軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

洞窟3

「全員、聞いてくれ!」

メルトが大きな声を出して、冒険者たちを集めた。

「これから、手分けして出口を探すことにする」

「他に出口があるのか?」

Cランクの冒険者がメルトに質問した。

「それはわからない。だが、現状は別の出口を探すしかない!」

きっぱりとメルトは言った。

「この洞窟は広くて深い。別の出口が見つかる可能性はある。ただ……」

「ただ、何だ?」

「ルーガルは『本当の恐怖はこれから始まる』と言っていた。他にも罠があると考えたほうがいいだろう」

その言葉に冒険者たちの表情が強張る。

「なので、ランクの低い冒険者のパーティーは炎龍の団の団員といっしょに行動してもらう」

「ああ。そのほうがいいだろう。EランクやFランクの冒険者もいるからな」

「では、パーティーのリーダーはグレッグのところに集まってくれ」

グレッグが右手を上げると、そこにパーティーのリーダーたちが集まっていく。

十分後――。

「私たちはこの四人で行動することになったから」

アルミーネが言った。

「Aランクのキナコがいるし、私もCランクで錬金術師だからね」

「ピルンだって限りなくSランクに近いDランクなのだ」

ピルンが薄い胸を張った。

「ピルンは強いけど、Sランクに近い、は言い過ぎでしょ」

アルミーネはピルンに突っ込みを入れながら、言葉を続ける。

「メルトさんも私たちのパーティーに期待してるみたい。なんとか、出口を探してくれって、頭を下げられたよ」

「出口か……」

僕は三十以上の穴を見回す。

探すのは大変そうだな。でも、やるしかない。食料も水も無限にあるわけじゃないから。

冒険者たちがばらばらに分かれて穴の中に入っていく。

「じゃあ、私たちも動こうか」

アルミーネが右側にある穴を指さした。

穴の中は暗く入り組んでいた。

アルミーネが飴玉のような大きさの球体を魔法のポーチから取り出す。彼女が呪文を唱えると、その球体が浮かび上がり、黄白色に輝いた。

「照明用の魔道具?」

僕の質問にアルミーネがうなずく。

「うん。私が作ったんだ。光が強くて長時間持つから、ダンジョンの探索に役に立つんだよ。売れば金貨一枚以上にはなるしね」

「そんなに高く売れるんだ?」

「まあね。一応、上級の錬金術師ですから」

アルミーネは自慢げに胸を張った。

「うむ。アルミーネはすごいのだ!」

何故かピルンも胸を張った。

「他にもシャワー用の水筒を発明したのだ」

「へーっ。あれってアルミーネが発明したんだ? 聖剣の団でも使ってる人多かったよ」

「そうなのだ。女の冒険者に大人気でピルンも一個もらったのだ。でも、アルミーネはピルンにくれない魔道具もあるのだ」

「んっ? 何をくれないの?」

「胸を大きくする魔道具なのだ。その魔道具があるから、アルミーネの胸は大きいのだ」

「そんな魔道具作ってないからっ!」

アルミーネが顔を赤くして、ピルンの頭を強めに叩いた。

「ううーっ」

ピルンが頬を膨らませる。

「でも、魔道具を使わないと、そんなに大きくならないのだ」

「なるよ! 普通に暮らしててもなるよ!」

アルミーネが胸元を手で隠しながら言った。

「ヤクモくんの前で変なこと言わないで」

「何でヤクモ限定なのだ?」

「……とにかく、胸のことはもういいからっ!」

アルミーネはピルンの手を掴んで、早足で歩き出した。