軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1172話 七色と八色の思い出

「はぁー……すっ……ごく楽しかったねぇ」

「うん……すっ……ごく楽しかったぁー」

「僕、あんなすっごいショー、初めて観ました……」

ポーッと上気した顔で呟くライトとリリィとマキシ。

約一時間に渡るレインボースライムショーの演目が全て終わり、一旦幕を閉じる。その後観客の大拍手が沸き起こり、三度のアンコールを経て超大成功のうちにショーは完全に終幕を迎えた。

ライトとリリィ、そしてレインボースライムショーを初めて観たマキシはまだその余韻に浸っているようだ。

ちなみにマキシの肩には右側にウルス、左側にケリオンが留まっていて、この二羽もレインボースライムショーの素晴らしさに放心している。

去年同様立ち見のみで席はなく、十歳以下の子供達に限り前の方で観れるシステムになっていて、マキシは見た目の幼さからライト達とともに前の列に行くことができた。

しかしラウルとシャーリィは後方での見学となり、ライト達と少し離れなければならないため、ウルスとケリオンが警護も兼ねてマキシとともに前方に行くことになったのだ。

もっとも、ショーが始まった直後からマキシ含め三羽とも目も心も奪われて、警護どころの話ではなかったのだが。

「去年のショーの時よりも、スライムの数が増えてたわね!」

「スライムって、あんなに大きく広がれるもんなんだねー」

「どのスライムもすっごく素晴らしい動きでしたわね!」

ライトとリリィ、そして八咫烏達ほどではないが、イヴリンやジョゼ、ハリエットも十分にショーを楽しめたようだ。

四人と二羽は後方席にいた二人、ラウルとシャーリィと合流して観客席から退出する。

そして舞台の後ろ側にも去年同様売店があり、早速ライト達は売店を見に行った。

売店の中はかなりの人で混雑している。皆ライト達同様、先程までレインボースライムショーを楽しんでいた人達なのだろう。

そして警備員の中に、スライム飼育場の飼育員であるロルフがいた。

「あ、ロルフさん、こんにちは!」

「お、ライトじゃないか。今年もスライムショーを観に来てくれたのか」

「はい!ぼくもだけど、ぼくの友達も皆このレインボースライムショーが大好きで、今年もとっても楽しみにしてたんです!」

「そうか、今年も楽しんでもらえたか?」

「それはもう!すっごく楽しかったです!」

「そりゃ良かった」

ライトはロルフともすっかり顔馴染みなので、和やかに会話している。

ライトがスライム飼育場に通うのは、主にぬるぬるドリンクの素である『ぬるぬるの素』を購入するためである。

このぬるぬるの素、小人族のナヌスを筆頭にオーガ族の里などライトが他所様の集落にお邪魔する時に絶好の手土産となっているのだ。

実際この売店でも、ぬるぬるの素やぬるぬるの源、そしてぬるぬるの極み各種が売られている。

そしてそれらぬるぬる関連商品は、普段スライム飼育場までわざわざ買い物に行かない人達がこぞって購入していた。

「あ、そういえば売店のおばちゃんから『もしショーでライト君に会ったら伝えといて』って言われたことがあるんだが」

「ン? 何でしょう?」

「うちの飼育場でも今年の一月から『ポイントカード』を導入したんだ。スライム飼育場の見学や買い物の度にポイントが貯まって、そのポイントに応じて特典が得られる制度なんだが」

「え、マジですか?」

「マジマジ」

ロルフの言伝に、ライトが目を丸くして驚いている。

このサイサクス世界、ポイント制度が全くないとは言わないがそれでもライトはあまり見かけたことがない。

しかし、日本人にとってポイント制度は馴染み深いもの。特に買い物の時にはほぼ必須要因で、何十枚ものポイントカードが財布の中に 犇(ひし) めき合うのがお約束である。

