軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

367話:こういうこと

「わぷっ!? リーゼ様! 顔を狙わないでください!」

「あはは! 水をかけるなら顔に決まってるでしょ!」

「追撃なのですよ! えいっ!」

「フィレクシアさんまで! お返しですっ!」

「きゃー!」

膝上まで海水に浸かり、バレッタ、リーゼ、フィレクシアが水の掛け合いをしている。

そのすぐ傍では、一良がエイラの両手を、ジルコニアがエイラの腹を下から支え、泳ぎの練習をしていた。

2人とも、腰上まで水に浸かっている。

「どう? 何となく、感覚は分かった?」

バシャバシャとバタ足をするエイラをジルコニアが支えながら聞く。

「は、はい。力を抜けば浮いて、足をばたつかせれば前に進むんですよね?」

「そうそう。カズラさん、一度手を離してみましょうか」

「了解です」

「え、ええ!? 無理ですよっ! まだ早いですって!」

慌てるエイラに、ジルコニアが渋い顔になる。

「そんなこと言ってたら、いつまで経っても上達しないわよ。5つ数えたら離すからね」

「そ、そんな!」

「いーち、にーい、さーん」

ジルコニアのカウントが5になったと同時に、一良たちは手を離した。

エイラは顔を水につけ、両手を前に突き出して足をばたつかせるのだが、どういうわけかどんどん沈んでいく。

「あれ? どうしてこんなに沈むんだ?」

「おかしいわねぇ」

首を傾げる2人をよそに、エイラはぶくぶくと沈んでいく。

そして息が限界に達したのか、ざばっと顔を上げた。

「げほっ、げほっ! 無理です無理です! どうやっても体が沈んじゃいますぅ!」

「おっかしいなぁ。ちゃんと息は吸い込んでましたよね? 肺に空気が入ってれば、そう簡単には沈まないはずなんですけど」

「吸ってたけど沈むんですよぅ」

「胸が重すぎるんじゃないの?」

ジルコニアがエイラの胸を、両手で鷲掴みにして揉みしだく。

エイラは慌ててそれを振りほどき、自身の胸を抱いた。

「な、な、何をするんですかっ!?」

「その大きな胸が悪いのかなって」

「だからって、揉む必要はありませんよね!?」

「ジルコニアさん、胸はほぼ脂肪なんですから、浮力が働いて逆に浮くと思うんですけど」

「そうなの? なら、なおのこと沈むのはおかしいわねぇ。浮きが付いてるようなものなんだから」

「うう、胸、胸って言わないでください……」

ジルコニアが、とん、と海底を爪先で蹴って仰向けになった。

両手をだらんと伸ばし、ゆらゆらと背泳ぎを始める。

波があるというのに、ずいぶんと器用だ。

「ほら。こんなふうに、簡単に浮くものなのよ」

「おお、ジルコニアさん、上手だなぁ。俺も少し泳ぐかな」

一良はそう言うと、すいすいとクロールを始めた。

子供の頃にスイミングスクールに通っていたおかげで、クロール、平泳ぎ、バタフライとひととおりのことはできるのだ。

「あら。カズラさんも上手なんですね」

ゆっくりと沖の方へと向かう一良の後を、ジルコニアもクロールで追いかける。

「わあ、2人ともすごいね」

「ですね。すごくフォームが綺麗です」

泳いでいく一良たちを、リーゼとバレッタが感心した様子で見る。

「ああやって泳げたら気持ちいいでしょうね。羨ましいのですよ」

フィレクシアはそう言うと、はっとした顔になった。

「私、いいことを思いつきました!」

「いいことって?」

小首を傾げるリーゼに、フィレクシアは、ふふん、と胸を張った。

「泳ぎながら、息をする方法です! 見ていてください!」

