軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第084話 その調味料はダメでーす

その後もゾンビやゴブリンが出てくることがあったが、すぐに倒し、進んでいった。

そして、周囲が茜色になったタイミングで馬の休憩となったのでリーエと共に御者台に行き、ダリア、イレーネと地図を見る。

「今、どの辺だ?」

「この辺りだと思います」

ダリアが指差す。

「結構、来ているわね」

「村までもうちょっとって感じです」

しかし、時刻はすでに16時を回っているんだよな。

「ダリア、どうだ?」

「村に着くのは暗くなってからな気がしますね。この子も頑張ってはくれているんですけど」

ダリアが水を飲んでいる馬を見る。

「荷物に人間が5人だからな。仕方がない」

チラッとリーエを見る。

「お馬さーん、頑張ってー」

リーエが無邪気に馬の脚の付け根を撫でた。

当然、回復魔法を使っている。

「とにかく、あとちょっとだ。頑張ってもらおう」

「そうですね。行きましょう」

俺達は馬車に乗り込み、出発する。

回復魔法のおかげで馬が元気になり、どんどんと進んでいった。

そして、辺りが暗くなり始めると、馬車の速度が落ち始めたので前方を見てみる。

「おっ、村だぞ」

木柵に囲まれた村が見えている。

遠目で見ても町ではなく、村だ。

「着きましたか」

「やっとだねー」

「ふう……」

教授が本を閉じると、馬車が村の出入り口の前で止まったので荷台から降りる。

前の方に行くと、出入り口のところには槍を持った青年が立っていた。

「商人か? こんな時間に何の用だ?」

青年は槍を向けてくるということはないが、ちょっと不審げにこちらを見ている。

「すみません。私はミストラからブレイナに向かっている行商人です。一泊宿を貸してほしいのですが、村長さんはいらっしゃいますか?」

ダリアがそう言うと、青年はじろじろとダリアを見る。

そして、イレーネ、ベッキー、リーエと見て、最後に俺と教授を見てきた。

「ちょっと待ってくれ。村長を呼んでくる」

青年はそう言って、村に向かっていく。

「ダリア君、本当にここに泊まるのかね?」

教授がメガネを拭きながら聞く。

「ええ。この森での野宿はなるべく避けたいです。明日は仕方がないですけど」

「そうかね。なら仕方がないな」

んー?

そのまま待っていると、白い髭を生やした爺さんを連れたさっきの青年が戻ってきた。

「こんばんは。私が村長です。こんな時間まで大変ですね」

村長がダリアに声をかける。

「朝に出たのですが、こんな時間になってしまいました。申し訳ございません」

「いえいえ。しかし、ブレイナに行くと聞きましたが、何故、このルートを? グラードを経由する方が早いですよ」

土砂崩れのことを知らないらしい。

まあ、それもそうか。

「実は昨日、一昨日の大雨でミストラ、グラード間の山で土砂崩れが起きたんです。それで急遽、このルートに変えたんです」

「そうですか。確かにすごい雨でしたね」

こっちも降ったようだ。

「それで一泊ほどお願いしたいんです。明日の朝には出ますので」

「わかりました。空き家がありますのでそちらを使用してください。どうぞ、こちらへ」

村長が許可をしてくれたのでダリアが御者台に乗る。

そして、青年の案内で村の中に入った。

村はすでに暗いこともあり、人の姿は見えないが、猟師や木こりの村だけあって、弓だったり、斧が建物の前に置いてある。

その他にも木材が乱雑に置いてあり、綺麗な村ではないなと思った。

村の中を見ていると、すぐに青年がとある建物の前で立ち止まった。

「ここだ。悪いが、ウチは町とは違って、宿屋なんかない。料理くらいは後で持っていくが、雑魚寝で我慢してくれ」

「いえ。泊めさせていただき、ありがとうございます」

ダリアが笑顔で礼を言う。

「ああ」

青年は頷くと、どこかに行ってしまった。

ダリアが建物の前に馬を繋ぐと、中に入る。

中はワンルームというか、10畳くらいの部屋とトイレしかなかった。

キッチンも風呂もない。

「屋根があるだけマシね」

「まあ、仕方がないですよ」

慣れているであろうイレーネとベッキーが頷く。

教授はさっさと部屋の隅に行き、腰かけると、壁に背を預けて本を読みだした。

「雑魚寝ですか」

「ベッドは明後日まで我慢しな」

俺とリーエも腰かけると、イレーネ、ベッキー、ダリアも腰かける。

「ダリア、明日は何時だ?」

「すぐに出発したいです。5時ですね」

まあ、仕方がないか。

「やることもないし、早めに寝るか」

「そうね」

トランプをする気にもなれなかったのでその場で雑談をしていく。

すると、ノックの音が聞こえてきた。

「はーい?」

『料理を持ってきた。たいしたものじゃないが、食べてくれ』

さっきの青年の声が聞こえてきたのでダリアとリーエと共に玄関に行き、扉を開ける。

すると、人数分の肉を挟んだパンが乗ったトレイを持っている青年が立っていた。

「ありがとうございます」

ダリアが礼を言うと、トレイを受け取る。

しかし、すぐにリーエが要求したので渡した。

「いや、これくらいしかない。じゃあな」

青年がそう言って、去っていったので部屋に戻る。

「おー、パンですね」

「食べられるだけでも満足よ」

「食べて、さっさと寝ましょうか」

女性陣がパンを手に取る。

すると、何かの匂いを感じた。

「待て」

「待ってください」

俺とリーエが同時に止める。

「ん?」

「どうしたんですか?」

イレーネとダリアが首を傾げた。

ベッキーはじーっとパンを見ている。

「よしなさい。何が入っているかわからないぞ」

部屋の隅にいる教授が本を読みながらも止めてきた。

「え?」

「何かって……」

「毒、ですかね?」

ベッキーがパンを置き、教授を見る。

「どうかな……私は睡眠導入剤あたりと踏んでいる」

眠らせればどうとでもなるもんな。

殺すにしても、生かすにしても……