軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第101話 休憩です

町はそこそこ賑わっており、中都市って感じがする町並みだった。

もちろん、クレイナの町よりかはずっと良い。

「ギルドはどこだ?」

「うーん……あ、すみません」

イレーネが近くを歩いていたおばちゃんに声をかける。

「ん? どうしたの?」

「冒険者ギルドってどこ? 着いたばかりで全然、わからないのよね」

「ギルドならこの道をまっすぐ進んだところにある公園の隣にあるよ」

まっすぐね。

「ありがとう」

「助かる」

「ありがとうございます」

おばちゃんに礼を言い、馬車を動かす。

進みながら町中を見ていくが、平和そうだなという印象だ。

一方で歩いている冒険者の姿も見える。

「王都なんかは避けるって話だったが、田舎も避けるべきなんだろうな」

「屋敷の話? まあ、そうよね。屋敷を建てても仕事はしないといけないし、儲けないと大きなお屋敷なのに生活は貧相という本末転倒になっちゃうわよ」

俺は別に大きな屋敷じゃなくても良いんだけどな。

まあ、そこは甲斐性というかリーエが期待しているからやるけど。

「中間くらいの町か?」

「じゃない? ここくらいの規模でも良いし、もうちょっと大きくても良いと思う。その辺は地価とのバランスね」

あまりそういうことを考えない人間が大きいお屋敷を建てるんだがなー……

「頑張るか」

「御二人ならすぐにランクアップしますし、稼げますよ。帝国時代や白銀時代を超えましょう」

帝国の時ねー……

俺、かなりもらってたぞ。

「私はすでに超えそうだけどね。やっぱり仲間がいると違うわ。それもとびっきりの人」

ふっ。

「任せておけ。最高の生活を送らせてやる」

「さすご主ー」

「さすヴェルー」

ちょっと上機嫌になると、冒険者ギルドが見えてきた。

「馬車はどうする? 盗まれたらダメだし、誰かが留守番する?」

「いえ、馬車の荷台から魔力を感じますので大丈夫ですよ。何かあったらすぐにわかります」

荷台は冷凍庫なんだろうが、魔道具だから魔力を感じる。

「じゃあ、一緒に行きましょうか。ヴェルナーは手元に置いておきたい系男子だから」

「イレーネが攫われる系女子なんだよ」

「駆け落ち系夫婦さん、どうでもいいので行きましょう」

俺達は馬車を止めると、ギルドに入る。

ギルドの中はそこそこ広く、奥に3つのカウンターがあった。

さらには数人の冒険者がおり、依頼票が貼ってある掲示板を見ながら相談している。

「普通だな」

「クレイナがちょっとおかしい気がするけどね」

俺達は一番右端のおばちゃん受付嬢のところに向かった。

「こんにちは。見かけない顔だね」

受付嬢が声をかけてくる。

「クレイナから来たんだ」

「へー……じゃあ、船で来たんだ。仕事かい?」

「そんなところだ。それでだな、クレイナのギルドで王都まで馬車の運搬の仕事を受けたんだが、ついでに書類配達を頼まれた」

そう言うと、リーエがベニーから受け取った袋を渡す。

「あー、それね。ウチもあるんだよ」

「そう聞いている。どうせ王都のギルドに行くし、持っていくよ」

「悪いね。ちょっと待ってちょうだい」

受付嬢は袋を持って、奥の部屋に向かった。

そのまま待っていると、受付嬢が戻ってくる。

受付嬢はちょっと大きくなった袋と5000ソル札が乗ったトレイを持っていた。

「5000ソルか」

「普通だったらこの倍はするんだけど、悪いね」

それでも1万ソルだ。

メインでやる仕事ではなく、ついでだな。

「いや、問題ない。それでこの袋を今度は王都のギルドに持っていけば良いんだな?」

「ああ。お願い。料金は同じだと思うけどね」

期待は一切、してない。

「わかった。なあ、王都まで2日と聞いているが、明日の朝にここを出たら着くのは何時くらいだ?」

「昼ぐらいだと思うよ。ゆっくり行っても夕方には着くよ」

なるほど。

「じゃあ、それで行ってくる」

「ありがとうね。助かるよ」

この町で仕事はしなくていいか。

「今日は泊まろうと思う。おすすめの宿屋はないか? 浴槽のあるところが良い」

「うーん……もうちょっと奥に行ったところにある宿屋かな? 定食屋の前にある宿屋だよ。そこなら浴槽もあるし、馬車を預かってくれるよ」

そういえば、馬車のことがあったな。

「わかった。行ってみる」

俺達はギルドを出ると、馬車に乗り込み、さらに通りを進んでいく。

「どこですかねー?」

「定食屋、定食屋……あ、あった」

イレーネが指差した先には定食屋があり、その対面には宿屋があった。

「あそこだな」

馬車を宿屋の前に止めると、扉近くにある看板に貼られた価格表を見る。

「3人部屋は1泊1万ソルですね」

「良いじゃないの」

ここにしようかなと思っていると、扉が開き、中から20歳くらいの若い女性が顔を出した。

「泊まられますか?」

どうやら店員のようだ。

「ああ。3人部屋1泊したい。空いているだろうか?」

「空いてますよ。馬車は裏に止めてください」

それを言いに出てきたわけだ。

「わかった。イレーネ、リーエ、チェックインの手続きを頼む。俺は馬車を裏に止めてくる」

「了解」

「お任せを」

2人が馬車から降り、店員と一緒に中に入ったので馬車を動かし、裏に回った。

裏は馬車を置く場所と厩舎があったので馬車を置き、馬を厩舎に連れていく。

「ご苦労だったなー。今日は休めよー」

馬を労いながら撫でると、表に回る。

そして、中に入ると、イレーネとリーエが待っていた。

「終わったのか?」

「ええ。3号室。行きましょう」

俺達は受付の隣にある通路を歩き、3号室の部屋の中に入った。