軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

フェイトと旅行⑥

フェイトさんとの昼寝……俺は結局寝れなかったが、眠気も吹き飛んだのでまぁ良しとしよう。ともかくフェイトさんが起きたあとは、室内で出来る遊びを一緒に行っていた。

「……よしっ、どうです、フェイトさん?」

「やるね。だけど、甘いぞカイちゃん! たしかにカイちゃんにはシャローヴァナル様の祝福によって、莫大な運の補正がある。だけど、私も運命を司る神、確率の勝負でそうそう遅れなんてとらないさ!」

「な、なんとっ……こ、ここでさらに逆転してくるとは、手強い」

現在俺はフェイトさんと一緒に『テレビゲーム』で遊んでいた。誕生日にシロさんから貰った、俺の世界のあらゆるゲームで遊ぶことができる黒い箱を使っている。

ちなみにあらゆるゲームを遊べるとは言っても無料ではなく、最初にプレイするゲームの定価にあたる金額を箱に投入しなければならない……投入したお金はどこ行ってるんだ? 不思議パワーで、製作会社に支払われてるんだろうか?

まぁ、ともかくその箱を使って最新のパーティゲームを遊んでいた。空中にモニターみたいなのが現れて、そこに画面が表示されるんだけど、画質はかなりいい。

すごろく形式のゲームなので、操作自体は簡単でテレビゲームが初めてのフェイトさんもすぐに慣れてプレイできるようになった。

そしてこれがまた、中々いい勝負で面白い。互いに抜きつ抜かれつという感じで拮抗しており、そろそろ終盤だがどっちが勝ってもおかしくない状況だ。

「それにしても、カイちゃんの世界の娯楽は進んでるね。こっちの世界のすごろくとはレベルが違うよ」

「いや、勇者すごろくとかもかなり凄いと思いますけど……まぁ、多種多様さではテレビゲームに軍配が上がりますね」

この世界の勇者すごろくなど、魔法を用いたゲームも非情に面白い。テーブルゲームとかTRPGとか、そんな類の遊びはこちらの世界の方が進んでいる気がする。

ただやはり、テレビゲームの多様さは圧倒的だ。本当に遊びきれないほどの種類があるし、遊ぶ人に合わせたゲームが存在するのもいい点だ。

身体能力的なスペックが違う俺とフェイトさんでは、例えば格闘ゲームとか反射神経が必要なものでは勝負にならないだろう。それこそ、フェイトさんにとってはフレーム単位でも欠伸が出るほど遅いだろうし、こちらがなにをしても超反応で返される未来しか思い浮かばない。

しかし、この手の交互にサイコロを振るようなパーティゲームでは、身体能力の差は関係ないのでこうして白熱した勝負を行うことができる。

「……あれ? これでゴールだと思ったのに、なんで?」

「ふふふ、残念でしたねフェイトさん。気付いてなかったみたいですけど、ゴール間際でだけ使える妨害アイテムってのが存在するんですよ」

「えぇぇぇ!? じゃあ、これゴールできないの?」

「このターンは、無理ですね。俺のターンの後ならゴールできますよ」

「いやいや、カイちゃんのターンになったら、カイちゃんが先にゴールしちゃう……ってことは?」

「残念ながら、情報力の差が勝負を分けましたね」

「ズルじゃん!? カイちゃん、そのアイテムのこと私に隠してたでしょ!」

「いや、このゲームは俺も初めてプレイするので……単に中盤に手に入れて、説明を見て使いどころまで温存してたんですよ」

「ぐぬぬ、悔しい……」

ギリギリではあったが、悔しがるフェイトさんの前で俺が先にゴールして勝利する。いや、本当にギリギリだった。中盤であのアイテムを手に入れられてなければ、負けてたかもしれない。

「カイちゃん! もっかい、もっかい!」

「それもいいですけど、ちょっと休憩しません? 結構長くプレイしてましたし、再戦は後にしましょう」

「む~まぁ、しかたないね」

なんだかんだで2時間ぐらい遊んでいたので少し疲労感もあり休憩を提案すると、フェイトさんもすぐに了承してくれた。

フェイトさんの方はまったく疲れた様子はないので、基礎体力の差かもしれない。

ともかく一休みということで、マジックボックスから紅茶やお菓子を取り出す。お菓子食べながら釣りして、お昼食べて昼寝して、ゲームしたあとでおやつ……今回のテーマは忠実に守れているようだ。

「そう言えばカイちゃん、夕食はどうするの?」

「あ~そうですね。お昼はフェイトさんが作ってくれましたから、夕食は俺が作りますよ。それほど凝ったものは作れないですけどね」

「お~カイちゃんの料理、楽しみだなぁ。思いっきり期待しておくね」

「いや、ハードルは低めで……」

おやつを食べながら休憩したあとは、フェイトさんと二度目のゲームで対戦して、その後は夕食……その後はどうしよう?

星が綺麗という話なので、日が沈んだら星を見るのもいいだろう。なんか温かい飲み物でも用意して、テラスで星を見るのもいいかもしれない。

「……お風呂結構広かったよね……ふたりでも全然余裕だよね……」

夕食のあとでどうしようかと、思考を巡らせていた俺は、フェイトさんが小さく呟いた言葉を聞き逃した。