軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

160 対ネクロマンサー

「もう少し僕自身のLvが上がれば効果があるとは思うけどね」

「専門家の分析でそう答えるって事は相当なんだろうな」

「ただ、倒した際の経験値は高いね。なんだかんだ王宮でも上位の勇者パーティーじゃないと来れない階層だけはあるね。いきなり敵が強くなったよ」

ここでガタガタと周囲の棺桶が動き出して無数のアンデッド達が動き始めてこちら目掛けて素早く突撃する勢いでやってくる。

「ふむ……では早めに処分させて貰うか」

「ああ。余り悠長にして居られる余裕はなさそうだ」

俺とクマールは死んだフリを行い。勇者の怒りが作動したルナスが魔法を放つ。

「浄化の炎を食らうが良い! 「「「ハイホーリーファイア!」」」」

轟音と共にアンデッド達を聖なる炎で焼き払い、灰へと変えていくのだけどそれを物ともせずにアンデッド達はこっちに突撃してくる。

ここで何やら魔法がこっちに……?

「む!」

シュタインが焦った様に俺とクマールの体をゾンビとして起き上がらせる。

「あぶな! リエルとクマールの体に死霊術を掛けようとした魔物がいる。ルナスさんの魔法の射程外からだよ」

うへぇ……危うく俺とクマールの体が敵に操られるゾンビにゾンビ化するところだったのか。

まあ、死んだフリを解除すれば良いだけなんだけど。

「デッドネクロマンサーが居るっぽい……死霊術師としては負けられないね。行って! リエルとクマールゾンビ!」

シュタインの魔法で俺とクマールの体がワーウルフ化して突撃していく。

『クマールのゾンビ姿なんだけど、ベアーにウルフが混ざって……体も大きいからなんか雄々しく感じるな』

な? クマール?

『ヌマァ』

照れますとばかりにクマールが自身の体を見て答える。

俺とクマールの体は俺達が出来ないような運動神経で壁を縦横無尽に蹴って無敵状態で迷宮の奥へと駆けて行く。

「なんとも手荒い歓迎だな。少年、そのデッドネクロマンサーがこの階層のヌシかね?」

「どうだろう?」

『あー……悪いけどシュタインが狙っている魔物と同じ反応を複数感知してる。ヌシとは違うんじゃないか?』

俺の念話にルナスとシュタインがうわぁ……って態度を見せる。

「これは色々と楽しめる階層のようだな」

不敵に笑うルナス。あんまりその笑いはして欲しくは無いんだけどなぁ……。

ともかく無数に出てくるアンデッド達を俺達は倒した。

デッドネクロマンサーという……術者は悪魔系の魔物を仕留め、出てくるアンデッド達を灰に変えて行き……把握で感知出来る範囲の魔物が居なくなった所で死んだフリを解除した。

「いきなりハードルが跳ね上がったものだな。これが41階層の洗礼という所かね」

「そんな所なんじゃ無いか?」

「中々ハードだね。ちょっと僕も胆が冷えたよ」

シュタインはこの中で一番危ないと言えば危ないポジションだもんな。

隠密で上手いこと気配は消しているけど、流れ弾とか当たりかねない。

もちろん一掃する為にルナスが定期的に魔法で仕留める訳だけどな。

「遭遇する数も多いし魔物自体も強い……中々大変な階層みたいだ」

「歯ごたえがあって良いでは無いか。まあ、私はまだまだ余裕であるがな」

まあ……6倍強化状態のルナスの前に止められる奴なんてそうそう居ないだろう。

それでもアンデッド達の魔法防御が相当上がっているのが分かる。

「……最近ふと思うんだがな」

「なんだリエル、何か疑問でもあるのか?」

「まだまだ迷宮は深さが増している中で俺達の強さが足りない状況がさ、実は王宮仕えであっても大したLvではないのかも知れないって可能性だ」

「ふむ……」

「興味深い考えだね。この階層に来れる宮仕えパーティーは数が少ないけれど元々冒険者達の強さが大した事が無いからここまで来れないとリエルは言いたいんだね」

シュタインの言葉に俺は頷く。

「ルナスさんは昔思った事が無い? 周囲のLvの低さに別の所に行こうと思ったりする事」

「あるな……なるほど、一流と呼ばれる冒険者達もそもそも彼らの中で一流であって実は完全な上を知らないという事だな」

「そういうことだ。伝説とかで語られる勇者とかもっと深い所に行けたのかもしれないだろ?」

「古の蘇生魔法が存在したと語られる時代の話だね……死んでも生き返れる奇跡があったならもっと挑戦的に挑めたのかもしれないね」

「長い歴史の内に弱体化してしまっているか……そんな歴史を塗り替えるのが私たちだ! どんどん力をつけて行くぞ!」

ルナスは本当、戦うのは好きというか何というか。

勝算の無い勝負はしない主義だそうだけど……死んだフリを使っていない頃から雄々しかったと思うんだけどな。

「ヌッマ!」

なんか強くなってきた手応えがあります! ってクマールが立ち上がって両手を挙げてアピールしてる。

うん。お前は凄く大きくなったもんな。そのまま俺にじゃれると結構大変だし。

「さてさて、ではこの階層で沸きすぎたアンデッド達を仕留めてヌシの首を手土産にして帰ろうではないか! リエル、少年、クマール! 存分に腕を磨こう」

そんな訳で俺達は変わらず迷宮内を進んで行ったのだった。道中で無駄に業物らしい大きい金槌やプレートメイル、盾とかを見つけたり、魔法書を見つけた。

魔法書はどうやら聖職者関連の書物だったそうでシュタインが貰い、献上して調査をさせる話となった。

で、この階層のヌシはエルダーリッチというリッチ系の上位種の魔法攻撃を得意とするアンデッドとの戦闘だった。

まあ……41階層を掃除するような勢いでアンデッド達を殲滅していた俺達からすると経験値が大量に入ったお陰でかなり強くなったと思う。

シュタインも後半はターンアンデッドが効く気がすると使ってアンデッドを浄化していた。

そんな状況でエルダーリッチとの戦闘をした訳で……ルナスのハイホーリーファイアの四連発とシュタインのホーリーボールを受けてエルダーリッチは倒された。

「四発も耐えたか、ところでドラークはコイツを倒したのか?」

「40階層以上って自慢していたから一応そうなんじゃないか?」

「41階層を攻略中でも言える台詞だね」

真実はどうなのやら。

「ともかく攻略は完了した訳だけどどうする?」

「少しだけ様子見で42階層を見ようかと思ったけど……」

42階層へ続く道は発見済みなんだが……その先は水で満たされている。

ルナスに魔法で水を消し飛ばしてもらおうとしたけれど気化する様子も無い。

把握で感知出来る範囲は水で満たされていて泳いで進まないといけないようだ。

「潜水する何らかの手段が必要って事だね」

「今の俺達じゃ進むのに手間取るだろうし、装備の準備がな」

「さすがの私も息がずっと続く訳では無いのでな」

「どっちにしても準備に戻るべきってのが分かったから戻ろうか」

40階以上の情報は宮仕え勇者の中でも権力闘争の色合いが強くなる。

なので開示されていない情報もあるわけなのでこんな事態もあり得るだろう。

「今回の迷宮は中々歯ごたえがあって楽しめたな」

「ヌマァ」

そんな訳で俺達は来た道を戻る事にしたのだった。