「でな、今年の一月いっぱいまでポイント三倍セールをやってるから? もし良ければ是非とも買い物に来てちょうだいね!って、売店のおばちゃんが言ってたんだ」

「そうなんですね!良い事を教えてくれてありがとうございます!是非とも近いうちに買い物に行くので、売店のおばちゃんにもよろしく言っておいてください!」

「分かった。……と、そろそろ品出ししなくちゃな。じゃ、またな」

「はい!またスライム飼育場でお会いしましょう!」

思わぬお得情報を知ったライト、ニコニコ笑顔でロルフに礼を言う。

そしてロルフと分かれ、ライトはスライムグッズの買い物に戻った。

商品棚にはたくさんのスライムグッズが置かれ、飛ぶように売れている。商品棚が空にならないよう、商品の補充するのもロルフの仕事の一つなのである。

イヴリンやリリィ、ハリエット達女子組は、スライムのマスコットを手に取り何色がいいかを話し合っているようだ。

そしてジョゼはマキシやシャーリィとともに、スライムハットを被りつつこちらも何色のハットを買うかを悩んでいるっぽい。

そしてラウルは、ドリンクコーナーにいた。

「あ、ラウル、ぬるぬるドリンクを買うの?」

「おう、去年ライトに飲ませてもらった、あの珍しい『ぬるぬるドリンクレインボーデラックス』を買おうと思ってな。今十個頼んだところだ」

「あれ、すっごく美味しかったよね!ぼくも今日、レインボーデラックスを十個買うつもりだったんだ。ラウル、お金はちゃんと出すからぼくの分も買って空間魔法陣に入れておいてくれる?」

「了解。二十個買うとなると時間がかかるだろうから、その間ライトはイヴリンちゃん達と買い物を楽しんできな」

「ありがとう!後でおうちに帰ったら分けようね!」

「はいよー」

ライトも買うつもりだった、ぬるぬるドリンクレインボーデラックス。

ちょうどラウルも同じものを買うところだというので、ライトの分十個の追加購入をラウルに任せることにした。

十個分の代金、大銀貨二枚をラウルに渡したライト。

他のグッズを見るために、ドリンクコーナーから離れて売店内に戻っていった。

…………

………………

……………………

時は今からちょうど一年前、アクシーディア公国生誕祭三日目に遡る。

この日のライトは、同級生達とともにレインボースライムショーを観に行っていた。そしてそこで、ライトはサイサクス人生の中で初めて『ぬるぬるドリンクレインボーデラックス』の実物を目にした。

その存在は 予(かね) てよりクレナから聞いていたし、もしそれに出会えたら一度は買って飲んでみたい!と思ってはいたのだが。いざ実物を目の当たりにすると、なかなかに勇気が要るものである。

ドリンクコーナーの棚に見本として置かれている、レインボーデラックス。

色は上から赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順番になっていて、味は苺・オレンジ・レモン・メロン・炭酸ラムネ味・ブルーベリー・ブドウとなっているようだ。

内容量は700mlだそうでかなりのボリュームだが、一色につき100ml入りと思えば妥当な量か。

そしてお値段も大容量に相応しく1杯200G、日本円にして2000円とかなりお高いものだった。

しかし、ライトは迷いを振り払って1杯購入した。

この珍しい飲み物を買って家に持ち帰り、是非ともラウルにも飲ませてあげよう!と思ったからだ。

それは料理愛好家にして珍し物好きのラウルが喜ぶだろう、と思ってのことであって、決して『ラウルを実験台にしよう!』とか『激ヤバチャレンジの道連れにしちゃえ!』とかいう下心などではない。絶対にないったらない。

同級生達の前ではアイテムリュックを使えないので、購入後ぬるぬるドリンクレインボーデラックスが入ったカップを両手に持ちながら、ラグナロッツァの屋敷まで帰ったライト。

帰りはハリエットとウィルフレッドの厚意により、ご近所のウォーベック邸まで馬車に乗せてもらえたので非常に助かった。

そして家に帰ったら、ラウルの幼馴染だというシャーリィが屋敷にいるではないか。とてもじゃないが、その時はかなりの修羅場でぬるぬるドリンクレインボーデラックスの味見どころの話ではなかった。

