軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

洞窟4

十分ほど進むと、開けた場所に出た。

そこは鍾乳石の柱がいくつもあり、低い場所に水が溜まっていた。

この水は濁ってるし、飲めそうにないな。

カチャリ――。

金属がぶつかるような音が柱の近くから聞こえた。

「みんなっ! 柱の陰に何かいるよ!」

僕が叫ぶと、すぐに三人は戦闘態勢を取る。

柱の陰から青黒い鎧が見えた。

あれは……アーマーゴーレムか!

アーマーゴーレムは背丈が二メートルを超えていて、胴回りが三メートル以上あった。腕は長く、太い指先が地面に届きそうだ。

普通のアーマーゴーレムじゃない。体が大きいし、鎧に魔法文字が刻まれている。

それに……。

僕はアーマーゴーレムの口の中に赤い宝石が埋め込まれていることに気づいた。

あの宝石……魔族のダグルードが配下にしていた骸骨兵士にも埋め込められていた。

どうして……いや、今はそんなことを考えてる場合じゃない!

アーマーゴーレムは一体ではなかった。二体……三体……五体……十体。

「ゴゴッ……」

アーマーゴーレムが僕に近づき、太い腕を振り下ろした。

僕は頭を低くして、その攻撃を避ける。アーマーゴーレムの手が地面を叩き、一瞬、周囲の地面が揺れた。

パワーもあるし、スピードもなかなか速いな。

僕は魔喰いの短剣を手に取り、魔力を注ぎ込む。青白い刃が一メートル以上伸びた。

あの宝石が骸骨兵士を強化したものと同じなら、それが弱点でもあるはずだ。

僕は体を低くしてアーマーゴーレムの側面に回り込み、魔喰いの短剣を振る。刃がアーマーゴーレムの足に当たり、浅い傷をつける。

硬いな。この程度の魔力じゃ足を完全に切断できないか。

それなら、宝石を狙う。

キナコとピルンもアーマーゴーレムと戦い始めた。

アルミーネは僕の背後に回りながら、呪文を唱える。

アルミーネの右の瞳に魔法陣が浮かび上がり、黄白色の魔法陣が僕の前にいたアーマーゴーレムの頭上に具現化する。

その魔法陣から雷が落ち、アーマーゴーレムの動きが止まった。

今がチャンスだ!

僕は左足を大きく踏み出し、魔喰いの短剣を突き出す。先端が赤い宝石に当たる寸前、その宝石を守るように口が閉じた。

キンと金属音が響く。

くっ、それで口の中に宝石を埋め込んでいたのかっ!

僕は唇を強く噛んで、アーマーゴーレムから距離を取る。

雷の魔法の効果が切れたのか、また、アーマーゴーレムが動き出す。

「まずいのだ!」

ピルンが僕の背中に背中を当てた。

「このアーマーゴーレムは硬くて重いのだ。マジカルハンマーでも倒すのに時間がかかってしまうのだ」

「足を狙え!」

キナコが叫んだ。

「こいつは頑丈だ。ならば動けなくすればいい!」

「了解なのだ!」

ピルンの紫色の瞳が輝き、瞳孔が縦に細くなった。

「狂戦士モード発動なのだーっ!」

ピルンはアーマーゴーレムに駆け寄り、腰を捻りながらマジカルハンマーを振った。巨大化したハンマーがアーマーゴーレムの足に当たり、ヒザの部分ががくりと折れる。

アーマーゴーレムの巨体が傾き、横倒しになった。

それなら僕は魔法のポケットに収納している特別な紙を使って……。

「『粘着網』!」

粘着性のある紙の網が具現化し、三体のアーマーゴーレムの動きを拘束する。

「それでいい!」

キナコが動けなくなったアーマーゴーレムに近づき、高くジャンプした。くるりと体を反転させて、肉球でアーマーゴーレムの顔を叩く。

ガラスが割れるような音とともに閉じていた口が開き、砕けた宝石の欠片が地面に落ちる。

「ゴ……ゴゴ……」

アーマーゴーレムは仰向けに倒れて動かなくなった。

やっぱり、宝石が弱点か。

素早く視線を動かすと、アルミーネに近づくアーマーゴーレムが見えた。

そうはさせない!

僕は一気にアーマーゴーレムに近づき、さっきの二倍の魔力を魔喰いの短剣に注ぎ込む。刃の輝きが増し、形が三日月のように変化する。

「これでどうだっ!」

僕は具現化した紙の足場に飛び乗り、力を込めて魔喰いの短剣を振る。

アーマーゴーレムの頭部が半分に斬れ、口の中にあった宝石が砕ける。

よし! これならいける!

僕は正面から近づいてくるアーマーゴーレムに突っ込んだ。

数分後、全てのアーマーゴーレムを倒して、僕は深く息を吐き出す。

強いモンスターだった。一発でもパンチを食らえば、体の骨が砕けて死んでいたな。

「ドールズ教の信者がアーマーゴーレムを配置したんだろう」

キナコが砕けた宝石の欠片を手に取る。

「パワーとスピードを強化する効果がありそうだな。それにこの宝石で敵の動きを探知することもできるようだ」

「それで通常は口を開いて戦っていたってことか」

「ああ。口を閉じたアーマーゴーレムの反応が少しだけ遅れていたからな」

「キナコ。この宝石、ダグルードが骸骨兵士を強化してた宝石と似てるね」

「……ああ。もしかしたら、狂信者どもは魔族と関わってるのかもしれん」

キナコの牙がカチリと音を立てる。

「これは、一度戻ったほうがよさそうね」

アルミーネが言った。

「アーマーゴーレムの情報は伝えておいたほうがいいと思う」

「そうだね。他の場所にも配置されているかもしれないし」

僕は動かなくなったアーマーゴーレムを見つめた。