軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

320.上位独占

「いやあ、もうさすがとしかいい様がないね」

夜の屋敷、サロンの中。

遊びに来たネプチューン(ついでに当たり前のようについてきてるリルとラン)が開口一番、感慨深そうにそう言った。

「僕が手を引いたらここまですごくなるなんて。最初から君に話を振れば良かったね」

「いきなりやってきて脈絡の分からない話はやめてくれ。なんのことだ?」

「あれ? セルから聞いてないの?」

「ってことはテネシン関連か」

頷くネプチューン。

「まだ稼働前の参考データだけど、でもキミが色々やってるから、実際にダンジョンが稼働したとき、どれくらいの冒険者達がダンジョンに入るのか予想がつくよね」

「ああ、むしろ管理しようとしてるからな」

「だから参考データになるけど、階層ごとの一日入場者数が、全ダンジョンで最高の数字になったんだ」

「おー」

無性に嬉しくなった。

やった事が結果として出たのはもちろんの事、人に来てほしい、というテネシンの願いを叶えさせてやれたのが嬉しかった。

そしてそれは。

「一段落、だな」

ということでもある。

あれこれやってきたが、これでもうテネシンは大丈夫だろう。

「しかしこれで、トップ3独占になったね」

「なんの事だトップ3独占って」

「今言った階層ごと入場者数の事だよ。一位がテネシン」

「ああ」

「二位はアルセニック、三位アウルム。これの共通点は?」

ネプチューンはニコニコした。

「……俺が色々やったダンジョン、か?」

「ピーンポーン、大正解」

そんな事になってたのか。

テネシンは今回の件で色々やった。

アルセニックは厳密には俺じゃなくて、エミリーのおかげで常時月殖になって人気ダンジョンの仲間入りを果たした。

アウルムは初めてあった精霊で、入場時間制限とかもかけたけど、それが逆に冒険者の数を増やすことになったのか。

「ちなみに最下位もキミの所だね」

「……ニホニウムとフォスフォラスか」

最下位と聞いて、ぱっと「0人」と連想して、その二つのダンジョンの名前が出た。

ニホニウムは元々ドロップ無しで、今は精霊ニホニウムの長期不在でモンスター無し。

フォスフォラスは現金の直ドロップが良くないって事で、フォスフォラスをダンジョンから連れ出してやっぱりモンスター無しにした。

「そういうことだね。上位も下位も、全部キミが関わってる。すごいよね」

「結果そうなっただけだ……それはいいんだけど」

「いいんだけど?」

「めちゃくちゃその二人に睨まれてるんだけど」

俺が指摘すると、ネプチューンは「あはは」と笑った。

彼の背後に当たり前のようにいるリルとラン。

リルはまるで親の敵を見るような顔で、ランは若干可愛らしく膨れている。

「大丈夫、ただの逆恨みだから」

「逆恨みなのか?」

「うん、キミが台頭するまでは、トップ2はオキシジンとハイドロジェンだったからね」

ああH2Oか。

ネプチューン・オキシジン。

リル・ハイドロジェン。

ラン・ハイドロジェン。

目の前の三人も精霊付きで、多分オキシジンとハイドロジェンの二つのダンジョンで、俺がやったのと同じようにいろいろやって、冒険者を増やしたんだろう。

それがはじき出された訳だからリルとランがぶすっとしてるわけだ。

「このままもう二・三年すれば、上位ン十位まで全部キミの息が掛かったダンジョンでしめられちゃいそうだね。24位でようやく関係のないダンジョン、とか」

ニコニコ笑うネプチューン、そうなったら楽しそうだ、って聞こえた。

俺も、そうなったらいいな、と少しだけ思った。

アウルム、プルンブム、テネシン、ニホニウム……。

精霊達はみな何か晴らしてない思いを抱えてる、抱えたまま一人であの精霊の部屋にいる。

それを解消――いや解放だな。

していけるんなら、それがいいなと思った。