軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

VSレジェンド宝箱の守護者

宝箱を守る守護者って、ダンジョンの定番な気がする。

これって俺は初めての経験なのだが、他の人はどうなのだろう?

〔虹色の宝箱ってなに? そんなのあるの?〕

〔ガーディアン??? エリアボスってこと????〕

〔意味がわからん。初めて?〕

〔ダンジョン局スタッフ(公式):未確認事案です。注意して行動してください〕

〔公式認定来たーーーーー!〕

あ、初めてのことだったらしい。

「みんな、警戒しろよ」

敵の気配はどんどん濃くなっていく。

そして現れたのは――黒いマントを覆った顔色の悪いイケメン男だった。

これはまさか――

「ふむ、ようやく出番か――我が名は第三級吸血鬼ヴァレン。よく訪れた、人間よ」

やっぱり吸血鬼――しかも喋るタイプの敵か。

さっき噂をしたばかりの敵が出てくるとはな。

光槍(アークジャベリン) がヴァレンを急襲する

が、その光の槍をヴァレンは素手で受け止めた。

「無詠唱、そして我が弱点の光の魔法による不意打ちは見事。だが、練度が足りん」

とヴァレンは言うと、光の槍を掴む手に力を込めた。

すると、パリンと簡単に折れてしまう。

ヴァレンの言う通り、ミルクは普段、火石魔法を使うため、光魔法と無魔法の熟練度はまだまだ低く、弱い魔法しか使えない。

「むしろ厄介なのはそこのエルフか」

マントから黒い弾丸が飛んできたので、トゥーナが光の魔法を使って迎撃するが、数が多い。

「ゼンちゃん! 迎撃!」

アヤメがヤツデの葉を取り出し、ゼンを呼び出し風魔法で迎撃をさせた後――

「解放: 雷神(ゴッドサンダー) 竜巻(トルネード) 」

アヤメの魔法がヴァレンを襲うが、ヴァレンの前に何枚もの黒い障壁が現れた。

アヤメの魔法はヴァレンの障壁を次々に破壊していくが、破壊するごとに威力も減衰している。

その隙をつき、俺は突撃。

布都斯魂剣を構え、

「薙ぎ払いっ!」

と障壁を一気に薙ぎ払い、そのままヴァレンの腹に浅い傷を作る。

ヴァレンの顔つきが険しくなり、目が赤く光った。

致命傷には程遠いが、怒らせるには十分だったようだ。

だが、次こそは倒す――と思ったとき。

ヴァレンの姿が消えた。

霧になったのかっ!?

だが、それならアヤメの風魔法で吹き飛ばせば――

とその時、俺の背後に気配が――

背後を切り裂こうとするが――

「遅いっ! 我が糧となぎゃぁぁぁぁあっ!」

とヴァレンが俺の首筋を掴むが、逆にダメージを受けたのはヴァレンの方だった。

「な、何故だ! エナジードレインを使い傷を癒すはずが、何故我が体力を吸われているっ!?」

「俺もエナジードレインを使ったからだ」

「……な……まさか、貴様も吸血鬼かっ!? そうか、女を三人も侍らせているのも、魅了の力を使ったのだな」

「んなわけあるかっ! 俺はただの人間だ!」

俺は怒鳴りつけた。

〔ただの人間(自称)〕

うっせー、リスナー。

「そうか、ならば――」

と吸血鬼の瞳が怪しく光る。

いったいなにがあったんだ?

「……アヤメ様!?」

トゥーナが声を上げた。

肩越しに後ろを見ると、アヤメの顔が赤くなっている。

あれは魅了の症状だ。

まさか、魅了を――

「ほう、一人しか魅了できなかったか。しかし、配下のゼンとやらも一緒に我が部下になれば、これで三対三。これまでのようには――」

とヴァレンが言ったと思ったら――ミルクがハンドガンの弾をアヤメにぶっ放していた。

「貴様っ! 仲間をためらいなく撃つのかっ!」

一番驚いたのはヴァレンと、そしてリスナーたちだろう。

無傷のアヤメは杖を構えて魔法をぶっ放す。

「解放:風の 衝撃(ウインドショット) 」

勝利の笑みを浮かべたヴァレンだったが――

「ぶがほっ」

その風の魔法は俺ではなくヴァレンの横顔を殴りつける形になった。

「なっ!?」

「スキル、対象変化。魅了されている相手をあなたから私に移し替えたわ。ね、アヤメ」

「うん、ミルクちゃん、ありがとう。大好き」

とミルクはヴァレンではなくリスナーに向けて嘘の説明をする。

実際は魅了石を使って魅了の上書きをしたのだろう。一度魅了状態になったら、性欲が解放された状態なので、ミルクの運の悪さを以ってしても魅了の上書きは可能となる。

「だったら、その無駄に胸の大きな小娘、お前を重点的に魅了してやる! 全体魅了ではなく個別の魅了――その効果は先ほどの比ではない」

焦っている敵程良くしゃべるんだよな。

さっきより瞳が強く光ったが、現在八尺瓊勾玉を装備しているミルクに効果があるわけがなく、逆に 光槍(アークジャベリン) を放つ。

ヴァレンは先ほどと同じようにそれを受け止めようとするも、禍福倚伏によって強化された光の槍。

ヴァレンはそれを霧になって躱すも――ゼンが起こした強風に煽られて霧になった体が散り散りになりそうになり、強制的に元に戻らされる。

とそこに俺が剣を突き刺す。

「 斬絶華(きりたちばな) 」

ヴァレンの身体に鮮血の華が咲いた。

次の瞬間、ヴァレンの身体がまた霧に変わった。

そして、悪あがきにトゥーナに襲い掛かるが、残念だが手遅れだった。

「なんで宝箱を捜しにいったら吸血鬼と戦っているのよ」

山羊との戦いを終えて駆け付けた姫が現れ、朧突きでヴァレンにトドメを差したのだった。