しかし、ラウルとシャーリィは何とかその日のうちに和解し、翌日ようやく念願のぬるぬるドリンクレインボーデラックスを飲む時がやってきた。

もちろんそれを飲むのは、ライトがラグーン学園から帰宅してから。

ライトがラグーン学園に行く前に、ラウルはライトからぬるぬるドリンクレインボーデラックスを預かっていた。

ラウルはそれをツェリザークの雪でカップの外側を包み込み、キンキンに冷やしておく。

そしてラグーン学園から帰宅したライトが、私服に着替えてから食堂にやってきた。

「ただいまー!」

「おう、おかえりー」

「ラウル、早速だけどアレ、出してくれる?」

「了解ー」

ライトの催促にラウルが応え、空間魔法陣を開きぬるぬるドリンクレインボーデラックスを取り出した。

透明なカップに、七色の層のぬるぬるドリンクが混ざることなく綺麗な層となって輝いている。

ちなみにこの透明なプラカップもどきも、スライム飼育場独自の特別仕様だ。

その製法は企業秘密として一切明かされていないが、何でもクリアスライムが出す成分をゴニョゴニョウケケ?するらしい。

カップだけでなく蓋まで同じもので作られて、まるで現代日本の遊園地の飲み物やポップコーンカップなどを彷彿とさせる。

この美しい虹色の飲み物を、ラウルは物珍しそうに繁繁と眺めながらライトに問うた。

「これ、普通にストローを刺して飲めばいいのか?」

「えーとねぇ……これ、オススメの飲み方があるらしいんだよね」

「オススメの飲み方、か?」

「うん。これ見てー」

飲み方を問うたラウルに、ライトが手に持っていた一枚の紙切れを差し出した。

ライトの話によると、ぬるぬるドリンクレインボーデラックスを購入した人達全員にその紙『ぬるぬるドリンクレインボーデラックスをとことん味わうための指南書』を配っていたらしい。

その紙には、以下の文章が書かれていた。

====================

★ぬるぬるドリンクレインボーデラックスの美味しい飲み方★

1.まずは各層をゆっくりと一口づつ、味わって飲む。

赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順番になっていて、赤は苺、橙はオレンジ、黄はレモン、緑はメロン、青は炭酸ラムネ味、藍はブルーベリー、紫はブドウとなっています。

どれも絶品なので、必ず一口目はそのままで飲んでみてね!

