軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第64話

「さあ! それでは皆さんにお届けするのは、人類ダンジョンスピードラン大会です!! 本大会は全ダンジョンへ同時配信中!! この私が責任を持って実況を務めさせていただきます!!」

ゲームの神の声がダンジョン上空へ高らかに響き渡る。

直後、観客席からは割れんばかりの大歓声が巻き起こった。

「さあ現在――試合開始ィィッ!! 両チームともに第一戦闘エリアへ突入しました!!」

「第一関門の突破条件はゴブリン二十体の討伐!! 赤チームはすでに六体撃破!! なんという連携!! なんという美しい攻撃陣形!! 実に鮮やかだァッ!!」

「では対する青チームはどうでしょうか――って、えっ!? ゼロ??? まだ一体も倒していない!? まさか青チームの皆さん、試合が始まったことに気づいていないんですか!? おーい!! 聞こえてますか!? 試合はもう始まってますよ!? 一体何をしているんですかァァッ!!」

「青チームが動き出したァ!! 開幕から六体差をつけられるという厳しい状況!! さあ、この不利をどう覆していくのでしょうか!!」

「青チームが陣形を変更!! 五名の選手がゴブリンへ猛攻を開始しました!! そして最後の一人が取り出したのは――」

「鍋ぇぇぇぇぇぇぇぇっ!???」

「青チームの選手が料理を始めたァァァッ!! まさか……まさか料理系スキルの持ち主なのでしょうか!? 食事による能力強化とか、そういう類の支援を――いや違う!! 自分で食べたァァァッ!!!」

「食べた!! 全部食べたァァッ!! しかもめちゃくちゃ幸せそうな顔で食べているゥゥッ!! ただの食欲モンスターじゃないですかァァァッ!!!」

「その間にも赤チームは次のゴブリン集団へ突撃!! 一体! 二体! 三体! 四体!! 赤チームの撃破数はついに十体へ到達!! 第一関門を半分突破です!! 速い!! 速すぎる!! その行動効率はまさに圧巻だァァッ!!」

「では青チームの進捗はどうなっているのでしょうか!? ……オムライス!! 青チームはついにオムライスを完成させましたァ!! 実に美味しそうな仕上がりですね!! 待ってください、もしかして私、競技内容を間違えて伝えましたか!? いや、間違ってないですよね……?」

ゲームの神は少しだけ自信を失っていた。

「ですが他の五名は全力で戦闘中!! 四体!! 青チームも四体のゴブリン撃破に成功しました!!」

「ただし被害はかなり深刻!! あの聖騎士さん、顔がボコボコです!! うわぁ、これは酷い……人間がゴブリン相手にここまでボコボコにされる光景、私は初めて見ました……ゴブリンってダンジョン最弱モンスターじゃありませんでしたっけ!?」

「その一方で赤チームの進捗は十四体へ到達ィィッ!!!」

「なんと十体差ァァッ!! もともと戦力で勝る赤チームに対し、青チームは戦闘要員を五人しか投入していない!!」

「どうするどうするどうする!? このままでは逆転の可能性が完全に消えてしまいますよォォッ!!」

その時だった。

観客席から一筋の光が立ち上り、流星のようにダンジョンへ降り注ぐ。

「アイテムだァァッ!! VIP席のお客様がダンジョン内へランダムアイテムを投下しましたァァッ!!」

「両チームとも落下してくるアイテムに気づいた!! 動いたァァァッ!!」

「アイテム効果発動中は、互いの対戦相手の幻影が実体化!! 直接吹き飛ばすことが可能になります!!」

「さあ、この戦局を大きく左右するアイテム!! 一体どちらの手に渡るのでしょうか――!!」

「なにィィィッ!? 青チーム五人全員がアイテムへ一直線だァァッ!!」

「青チームは理解している!! 正面からの勝負では赤チームに勝てない!! だからこそアイテムの力に賭けた!! 実に合理的な判断です!! しかし――もし奪えなかったらどうするんですかァァッ!?」

「まずいィィィッ!!! 赤チームも全員がアイテムへ向かったァァッ!! 青チームに逆転の芽を一切与えないつもりだァ!!」

「しかも六人全員出撃!! 青チームより一人多いィィッ!!」

「今こそ出番でしょう!! 青チーム最後の切り札!! 秘密兵器たる最後の一人も、ついに戦場中央へ到達しましたァァッ!!!」

「ついに動くのかァァァッ!?」

「カレーだァァァァァッ!!!」

「オムライスにカレーをかけたァァァァァァァッ!!!」