フィレクシアが深い方へと移動し、真横になって水に浸かる。

顔の右半分が海中に、左側が海面上にといった形になった瞬間、「ごばっ!?」とヤバめな声を漏らして立ち上がった。

「げほっ! げほっ! げっほ! えごふ!」

「大丈夫ですか!?」

「ちょっと! 何やってるの!?」

「は、半分顔を出していれば……げふっ、水から出てる鼻で息ができるかと……」

「「ええ……」」

アホの子を見るような目で、2人がフィレクシアを見る。

そんな彼女たちのすぐ傍では、ルグロ一家がアイザックとハベルと一緒に、波打ち際で子供たちと遊んでいた。

万が一にも子供を溺れさせるわけにはいかないので、彼らに見守りをお願いしたのだ。

「もっと! もっと砂かけて!」

「お父様のお山ですよ!」

ロンとリーネが、横になっているルグロの体にどんどん砂をかけていく。

「まだまだ、全然平気だぞ。もっと気合入れてかけろ! あっはっは!」

砂山にされているルグロから少し離れたところでは、ルルーナとロローナが、わーきゃー騒ぎながら波と戯れている。

ハベルは一歩下がってカメラでその様子を撮っており、マリーとアイザックは彼女たちと一緒になって遊んでいた。

「アイザック様! おんぶしてください!」

「私も!」

「え? おんぶですか?」

アイザックが身をかがめると、ルルーナとロローナが折り重なってアイザックの背に飛びついた。

「そのまま海に入ってください!」

「泳いでくださいませ!」

「は、はい」

アイザックがどたどたと海に入ると、ルルーナとロローナはおおはしゃぎして歓声を上げた。

アイザックは肩あたりまで浸かり、2人を背負ったまま水の中を歩く。

「お父様より大きな背中ですね!」

「筋肉がすごいですね! ご立派です!」

「はは、ありがとうございます」

「マリーも泳いだらどうだ?」

ハベルがカメラを回しながら、マリーに声をかける。

「いえ、泳いだことなんてないですし、溺れちゃいますよ」

「溺れたら助けてやるから。ほら」

「うーん……」

マリーがおっかなびっくり、海に入っていく。

「もっと深いところに行けって。ここ、遠浅だから、急に深くなったりしないよ」

「で、でも、波が怖いです。さらわれちゃいますよ」

「大丈夫だって。ほらほら」

ハベルに急かされ、仕方なく肩が浸かる辺りにまでマリーが進む。

すると、いきなりマリーが海面上に、ぽん、と飛び上がった。

「きゃあっ!?」

「うわ!?」

マリーが背中から、バシャン、と音を立てて海に落ちる。

すると今度は海中から真っ黒な毛の絨毯が出現し、マリーを乗せて海面に出た。

水中に潜っていたティタニアが、いたずらを仕掛けたのだ。

「げほ、げほ! ティタニア様! 何してるんですか!?」

「ワフワフワフ!」

「わわわ!?」

ティタニアがマリーを背に乗せ、犬かきをしながら沖へと進む。

マリーは慌ててしがみつき、その姿はどんどん陸から離れて行った。

犬かきだというのに、かなりの速度だ。

「何だあれ。はは、面白い」

笑いながらカメラを回しているハベル。

その様子を横目で見ながら、アイザックは「楽しやがって」、と心の中でぼやく。

水遊びを楽しむ皆をよそに、ティティスは馬車の傍に作った休憩所で腰掛けていた。

城で借りてきた神学の本を読みふけっている。

「おい、ティティス。せっかくだから、泳いでこいよ」

腰巻一丁のラースが戻って来て、呆れ顔でティティスに言う。

ティティスは本に目を落としたままだ。

「私は荷物番をしていますから。皆さんで楽しんでください」

「俺が交代してやるからさ。遊んで来いって。親睦を深めるチャンスだぞ」