2.各層を味わったら、残りを一気に全部混ぜる。

七色を全部均一に混ぜると、全く別の味に変化します。

どんな味になるかは、実際に飲んでみてからのお・楽・し・み☆

【混ぜる時のワンポイントアドバイス】

各色のぬるぬるドリンクの残す量により、混ぜた後のドリンクの味が少し変わります。

暖色系の赤・橙・黄を多めに残すとマイルドに、寒色系の緑・青・藍・紫を多めに残すと強めの味になります。

お好みで調節してみてくださいね☆

====================

「「………………」」

なかなかに難解な指南書の内容に、ライトもラウルも思わず黙り込む。

だが、このままじーっとしていても仕方がない。

とりあえずはライトから飲むことにした。

ライトがストローをプスッ☆と蓋に刺し、下の色から順に少しづつ飲んでいく。

ここで乱暴な飲み方をしてしまうと味が混ざってしまいそうなので、ゆっくりと慎重に飲む。

ブドウ、ブルーベリー、炭酸ラムネ味を経て一番上の苺まで味わったライト。

カップをラウルの方に差し出しながら、その感想を述べた。

「……うん、ブドウとかメロンとか苺とか、普通に美味しいよ!次はラウルも飲んでみて!」

「おお、そうか、じゃあ俺も飲んでみるとしよう」

「味が混ざらないように、気をつけてゆっくりと飲んでみてね」

「了解」

カップを受け取ったラウル、ライトの言う通りにゆっくりと七色の味を堪能していく。

そして一通り飲んだ後、カップをライトの方に渡した。

「確かにこれまでのぬるぬるドリンクと同じもののようだな」

「だよねー。これを全部均一に混ぜると、全然違う味になるらしいけど……どんな味になるんだろ?」

「全く以って想像がつかんな」

ライトとラウル、二人の間に置かれたぬるぬるドリンクレインボーデラックスのカップを二人してじーーーッ……と凝視する。

そしてライトがカップに手を伸ばし、蓋を取ってからストローでよく混ぜていく。

七色の層に分かれていたドリンクが混ぜ合わさり、次第に茶色っぽい液体になっていった。

「……ラウル、先に飲んでみる?」

「いや、ここは小さなご主人様に譲るとしよう。これを買ってきたのはライトだからな、初物を味わう権利はライトにある」

「ぅぅぅ……じゃ、ぼくが飲んでみるね……」

苺、オレンジ、レモン、メロン、炭酸ラムネ味、ブルーベリー、ブドウ。この七つの味が混ざった結果など、全く想像がつかない。

普通に考えれば、それは途轍もなく不味いことになりそうなものだ。

しかし、ドリンクに付随してきた指南書は実に自信満々な文章だった。ならばここは、その自信満々さを信じる他ない。

意を決してストローに口をつけ、チュー……とドリンクを吸い込んだライト。

目をギュッ!と閉じていたライトの目が大きく見開かれるのに、そう時間はかからなかった。

「……ッ!!こ、これは……!!」

「ライト、どうだった!?」

「ラウルも飲んでみて!」

「お、おう!」

ライトの決して悪くない反応に、ラウルも思わずカップを受け取りすぐに一口飲んでみた。

ラウルの口の中に広がったそれは、紛れもなくカフェオレ味だった。

「!!これ、カフェオレ味か!?」

「だよね、これカフェオレだよね!」

「あの七つの味の、どこをどうしたらカフェオレ味になるってんだ!?」

「分かんない!でも美味しいから全然オッケー!」

思いもよらぬ結果に、ライトもラウルも大興奮している。

実際ラウルが叫んだように、あの七つの味を混ぜたらカフェオレ味になるとか意味が分からない。

しかし、実際に色は茶色だし、指南書にあった『マイルド』『強め』という表現は味のベースのコーヒーの苦さを示唆していたのだと思えば納得である。

そしてライトの言うように『結果良ければ全て良し!』なのもまた事実。

そもそも興行土産で売られている飲食物なのだ、間違っても毒入りだの健康を害するものであるはずがない。

「そしたらさ、これはこのまま残しておいてレオ兄ちゃんやマキシ君にも飲ませてあげようよ!」

「おお、そりゃいいな。ご主人様達もきっとびっくりするぞ」

「だよね!これのもとが何だったかなんて、絶対に分かんないよね!」

「そしたらまたツェリザークの雪で包んで冷やしておいて、食事の後に出してやろう」

「それいいね!そうしてやって!」

レインボースライムショー限定品、ぬるぬるドリンクレインボーデラックス。

その驚きの味と仕掛けに、ライトとラウルは大いに盛り上がりまくっていた。

……………………

………………

…………

昨年のこうした経験により、次もレインボースライムショーを観に行ったらぬるぬるドリンクレインボーデラックスを十個は買う!と決意していたライトとラウル。

何故そんなにもたくさん購入するかというと、ライト達だけではどうしてもその味を再現できなかったからだ。

ぬるぬるドリンクの七色の味は、全てスライム飼育場の売店で売っているぬるぬるの素で作ることができる。

だが、何度七つの味を揃えてその後均一に混ぜたところで、絶対にカフェオレ味にはならなかった。

七色のぬるぬるドリンクを少量作っては混ぜ、失敗=絶対にカフェオレ味ではない何かを口に含む度に「おごごごご……」と青褪めながら口を両手で抑えて流しに向かうライトとラウル。

