軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第082話 出発です

「それでどう行く?」

地図を見ながらダリアに聞く。

「本来の南下する道は使えません。ですので、東に行きましょう」

「東……」

このミストラの町の東は迷いの森だ。

地図で見てもかなり大きい森に見える。

そんな森だが、例の街道がずーっと続いていた。

「ここに村があるわね」

イレーネの言う通り、森の中に村があり、そこに街道が繋がっていた。

「ここはフォレナ村です。猟師や木こりが住む村ですね。ここからさらに街道を進めばブレイナに着きます」

確かに街道は途中で南にカーブし、南東のブレイナに続いていた。

「ここを行くわけか?」

「はい」

うーん……

「いや待て。ダリアは王都に行くんだろ? だったら西のルートの方が良くないか?」

西は平原であり、そこから王都に行く方が近いように見える。

俺達はブレイナが目的地だからありがたいが、ダリアは違う。

「そこに関しては私も思惑があります。私が買った砂糖は西の地から仕入れたものなんです。当たり前ですけど、その地に砂糖を持っていっても売れないですし、売れても安価で買い叩かれます。なので、東のブレイナで売り、そこで魚介類か何かを買って、グラードで売ります。そこから王都に帰ることにしました」

なるほどな。

確かにそれならこっちのルートだ。

「雨の影響は?」

「東の道はフォレナ村からの木材や肉なんかの重い荷物を運ぶためにかなり頑丈な舗装がされています。まず大丈夫です」

確かに道幅も広かったし、良い道だった。

「日程は?」

「明日の朝、ここ発ちます。明日の夕方にはフォレナ村に着きますのでそこで一泊。さらに進んでいき、野営をして、明々後日の夕方にはブレイナに着きたいなと思っています。少し強行軍ですが、いけると思います」

フォレナ村での仕事は期待できそうにない。

俺達の所持金は70万ソル近くになっており、目標金額まであと10万だが、こうなった以上はもうこの金額でブレイナに行くしかないな。

そこで運賃を確認し、足りないならブレイナで稼ごう。

「いいな?」

イレーネとリーエに確認する。

「ええ。それしかないわ」

「効率を考えればそれが一番です」

2人が頷いた。

「ダリア、それでいこう」

「はい。それで相談なんですが、東のルートはキャラバンが組まれませんし、魔物も多い森です。正式にお金を払いますので護衛をお願いします」

なるほど……

「俺達、Eランクだぞ?」

「ランクは関係ありません。私はあなた達を信用しています。金額は10万ソルでお願いします」

良い金額だな……

実にちょうどいい額だ。

「わかった。俺達的には喜ばしいことだ。出発前にギルドに行こう」

今回は本当の依頼だ。

絶対にギルドを通すべき。

「お願いします。明日は6時発ですので5時半にはここを出て、ギルドに行きましょう」

早起きね。

最近、早起きばっかりだわ。

まあ、仕方がないか。

「それで? お前らはどうするんだ?」

一緒に地図を見ているベッキーと教授を見る。

「一緒に連れていってくださいよー。私らも目的地はブレイナだし」

まあ、そうだろうなって思った。

普通に入ってきているし。

「ダリア、どうする?」

「馬車に空きはありますが……この場合、護衛の仕事はどうなるんですかね?」

「さあ?」

知らない。

「いや、私は護衛料なんかいらないよ。そもそも教授の護衛だしね。もちろん、何かあったら動く。馬車に乗っけてくれるだけで良いから」

「わかりました。そういうことならお願いします」

こいつらと一緒になるわけか。

まあ、最初から一緒だったし、こうなっても仕方がないか。

「ありがとー。教授、良いですよね?」

「君に任せる」

「よし。じゃあ、明日の5時半ね。よろしくです」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

話が決まったところで夕食が来たので皆で食べた。

そして、明日ここを発つことを女将さんに告げると、2階に上がり、部屋でゆっくりする。

「こうなったか……」

「まあ、悪くないわよ。お金までもらえるしね」

しかも、10万ソルな。

これで目標額の80万ソルに届く。

実際は出費もあるから微妙だけど、そこはもう誤差だ。

「あの森ですし、魔物との戦闘も予想されます。イレーネさんはともかく、私とヴェルナー様は魔法を使う際は気を付けましょう」

いっそ使わないという方が良さそうだな。

もちろん、強化魔法なんかは使うが……

「イレーネ、魔物の対処は俺がする。お前はダリアの護衛に重きをおいてくれ」

同性の方が良いだろう。

「了解」

イレーネが頷く。

「リーエはイレーネのサポートな。正直、お前が動くと目立つから大人しくしておけ」

子供だもん。

「私が動くのも変ですしね。承知しました」

リーエも頷いた。

「よし、ブレイナまであとちょっとだ。最後の仕事を頑張ろうじゃないか」

「ええ」

「おー」

その後、日課の魔法の練習やトランプをしていき、いい時間になったので就寝した。

翌日、早めに起きた俺達は準備をすると、1階に下り、朝食を食べる。

すると、女将さんがやってきた。

「今日、出るんだろ? 簡単なものだけど、作ったから持っていって」

布袋を渡してきたので中身を見てみると、俺達とベッキー、教授、それにダリアの分のサンドイッチが入っていた。

「ありがとう」

「気を付けなよ。あの子達にも渡してちょうだい」

外にはすでに馬車がおり、ダリアが準備をしていた。

もっとも、教授は隣のテーブルで本を読みながら優雅にコーヒーを飲んでいるし、ベッキーは窓の近くで準備運動をしている。

「ああ。世話になったな」

「それが仕事だよ」

女将さんは笑顔でそう言い、受付に戻った。

「今日はフォレナ村まで行くんでしたね。そこで食料は補充できるんでしょうか?」

うーん……

「ベッキー」

「できるんじゃない? 猟師の村だし、肉を分けてもらえばいいと思います。私はそれよりも宿屋があるかが心配ですよ。最悪、空き家くらいは貸してほしいなー」

村だもんな。

この世界では初だ。

「ちょっと高めの値段設定にされるかもしれないけど、なんとかなるでしょ」

経験豊富なイレーネがそう言うならそうなんだろうな。

「わかった。じゃあ、行くか」

朝食を終えたので立ち上がる。

「行くー? 教授、行くらしいですよ」

「ああ」

教授も立ち上がったので女将さんに礼を言い、外に出た。

「もう行けますか?」

馬車のチェックをしているダリアが聞いてくる。

「ああ。昼食ももらったぞ」

「それは嬉しいですね。じゃあ、行きましょうか」

「あ、その前に御者台にイレーネが座ることになるが、大丈夫か?」

「ええ。もちろんです」

ダリアが快く頷いた。

「イレーネ、頼むわ」

「ええ。ダリア、よろしくね」

「はい。それでは冒険者ギルドに行きましょう」

俺達は馬車に乗り込むと、冒険者ギルドに向かった。