「皆さんとはすでに仲良しですから。お気になさらず」

「お前なぁ……」

どうしたものかとラースが困っていると、見知った顔が歩み寄ってきていることに気が付いた。

「あれ? イクシオス殿、マクレガー殿」

「よう」

「うお。貴君、すごい体つきだな」

イクシオスが片手を挙げ、マクレガーがラースのムキムキボディに驚く。

2人とも、短パンに薄手のシャツ、サンダルという格好だ。

「ナルソン様に、『お前らも遊びに行ってこい』と言われてな。不本意ながら、命令に従うことになった」

真面目な顔でそんなことを言うイクシオスの脇腹を、マクレガーが肘で小突く。

「何言ってるんだお前。『私はいなくてもいいのでは』、などとひたすらごねて、『分かったからもう遊びに行ってこい』、と言われたのではないか」

「お前も付いてきているんだから仲間だろうが。余計なことを言うな」

真面目な顔でイクシオスは言うと、唖然としているラースに目を向けた。

「カズラ様たちは海か?」

「あ、ああ。皆、はしゃぎまわってるぜ」

「そうか」

そう言うなり、イクシオスはスタスタと海へ歩いて行ってしまった。

やれやれ、とマクレガーがティティスを見る。

「荷物番が必要なら、私が引き受けるぞ。お嬢さんたちも遊んできなさい」

「いえ、荷物番は私が――」

「おっ、そうか! んじゃ、お願いするぜ!」

ラースがティティスの腕を掴んで、無理やり立たせる。

「ちょ、ちょっと! ラースさん!」

「後で交代しにくるからな!」

ラースがティティスを引きずるようにして、海へと走って行く。

マクレガーはそれを見送ると、持っていた袋から小瓶を取り出した。

フタを開け、中の液体を体に塗り始める。

中身は、とある植物の汁を煮詰めて作られた日焼け止めだ。

出かける前に城の侍女に海で遊ぶ際の注意事項を聞いた折に、この日焼け止めを譲ってもらったのである。

「イクシオスのやつの潮焼けで悶絶する顔が目に浮かぶわ……おーい、そこの坊主たち!」

近くを通りかかった3人の子供たちを、マクレガーが呼び止める。

「ん? おっちゃん、なあに?」

「駄賃をやるから、そこの店で何か美味いもんを買ってきてくれ。坊主たちの分も買っていいぞ」

「えっ、ほんと!?」

「やった!」

その後、マクレガーは貝の串焼きを名も知らぬ子供たちと一緒に食べながら、背中にも日焼け止めを塗ってもらったのだった。

その頃。

ひさしぶりの海水浴に、一良はつい沖の方に出すぎてしまっていた。

立ち泳ぎで周囲を見渡すと、数秒遅れてジルコニアが泳いできた。

「カズラさん、沖に行き過ぎると危ないですよ」

「はは、すみません。気持ちよくて、つい」

一良はそう言いながら、水中に目を向けた。

水はかなりの透明度で、泳いでいる魚たちの姿がはっきり見える。

「エイラさんを置いてきちゃいましたね。戻らないと」

「ちょっと待ってください」

ジルコニアはそう言うと、ざぶん、と水中に潜った。

4メートルほど潜り、そこから勢いをつけて水面に飛び出す。

腰から上まで飛び上がって砂浜を確認し、再び水に沈む。

「ぷはっ! エイラ、リーゼたちと遊んでました。ほっといても大丈夫ですよ」

「うお。ジルコニアさん、すごいですね。まるでイルカみたいだ」

「できるかなって思ってやってみたんですけど、できちゃいましたね。体が強化されてるおかげです」

「そうだとしても、こんなに泳ぎが上手いなんて……ん? 何だこれ」

目の前に漂ってきた布を、一良が手に取る。

そして、立ち泳ぎしているジルコニアを見て、ぎょっとした。

「それは何……あっ」

ジルコニアは全開放になっている自身の胸に目を落とした後、一良を見た。