ラウルは三回でギブアップしたが、ライトは根性で五回は試した。

だがその五回とも 悉(ことごと) く失敗し、自宅での再現は断念したという経緯がある。

こうした苦い経験があったからこそ、今日のライトとラウルはレインボースライムショーのドリンクコーナーでオリジナルのぬるぬるドリンクレインボーデラックスを十個も購入したのである。

それはつまり、早い話が『自宅での味の再現を諦めた』とも言う。

その後ライトはイヴリン達と合流し、他の土産をいくつか購入した。

女の子達はカラフルなスライムマスコットを赤、ピンク、橙の色違いで購入し、お揃いにしている。

ジョゼは青色のスライムハット、マキシは黒に近い藍色のスライムハット、そしてシャーリィも虹色のスライムハットを試着している最中だった。

それを見た女子組が「あーッ、お揃いの帽子だー!いいなー!」「そしたらリリィもスライムハットを買うー!」「よろしければライトさんも、お揃いのスライムハットにしませんか?」と言い出し、もちろんライトもそれを「いいよ!」と言い承諾する。

その結果、イヴリンが赤、リリィがピンク、ハリエットが橙、そしてライトが紫のスライムハットを購入した。

そうなると、残る一人に視線が集中する。

その視線の集中先は、もちろんラウルである。

ドリンクコーナーで二十個のぬるぬるドリンクレインボーデラックスを購入し、ライト達のもとに戻ってきたラウル。

ライト達六人が放つ無言の視線の集中砲火に、思わず後退りしながら問うた。

「な、何だ、どうした……俺の顔に何かついているか?」

「ううん、ラウルの顔には何もついてないよ? でもね……」

「でも……何だ?」

「ねぇー、ラウルー、貴方もコレ買って被りましょ♪」

皆に一斉に見つめられ続ける意味が分からず、ビビりまくるラウルの頭にシャーリィが有無を言わさずカポッ☆と緑色のスライムハットを被せた。

それを見たライト達が皆大喜びする。

「うん!これで皆お揃いだね!」

「ラウルさん、緑色のスライムハットがすっごくよく似合ってるー!」

「ラウルさんとお揃いの色違い帽子!嬉しいなー!」

緑色のスライムハットを被せられたラウルを見て、ライトやイヴリン、リリィが大はしゃぎしている。

今ここにいるのはライト、ラウル、マキシ、シャーリィ、イヴリン、リリィ、ジョゼ、ハリエットの八人。

そしてスライムハットは、レインボーカラーの各七色に全色入りの虹色と合わせて八種類。

そう、今日のレインボースライムショーを観た記念にぴったりの品だった。

ライト達のはしゃぎように、ようやくその意図に気づいたラウル。

しかも木から生まれた妖精であるラウルに、鮮やかな緑葉を思わせる緑色のスライムハットとは、何とも素敵な偶然である。

そして大陸一の踊り子であるシャーリーにも、華やかな虹色の帽子がよく似合っている。

そんな数々の素敵な偶然に、ラウルがフフッ、と小さく笑いながら徐に口を開いた。

「よし、そしたらこの帽子の代金は俺が全部持とう」

「え、ラウル、いいの!?」

「もちろんだ。この中で一番稼いでいる大人は俺かシャーリィだが、客人であるシャーリィに金を出させる訳にはいかんからな。今日の楽しかった思い出の一つとして、ここは俺が買って皆にプレゼントしよう」

「「「ありがとうございます!!」」」

ラウルの粋な申し出に、子供達が率先して大きな声で礼を言う。

皆が被っていたスライムハットを一旦脱ぎ、全部集めてラウルが会計に向かう。

シャーリィもラウルの横につき、その腕を取りながら「ラウル、ありがとうね♪」と嬉しそうに礼を言う。

今日の楽しくも素晴らしい思い出の数々に、ライト達はそれぞれ幸せを噛み締めていた。