軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

涼しさを求めて

おや? ライバルが意識を集中させて変身しました。

「ささ、なおふみーガエリオンが水と氷属性のドラゴンに変身したなの。ガエリオンに乗って納涼するなの。全裸で、シャチ女みたいにつるぷにボディなの!」

ライバルは何をトチ狂ったのか、お姉さんのお姉さんの獣人姿のような肌をしたドラゴンへと変身してお義父さんを誘っておりますぞ。

風に乗ってライバルの発する冷気が辺りに漂い始めました。

「仰向けで寝転ぶガエリオンちゃんが露骨なアピールしてる……」

「暑さを忘れる情熱的な時間を過ごせるなのー」

お義父さんが暑さでふらふらとライバルの方へ足を運ぼうとしていますぞ。

行かせませんぞ!

「ダメですぞお義父さん」

「でも、さすがに暑いよ……幾ら影を作って涼んでいるって言っても熱風が」

確かに暑過ぎますぞ。

むしろ熱いですぞ。

温度はどんな物なのですかな?

「あ! 流星盾を使うと熱を遮ってくれるみたいだよ!」

「よし、尚文に集まれ!」

「わかりました!」

錬や樹の掛け声に合わせてお義父さんの周りに集まりますぞ。

「ちょっ! これ逆に暑いよ!」

ですな。

結局、お義父さんは定期的に流星盾を発動させて熱を遮り始めました。

「無駄な労力を使ったな……」

「ですね……」

「あのねー……」

そんな中で不自然に平然としている奴が二人います。

お姉さんのお姉さんと主治医ですぞ。

お姉さんのお姉さんは魔法を使って涼んでいるのはわかりますが、主治医の方はケロッとしていて辺りを調査しております。

「あそこにあるアリ地獄型の魔物、初めて見るわね。新種かもしれないわ」

「あらー……じゃあ倒して調べるのかしら?」

「そうね。勇者達の強化にもなるだろうし、沢山生息しているみたいだから良いんじゃないかしら」

お姉さんのお姉さんと打ち合わせをしていますぞ。

元気すぎますな。

さすがの俺もウンザリして来ております。

「何をしてもダメですぞ」

俺はお義父さんがライバルに近寄らない様に手を握って妨害します。

「うー……底なしに暑い……砂漠ってやっぱり凄く暑いんだなぁ……」

行くか行かないかと悩んでいる態度でお義父さんがポツリと呟きます。

「何してるんですか? 尚文さんも涼みましょうよ」

いつの間にか樹と錬がライバルにペタリと触れて涼み始めております。

しかもお姉さんやその友人も既にライバルに引っ付いております。

「涼しいー」

「生き返るね」

「なの!? ダメなの! ガエリオンはなおふみの為に変身してるなの! 離れるなの! フィロリアルと槍の勇者の目の前でなおふみを寝取ろうとしてるのに邪魔するななの!」

