軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第081話 ひひ

夕食を終え、2階に上がると、寝巻きに着替え、ソファーでワインを飲む。

明日が早起きじゃなくなったので飲むことにしたのだ。

「足止めかー。コスタリナに入ってからは順調だったのにね」

まあな。

「雨は仕方がないだろ」

「私の運が悪いせいじゃないわよね?」

「大丈夫だよ」

イレーネの手を握っておく。

「明日はどうしますか?」

リーエが聞いてくる。

「雨がねー……止んだとしても教授さんがああ言っていたし、部屋で大人しくしてた方が良くない? 森もべちゃべちゃだろうし、滑ってこけたらリーエが泣いちゃうわよ」

「泣きませんよ。でも、絶対に嫌ですね」

俺も嫌だ。

「明日は休みにするか」

「そうしましょう」

魔法の練習とトランプだな。

この部屋には本もあるし、時間はいくらでも潰せるだろう。

俺達は明日の予定を決めると、温まりながらゆっくりと過ごしていく。

すると、ノックの音が部屋に響いた。

「んー? 誰だー?」

『私です。夜分遅くに申し訳ありません』

ダリアの声だ。

「今行く」

立ち上がると、扉の方に行き、開ける。

すると、やはりダリアが立っていた。

「すみません」

「いや、商業ギルドはどうだった?」

「キャンセルを伝えました。私達の他にもキャンセルは多かったようですね。それで教授の見解を伝えたらその場で中止が決まりました。明後日以降は明日の状況を見てからだそうです」

まあ、そうだろうな。

「わかった。明日は部屋でゆっくりする予定だ」

「はい。何かあったらお伝えします。お邪魔して申し訳ありませんでした」

「いや、大事なことだ。ダリアも部屋で温まってくれ」

「ありがとうございます。おやすみなさい」

「ああ。おやすみ」

ダリアが頭を下げたので扉を閉めた。

「だ、そうだ」

そう言って、ソファーに戻る。

「まあ、そうでしょうねとしか言えないわ」

「他にないですよ」

まったくだ。

「とりあえずは明日の報が来るまで待機だな」

「よし、トランプをしましょう」

「そうするか」

俺達はトランプをしていったが、朝早かったこともあり、眠かったので早めに就寝した。

翌日、ちょっと遅めに起きた俺達は服を着替え、1階で朝食を食べる。

「まだ降ってるわね」

「さすがに弱まっているがな」

外は雨だ。

しかし、かなり弱くなっており、普通の雨って感じだ。

これなら今日中に止むかもしれない。

俺達は朝食を食べ終えると、部屋で魔法の練習をしながらゆっくり過ごしていく。

昼食も下で食べたのだが、その時には雨が止んでおり、さらに午後からも部屋で過ごしていくと、15時くらいには太陽が見え始めていた。

「止んだわね」

「やっぱりお日様が一番ですね」

「長い雨だったな」

俺達は窓から外を見て、ちょっと良い気分になった。

「さて、明日はどうなるか……」

「どうでしょうかね?」

「ダリアを待つしかないだろ」

俺達はソファーに戻ると、トランプを再開する。

そして、16時半になったので1階に下りると、ダリアの姿はなかったが、ベッキーと教授が夕食を食べていた。

ベッキーは美味しそうに食べているし、教授は本を読みながら黙々と食べている。

実にらしい2人だ。

「よう」

「あ、こんにちは。皆さんも夕食ですか?」

「ああ。今日はどうしてたんだ?」

2人のテーブルの隣のテーブルにつくと、聞いてみる。

「私達も部屋で待機です。さすがに外には出ませんね」

まあ、そうだろうな。

「教授、この町でも研究か?」

「いや、ここに用はない。うるさい連中が多いだけで見るものもない」

となると、教授とベッキーもすぐに発つわけか。

「グラードに行けるかね?」

「どうだろうな……まあ、グラードも用はないんだが……ん?」

扉が開き、ダリアが入ってきた。

「ダリア、何かあった?」

イレーネがすぐさまに聞く。

理由はダリアが深刻そうな顔をしているからだ。

「災害が起きました。こことグラードの間にある山で土砂崩れです。しかも、かなり大規模だそうです」

起きちゃったか……

「あれだけの雨だ。仕方がないだろう、復旧は?」

「目途が立ってないというか、現在はここの領主とグラードの領主と話し合いをする予定だそうです。規模的には国に要請する可能性が高いとのことです」

相当な規模の土砂崩れか。

「教授、どう思う?」

先生に聞いてみる。

「領主同士が話し合うといったが、肝心のその道がない。話し合いだけでも相当な時間がかかる。国への要請も同様だ。そして、話し合いが終わって、復旧に向けて動き出しても相当な時間がかかるだろうな。早くてひと月。遅ければ半年から1年。結論としてはその道を使うのは無理だ」

実に的確な答えだ。

「えー……教授、どうします? 半年もいられませんよ」

ベッキーが困った顔になった。

「当たり前だ。だが、そう悲観することでもない。この町の優位性はどこの町にも行けるところにある。遠回りになるかもしれないが、別の道から行ける」

「おー、なるほど! さすがは教授!」

ベッキーが手のひらを拳でポンッと叩く。

「ダリア、どうする?」

「私もその案を提案するつもりでした。これを見てください」

ダリアが俺達のテーブルに地図を広げた。

ベッキーと教授も食事を止め、こちらに来る。

「地図か」

結構、詳細に書かれている地図だ。

「人を笑わない」

イレーネがにやっとしたリーエの頭を撫でる。

「どうしました?」

2人のやり取りを見たダリアが首を傾げた。

「いや、なんでもない」

リーエが楽しそうなだけだ。