軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

洞窟5

穴がたくさんある円形の場所に戻った僕たちは、メルトにアーマーゴーレムのことを伝えた。

「お前たちもか」

メルトは険しい表情でそう言った。

「他にも、アーマーゴーレムに襲われたパーティーがいるんですか?」

「ああ。三つのパーティーが遭遇して、五人の冒険者が犠牲になった」

「五人も……」

僕の口から漏れた声が掠れる。

「とりあえず、全てのパーティーに遠話の魔道具でここに戻るように伝えている」

「そのほうがいいだろう」

キナコが言った。

「この洞窟にいるアーマーゴーレムは魔族が使う宝石で強化されている。正直、Dランク以下の冒険者では勝てないと思うぞ」

「……そうだな」

メルトはじっとキナコを見つめる。

「キナコ、この状況をどう見る?」

「魔族が潜んでいる可能性が高いだろうな」

「やはり、そう思うか」

「ああ。特別な宝石でモンスターを強化するやり方は魔族がよくやる手だ。もしかしたら、この洞窟の中に魔族がいるかもしれんぞ」

その言葉を聞いて、周囲にいた炎龍の団の団員たちの顔が青ざめる。

「アーマーゴーレムだけじゃなく、魔族もいるのか」

「まだ、魔族がいると決まったわけじゃない」

「だが、これだけ、アーマーゴーレムがいるのは魔族とドールズ教の信者たちが結託しているからじゃないのか?」

「それは……」

「落ち着けっ!」

メルトが張りのある声を出した。

「仮に魔族がいたとしても、私が倒してやる。それにここには『魔族殺しのキナコ』もいるんだからな」

その言葉に団員たちの表情が少しだけ和らいだ。

「メルト様」

炎龍の団の副リーダー、グレッグがメルトに歩み寄った。

「こうなると、戦闘力の高い者だけで出口を探したほうがいいでしょう。魔族がいなくても、強化されたアーマーゴーレムは危険ですから」

「ああ。それと、アーマーゴーレムがいた場所を地図に書き込んでおいてくれ。その先に出口があるかもしれない」

「そうですね。その可能性はあると私も考えます」

グレッグはアゴに手を当てる。

「そうなると、戦闘力が高い者を集めて、アーマーゴーレムを倒すパーティーを作ってもよさそうですね。リッケルたちなら、なんとかするでしょう」

「そのパーティーに私も入るぞ」

「メルト様もですか?」

グレッグが驚いた声を出した。

「しかし、それでは全体の指揮が……」

「それはお前にまかせる」

メルトはグレッグの肩を叩く。

「お前なら、私より上手く指揮を取ってくれるだろう」

「……はぁ。まあ、メルト様なら、アーマーゴーレムなど、楽に倒せるでしょうが」

その時、Fランクのテトが穴から姿を見せた。

テトの顔は青ざめていて、上着の一部に血がついていた。

「たっ、大変だよ。リッケルさんが……」

テトは僕たちの前で転んだ。

「おいっ! リッケルがどうしたんだ?」

メルトがテトに駆け寄った。

「りっ、リッケルさんがアーマーゴーレムに殺されたんだ!」

テトは声を震わせながら言った。

「はぁっ? リッケルはBランクだぞ。どうしてやられたんだ」

「突然、アーマーゴーレムに僕たちのパーティーが襲われたんだ。それでばらばらになって、僕といっしょにいたリッケルさんがやられちゃって」

「バカな……」

メルトのこぶしが小刻みに震え出す。

「場所はどこだ? 案内しろ!」

「う、うん」

テトは慌てて起き上がり、穴に向かって走り出す。

テトと炎龍の団の団員がその後を追う。

「僕たちも行こう」

僕は仲間たちといっしょに走り出した。