「それで尚文さんを寝取るとか随分と凄い発想ですね」

「そうだな。ああ、サディナと関係を持つ尚文は何でも行けるか」

「穴なら何でも良いんですね」

「何言ってるの錬、樹! つーか、何勝手に涼んでるの!?」

「なのー! しょうがないなの! アイスブレスなのー!」

ヒューッとライバルが吹雪のブレスを吐いて、辺りが凍りつきましたぞ。

ま、それもしばらくしてすぐに溶けてしまったのですがな。

みんな氷漬けに成りかかりました。

「涼しいーもっとー」

「熱いー……」

「ああ……今この時だけは凍える吹雪のような息をありがたいと思う事はありませんね」

「そうだな。魔法は何だかんだで魔力を使って疲れる。これは良い」

「ガエリオンが逆に熱いなの! なおふみ! ガエリオンの頑張りを見て欲しいなの! 童貞が欲しいなのーガエリオンと抱き合って涼みながら情熱的な行為をしようなの」

「健気にも見えたけど最後の台詞で台無しだ!」

お義父さんの嘆く様な叫びが響き渡りました。

そうですな……ならば、俺に考えがありますぞ。

「ここで俺が火の魔法を使いますぞ」

「誰か元康をぶち殺せ!」

「ええ、迷うことなく仕留めますよ!」

錬と樹が辺りの温度を下げるほどの殺気を俺に向けて放ちました。

それでさえもお姉さんや友人、フィロリアル様達は涼しいと受け取った様ですぞ。

表情が気持ちよさそうです。

今は少しでも涼みたいと言う意識が感じとれます。

にしても温度が高すぎますぞ。

俺が海外旅行で行った砂漠でもここまで高かった覚えはありませんぞ。

「うわー……砂がガラス状になってる所があるねー……」

「随分と高い様ですな」

「で、元康くん。火の魔法を唱えるって俺達を殺したいの?」

お義父さんもちょっと殺伐とした目で俺を見つめますぞ。

そんな目で見られたら俺も困ってしまいますぞ。

「お義父さん、魔法は奥深いものですぞ。何も火の魔法は燃やすだけでは無いのですぞ。熱に該当する魔法の系譜もあるのですぞ」

「えっと、漫画とかだと存在する。熱を奪うって奴?」

「ですぞ。辺りの熱を吸収する火の魔法を唱えて涼しくさせて見せますぞ」

「おおー……そんな事も出来るんですか。では、やっちゃってください、元康さん。頼りにしてますよ」

「そうだな」

「錬さんも氷の魔法の維持をしてくださいよ」

「く……わかった。今は少しでも涼を得るためにやるしかない!」

ここは火山か何かですかな?

そう思いながら俺は温度を下げる火の魔法を唱えたのですぞ。

そんなこんなでみんなで魔法を掛け合って、日が沈むのを待って探索を再開しました。

「既に魔力やSPをかなり消費してしまっているんですけど、大丈夫なんですか?」

「うーん……思ったよりも厳しいかも……水の消費も多い事多い事……」

「で、進むんですか? 戻るんですか?」

「問題はそこだけど……というか、あの赤い都……近づいた気はするけどまだ遠いね」

「むしろ冒険の中断も視野に入れるべきかと」

「まあね」

さすがに俺も堪えましたぞ。

プラド砂漠に到着しても帰るのが大変ならそんなに滞在出来ないのではないですかな?

「とりあえずガエリオンちゃんとリファナちゃん、ラフタリアちゃんは空間の切れ目を探して……出来る限り早くね。なんて言うか砂漠と言うより火山帯って言いたくなるほどの空間みたいだから」

「わかったなの!」

「今度も見つけてみせるよ。ね? ラフタリアちゃん」

「うん!」

頷き合うお姉さん達ですが、フィロリアル様達も負けてはおりませんぞ!

ユキちゃん達も今度は領域突破のために頑張るのですな。

「その間に俺達は魔力とSPの回復を図るために武器に入れていた魔力水と魂癒水を飲んでおこう」

「とか言いつつ、飲み物を飲む感じにグビグビと飲んで行くね」

お義父さんが呆れていますぞ。

まあ、万全の態勢を整えておくのは良い事ですが些か飲み過ぎな気がしますな。

なんて感じに進んで行くとお姉さんの友人が何やら指差しましたぞ。

「あった!」

「おお! 見つかったか」

「アリ地獄が所狭しにあってまた日が昇ってしまうのかと不安に思っていた所で良かったですね」

「ああ、やっと帰れる」

と言う所で領域破壊をしているライバルとお姉さん達が眉をよせますぞ。

フィロリアル様も別口で破壊をしていましたが反応は同様ですぞ。

すごく小さな穴が出来ております。

「ちょっとこれは何なの?」

「何ー?」

「どうしたの?」

「壊そうとすると穴が閉じるなの。少ししか開けられないなの」

しかも……っとライバルは手をかざしておりますぞ。

「これは……開く領域の先から補強しようとする何かがあるなの」

どういう事ですかな?

侵入者を惑わす領域を生成する機械の様な物でもあるという事ですかな?

「他を探す?」

「それも手なの」

「どんな感じなんですか?」

お姉さんの友人がライバルが僅かにこじ開けた中を覗きこみます。

小さいですからイタチ姿に変身していますな。

「あ、なんか先に魔力装置みたいなのが見える。アレが邪魔してるのかな?」

「かもしれないなの」

「うーん……俺達でガエリオンちゃん達の協力とか出来ない?」

「力技でやるのとは少し違うから難しいなの」

「ふん! そんな穴など、俺の力で一発で破壊してやりますぞ!」

「おお、頼もしいな! やれ! 元康、日が出る前に脱出するんだ!」

「ええ、あそこまで暑い砂漠なんていたくありませんから」

ガッと小さく開く穴に槍を通してブリューナクをぶっ放してやりますぞ。

ですが穴は広がる様子がありません。

右目で穴の中を覗きこみますが、狙うのがとても難しいですぞ。

そもそもお姉さんの友人ほど見えませんからな。

「悔しいですぞ」

「役に立ちませんね」

「そうだな」

「うーん……」