緒に如何ですか?」

夕食後、少しこれからの予定を二人で調整したいんだ。

「良いですね! 久しぶりにペイシェンスの料理を食べられます」

料理するのは、エバだけど、こちらではもてなす女主人が責任を持つ感じだから、間違いじゃない。

「そんな風に言われたら、新しいメニューをお出ししたくなりますわ」

そんないちゃいちゃモードだけど、ここは寮の食堂! 邪魔がすぐに入る。

「おっ、ペイシェンス!」

ああ、アルーシュ王子、良いムードなのがわからないのかな? このところ、キース王子はカレン王女、オーディン王子はジェーン王女と一緒に食事をしたりして、こちらの邪魔をしないんだけど、アルーシュ王子の縁談はないからなぁ。

「アルーシュ様、来年は一緒にロマノ大学ですね。指導教官を選ぶのが大変ですよ」

パーシバルは、外務省からアルーシュ王子の進路相談に乗るように言われているのかな? それとも私より親切なのかも。

「ああ、それもあってペイシェンスに相談にのってもらいたいと思っているのだ」

嫌な予感がする! 魔法関係ってゲイツ様だよね?

「もしかして……」

口にするのを躊躇っているのに、アルーシュ王子は食いつき気味に話す。

「王宮魔法師のゲイツ様にこの前一度だけ魔法を指南していただいたのだ! その一番弟子のペイシェンスと共にロマノ大学で魔法について学びたいと考えている。ペイシェンスも来年からはロマノ大学なのだろう!」

はあぁ〜! パーシバルの前じゃなければ、アルーシュ王子に悪態をつきたい気分。まぁ、ペイシェンスはお淑やかだから、罵倒の語彙はすくないのだけどさ。

「私は、ゲイツ様の弟子ではありませんわ。それにロマノ大学では、領地管理について学びたいと考えています。アルーシュ様が魔法について学びたいなら、ゲイツ様に指導教授を推薦して頂ければ宜しいのではないでしょうか」

これが、ペイシェンス的に最大の嫌味とお断りだよ。

「えっ! ゲイツ様は夏休みにペイシェンスの領地で魔法の合宿をしようと言われたのだが?」

そんなの知らないよ! パーシバルも驚いている。

「ゲイツ様は、国王陛下が夏の離宮に行かれる時に、王都の護りをされると聞いています」

だよね! 去年は、それを無視してカザリア帝国の遺跡を見学しに来ちゃったんだよ。サリンジャーさんに強制的に連れて帰られていたけどね。

「あっ、そうそう! 国王陛下が王都に帰られてから、合宿になると言われていたな」

それは聞いていない。ゲイツ様には色々とお世話になっているけど、アルーシュ王子と魔法合宿だなんて絶対に嫌だ。

夏休みはパーシバルと弟達と過ごしたいんだもん。

「ゲイツ様は、ペイシェンスの友だちの女学生も呼ぶと言っていたが?」

女学生? 魔法合宿に参加しそうなのは、魔法クラブの二人しか思い浮かばない。

「もしかして、魔法クラブの新部長のルーシー様でしょうか?」

学生会長のパーシバルがピンときたみたい。

「えっ、アンドリュー様が新部長ではないのですか?」

わぁ、凄く嫌な予感がするよ。

「いや、ルーシー・ランバード様が新部長だと届出があったから、アンドリュー様ではないのは確かです」

まぁ、アンドリューってちょっと性格的にややこしくて、部長になったら面倒だなぁとは思っていたけど……ベンジャミンが陰で手を回したとか嫌だからね。

騎士クラブの二の舞は困るよ! ベンジャミンは、錬金術クラブの新部長なんだから! 他のクラブにちょっかいを入れて、廃部なんかならないようにしてね。

ルーシー・ランバードって、黒髪の魔法クラブの子だよね。冬の魔物討伐の時、初めは赤毛のアイラ・チェスターと一緒に決闘を申し込んできたけど、その後は仲良くなったんだ。

でも、私はもう魔法使いコースの授業は取ってないから、学園で会うことはなかった。

「ゲイツ様は、ペイシェンス様の優しい所を突いてきますね。女学生には優しいですから」

パーシバルに言われて、ウッと詰まる。アルーシュ王子だけなら、速攻で断るけど……あの二人に頼まれたら弱い。

だって、あの子達は王宮魔法使いを目指しているんだ。まだ未熟な所もあるけど、私的には目的を持って頑張っている女の子は応援したい。

「魔法合宿なんて、聞いていませんわ」

とにかく、それだけは言っておく。

「そうなのか? 夏休みの計画を立てなくてはいけないから、決まったら教えて欲しい。それと、青葉祭が終わったのだから、外交学のディベートの打ち合わせもしなくてはな!」

うっ、外交学! パーシバルともフィリップスとも別になったんだ。婚約者の二人を別にするなんて、先生も酷いよね!

「ペイシェンス、今年の夏休みはナシウスの歴史研究クラブの合宿と魔法合宿になりそうですね。私は、絶対にお側から離れませんよ!」

おおっと、珍しくパーシバルの嫉妬? 何だか嬉しいな!