一良はジルコニアの胸に目が釘付けだ。

「えっと……もっと近くで見ます? それとも、触ります?」

「あっ!? す、すみません! ごめんなさい!」

一良が慌てて顔をそらし、ビキニのブラをジルコニアに突き出す。

「別に顔をそらさなくてもいいのに。減るもんじゃないんですから」

「い、いや、それをジルコニアさんが言うのはどうかと」

「ふふ、ウブですねぇ」

ジルコニアはブラを受け取り、胸に当てて付けようとした。

しかし、背中側にあるブラ紐が、水中ではどうしても上手く結べない。

「むう。カズラさん、結んでもらえます?」

「あ、はい」

「すみませんね……ん?」

一良に背を向けたジルコニアの視界に、海から突き出ている岩場が映った。

ジルコニアは数秒考え、一良に振り返った。

「うわ!? まだ結んでないですよ!」

「あそこの岩場に行きません?」

ジルコニアがブラを押さえながら、岩場を指差す。

「少し疲れましたし、休憩も兼ねて。ね?」

「あ、はい。じゃあ、行きましょうか」

ジルコニアを先頭に、2人は岩場へと向かって泳ぐ。

すぐに岩場にたどり着き、ジルコニアが先に這い上がった。

「カズラさん、ほら」

片手で胸を隠しながら手を伸ばしてくる彼女から目をそらしつつ、その手を掴んで一良も岩場へと上がった。

「う、後ろ向いてください」

「はーい」

一良が手早くブラ紐を結び、ほっと息をつく。

2人並んで岩場に腰掛け、砂浜に目を向けた。

かなり遠くにだが、バレッタたちが波打ち際で遊んでいるのが見える。

「あれ? イクシオスも来てますね」

「えっ、どこ?」

「あそこ、殿下たちの傍です」

ジルコニアの指差す方を一良が見ると、確かにそれはイクシオスのようだ。

彼は子供たちと一緒になって、まるで重機のような勢いでルグロに砂をかけている。

「うお、イクシオスさんが遊んでるところなんて、初めて見た」

「彼、戦争が終わった途端にキャラが変わりましたよね」

「俺としては、あれくらいのほうが面白くて好きですけどね。前のイクシオスさん、何だか怖くて」

「無愛想が額を付けて歩いてるような人ですもんね」

「はは、何ですかそれ。面白い表現だな」

笑う一良に、ジルコニアもクスクスと笑う。

「ジルコニアさんは、どうしてそんなに泳ぎが上手なんですか?」

「軍で訓練をしたことがあって。街なかの川で、服を着たまま泳ぐ訓練をしていたんです」

「ああ、なるほど。どんな場面で必要になるか分からないですもんね」

「ええ。川を挟んで敵軍と対峙している時なんかに、夜中にこっそり泳いで対岸に渡って伏兵になる、なんて戦術もあるってナルソンが言ってました」

「あー、そういう作戦、歴史もので読んだことあるなぁ。夜中に沼地で浮き橋を作る作戦で、泳ぎの達者な人が大きな板を水に浮かべて支えて、その上を兵士たちがこっそり渡るってやつでした」

「それは面白い作戦ですねぇ」

あれこれと雑談しながら、岩場で休む2人。

そよそよと風が吹いており、美しい海と砂浜の景色も相まって、実にすがすがしい気分だ。

「あ、そうだ。カズラさんにも、一応伝えておかないといけないことがあったのを忘れてました」

「何をです?」

「前に、私の故郷を襲った連中がどうのって話をしたことがあるじゃないですか。カイレンが、あいつらを全員見つけ出してくれたんですよ」

「えっ!? ぜ、全員!?」

「はい。執政官権限で、過去の記録を全部見ることができるようになったらしくて。事件に関わった者を全員、探し出して捕まえてくれたんです。といっても、3割くらいはすでに死んでいたみたいですけどね」

