軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

白神祭①

いよいよ初の神界主催の祭りである白神祭の日となり、予定通りのメンバーで神界に向かうことになった。

神界へは基本的に神殿の近くにあるゲートから転移を行うことができるのだが、神殿のゲートは小さく今回神界を訪れる人数を考えると大混雑する可能性が高い。

なので、本日に限りすべてのゲートから神界へ転移することができるように調整してあるとのことだ。

「それでも、結構混み合ったりしそうですよね? 順番待ちとかあるんでしょうか?」

「いや、うちに限っては大丈夫でしょう……ミヤマ様が居るわけですし」

陽菜ちゃんの呟きに反応してルナさんが告げた言葉に、他の皆も納得した様子で頷く。

「たしかに快人さんを並ばせたりはしないでしょうけど……快人さんは別になにも聞いていないんですよね?」

「うん? ああ、特にどこにこいとかそういう連絡はないし、普通に近場のゲートに向かえばいいのかな? いちおう転移魔法でも飛べるけど……俺が登録してるのは、上層なんだよね」

葵ちゃんが尋ねてくるが、今回俺が聞いているのは18時以降にシロさんと一緒に神界で過ごすことと、中層に辿り着いたら案内が付くというぐらいだ。

他は特に指示は受けていない。

「ゲートに向かいましょう! さすがに、カイトさんはともかくとして私たちが上層に迂闊に踏み込むのはまずいと思いますし……」

焦り気味にリリアさんがそう告げたことにより、当初の予定通り家から一番近いゲートに向かうことになった。

ちなみに中層で天空神さんが案内に着くことはリリアさんには伝えてある。なんとも言えない表情を浮かべてはいたが……いちおう誰かしらの案内が付く可能性があるとは予想していたみたいで、気絶したりはしなかった。

まぁ、「普通上級神様ってそう簡単に会えるものじゃないんですが……いまさらですね」と呟いてはいた。

リリアさんが用意してくれていあ二台の馬車に分かれて乗って移動すること十分少々、目的のゲートに辿り着いたが……やはりかなりの人が見える。

「……ご主人様、これは降りて移動した方がよさそうですね」

「うん。リリアさんたちの馬車も止まってるし、たぶん降りて移動するんだろうし、俺たちも降りよう」

人が多すぎて馬車で近付くのは難しいと判断したアニマの言葉に頷き、一緒に乗っていたイータとシータとキャラウェイにも声をかけると、三人とも素早く支度をして、俺たちは一度馬車から外に出……たと思ったら、なぜか景色が切り替わった。

室内のようだが、広くなにもない場所で中央に見覚えのある方が居た。

「む? 来たようだな」

「クロノアさん? ここは?」

「ああ、我の神殿の広間だ。ミヤマたちがゲートの近くに辿り着いたら自動的にこちらに転移するようにしておいた。馬車などに乗っている場合は、降りた際に転移するようになっている」

そう言われて周囲を見てみると、別の馬車に乗っていたリリアさんたちの姿もあり、同じようにここに転移されてきたみたいだ。

なんというか、結果としては上層に転移してきたわけか……。

そんなことを考えていると、クロノアさんがリリアさんの元に近づき、小型の冊子を手渡す。

「リリア、代表してお前に渡しておく。今回の祭りの案内だ。こちらが最新版で、事前に渡したものとは多少変化しているので、回る際にはこちらを見てくれ。いちおう人数分渡しておく」

「あ、ありがとうございます。あの、クロノア様……私たちはこの後どうすれば?」

「我の神殿から外に出れば、下層の会場の入り口に転移されるようになっている。なにかがあれば近くの神族に声をかけよ。全神族はミヤマとお前たちの顔はしかと記憶しているので、すぐに動くだろう」

「……な、なるほど」

サラッと俺だけじゃなく、リリアさんたちに関しても全神族が把握しているという言葉があり、リリアさんは軽くお腹を抑えながら頷いた。

「……葵先輩、さすが快人先輩です。VIPです、超VIP待遇ですよ」

「むしろそれでも抑えてる方な気がするわね。シャローヴァナル様の恋人って考えると、もっとすさまじい待遇でもおかしくないはずだけど、快人さんがそういうのに恐縮するって分かってるから抑えてるんでしょうね」

たしかにソレこそ、どこへ回るのにも何人かの神族が付いてくるぐらいのことは覚悟していたのだが、その辺りはちゃんと気を使ってくれたみたいで、本当にホッとした。

なんとなくだけど、フェイトさんが上手くいってくれたような気がする。

「ああ、ソレと言い忘れていたが、お前たちの一向に関しては上層への立ち入りも自由だ。休憩したいときなどは上層に来て休むといい。他の者たちにも話は通してある」

「わ、わかりました。お気遣い……ありがとうございます」

「気持ちは分かるが、案ずるなリリア。特別待遇はある程度抑えてある故、想像の埒外といった事態はまずないはずだ。いちおうこちらでも気は配ってので、なにかがあれば我がフォローに動く故、気負わず楽しんでこい」

「ク、クロノア様……」

さすがクロノアさんはリリアさんの苦労をよく分かっているみたいで、いざという時はフォローしてくれると約束していた。

リリアさんも心底心強いといった感じの表情を浮かべているが……これ、要するに俺がなにか引き起こすトラブルメーカーみたいに認識されているということでは? なんとも遺憾ではある。

ただ……残念ながら、否定できる要素が一切ないので受け入れざるをえないが……。