「そうだったんですか……城に来た翌朝にルグロが言ってた『カイレン執政官が報告したいことがある』って言ってたの、それだったんですね。そいつら、どうするんですか?」

「即日全員、秘密裏に処刑してもらいました。公開処刑がいいかなって思ったんですけど、結婚して普通に家庭を築いてる奴もいたんで、やめておきました。公には、移送中に馬車が崖から落ちて事故死って扱いになってます。遺族には補償金を出すとのことですよ」

ジルコニアがさらりと言う。

喜んでいるというより、ただ結果を報告しているだけという雰囲気だ。

「まあ、そんなわけで、私の生涯目標は達成されちゃったわけです」

「何というか……お疲れ様でした」

「ほんと、疲れましたよ。やれやれって感じです。ふふ」

軽い調子に合わせてくれる一良に、ジルコニアが微笑む。

彼とのやりとりは、肩の力を抜くことができてとても心地よい。

「そういえば、このバレッタが作ってくれた水着と、これの前に着てた水着、カズラさん的にはどっちがいいですか?」

堅苦しい話題を変えようと、ジルコニアが片膝を抱きながら一良を見る。

「そりゃあ、今着てるやつのほうがいいですよ。すごく似合ってますし」

「誰の水着姿が、一番ぐっときました?」

「いやぁ、甲乙つけがたいですけど、誰がって言ったらジルコニアさんですかね。スタイル抜群ですし」

「ふふ、えらいです。よくできました」

「お褒めにあずかり光栄です」

「で、本当は、誰が一番よかったですか?」

「えー……そこはこのまま終えるところでしょ」

「だって、気になるんですもん。教えてくださいよぉ」

ジルコニアが甘えた声で聞く。

「ほらほら、答えて?」

「ああもう、分かりましたよ。バレッタさんが一番かわいかったです」

一良が答えると、ジルコニアが、ぷくっと頬を膨らませた。

「酷いです!」

「なんで!?」

「私が1番って言ったのに!」

「いや、本当は誰がって聞いておいて、理不尽すぎるでしょ……」

「だって……」

ジルコニアが言葉を止め、考え込む。

「……あ、あの?」

「あー、もういいや。あれこれ考えるの、やめた」

「あれこれって、何を?」

「こういうこと」

ジルコニアが両手を、一良の頬に添える。

そのまま顔を近づけ、一良の唇に自分の唇を重ねた。

数秒そうしてから少し顔を離し、至近距離で2人の視線が交わる。

突然の出来事に一良が固まっていると、ジルコニアの顔がみるみるうちに真っ赤になった。

「え、ちょ、な」

「とうっ!」

恥ずかしさに耐えきれなくなったジルコニアが、海に飛び込む。

しかし、海面に着水する直前、突如として水が盛り上がった。

「ぐえっ!?」

「ギャンッ!?」

「きゃあああ!?」

背中にマリーを乗せて飛び出てきたティタニアの顔面がジルコニアの腹に直撃し、そのまま2人と1匹は空中に舞い上がった。

口を半開きで見ている一良の前で、彼女たちがボチャボチャと水に落ちる。

「た、助けてっ! ごぼっ!」

「マリーさん!?」

一良が慌てて海に飛び込み、溺れているマリーを後ろから抱える。

ティタニアは涙目で犬かきしながら、きょろきょろした。

「ワン!」

「あっ! ジルコニアさん!」

一良がティタニアの声に振り返ると、うつ伏せのジルコニアがぷかぷかと浮かんでいた。

「おい、ハベル! そろそろ交代して……どうした?」

強張った顔でカメラを手にしているハベルに、アイザックが怪訝な顔をする。

「す、すごいものを撮ってしまった……」

「すごいもの?」

「あ、いえ! 何でもありません! 交代ですね!」

ハベルは慌てて誤魔化すと、波打ち際で遊んでいるルルーナたちの下へと駆けて行った。

アイザックが「カメラは俺がやるよ」と申し出たのだが、ハベルは頑としてカメラを手放さなかった。