軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第65話

「さあ皆さん!! あの忌々しいオムライスのことは一旦忘れましょう!! 戦闘です!! 両チーム、激しい攻防を繰り広げています!!」

「赤チーム六名、狙いは明確!! 剣士が一直線にアイテムボックスへ突撃!! 残る五名が火力支援を担当し、魔法の集中砲火で青チームを押し返しています!!」

「青チームもまったく同じ作戦だ!! しかし――一人足りない!!」

「やはり厳しい!! 青チーム、赤チームの嵐のような猛攻を受け止めきれません!!」

「一人欠けたことによる火力差は、どれだけ頑張っても埋められない!! しかも赤チーム六名は元々の実力でも青チームを上回っています!!」

「青チーム、アイテムへ近づけない!!」

「取ったぁぁぁ!! 赤チームがアイテム獲得です!!」

「これは痛い!! ただでさえ進行速度で遅れていた青チーム!! 希望を託していたアイテムまで失ってしまった!!」

「さあ、一体どんなアイテムでしょうか!?」

「攻撃力アップ!! なんと攻撃力アップです!! 一名の与ダメージを二倍にする強力な効果!!」

「元々リードしていた赤チームに攻撃力アップまで加わった!! まさに鬼に金棒です!!」

「恐ろしい!! 赤チームの剣士、ゴブリンを一撃で撃破!! 一体!! 二体!! 三体!!」

「二十体撃破完了!!」

「赤チーム、真っ先に第二ステージへ突入です!!」

「対する青チームは……まだ八体撃破!! 差が大きすぎる!!」

「しかも最悪なことに、攻撃力アップの効果は第二ステージまで継続しています!!」

「圧倒的な火力を武器に、赤チームが第二ステージのエリートモンスター、ゴブリン将軍へ総攻撃開始!!」

「わずか十秒!! 三分の一!! ゴブリン将軍のHPが三分の一も吹き飛んだ!!」

「なにぃ!? それでも赤チームは満足していない……」

「まさか……」

「なんと大量の錬金薬を取り出したぁぁ!!」

「中級筋力ポーション!! 中級魔力ポーション!! 中級体力ポーション!! なんということだ!! どれも高価な中級薬剤ばかりです!!」

「赤チーム、この試合に勝つためなら金に糸目をつけない!!」

「青チーム激怒!! 相手の錬金薬使用について抗議しています!!」

「申し訳ありません!! しかし錬金薬の使用はルール違反ではありません!! 本大会では外部から持ち込んだ武器、装備、道具の使用が認められています!!」

「おっと!! 赤チームの金髪女性が青チームを挑発している!! 内容は――」

「『雑魚ども!! 財力も実力のうちよ!! 私は金持ちなの!! 悔しかったら噛みついてみなさいよ!!』」

「なんという挑発だ!! これは酷い!!」

「青チーム、怒りで全身を震わせています!! しかし進捗はまだ第一ステージのゴブリン十五体撃破……!! 差が大きすぎる!!」

「現在の進行差を考えれば、赤チームは勝利目前!! 青チームがどれだけ努力しても追いつけそうにありません!!」

「では青チームはどんな作戦を取るのか!?」

「魚を揚げたぁぁぁ!! 青チーム、まさかのフライドフィッシュ作成です!!」

「なるほど!! 最初から勝ち目がないと理解していたんですね!! 隊長のために最後の晩餐を用意していたわけです!!」

「……だったらなんで試合を受けたんですかぁぁぁ!?」

「五十パーセント!! 赤チーム、ゴブリン将軍のHPを五十パーセントまで削りました!!」

「そして――第二回アイテム投下フェーズ突入!!」

「観客席から第二のアイテムが投げ込まれた!! これは青チームにとって運命を覆す最後のチャンスです!!」

「このアイテムを取れなければ、たとえ第三アイテムを獲得しても進捗を取り返すのはほぼ不可能!!」

「果たして取れるのか!?」

「待ってください!! なに!? 赤チーム、奪取に向かったのはたった二人!!」

「なるほど!! 錬金薬の効果時間中にゴブリン将軍へより多くのダメージを与えたい!! そのため二人だけを妨害役に回したんですね!!」

「二人だけとはいえ、錬金薬で強化された相手です!! 青チーム、やはりアイテムへ近づけない!!」

「取ったぁぁぁ!! 激戦の末、青チームがついにこの試合初のアイテムを獲得!! 一体どんな効果だ!? 逆転か!? 伝説級の大逆転劇が始まるのか!?!」

「なに!?」

「まさか……」

「空っぽ!!」

「終わったぁぁぁ!! 青チーム、まさかのハズレ箱!! 中身ゼロの空っぽ箱です!!」

「残酷すぎる!! 運命は完全に青チームを見放している!! これで最後の逆転希望まで失われた!!」

「倒したぁぁぁ!! 青チームがアイテム争奪に夢中になっている間に、赤チームがゴブリン将軍を撃破!!」

「対する青チームはようやくゴブリン将軍戦開始!! 致命的な差です!!」

「もう希望がない!! 奇跡が起きても逆転方法が思い浮かばない!!」

「三十パーセント……五十パーセント……!! 赤チーム、最終ボスのHPを既に五十パーセントまで削っています!!」

「そして最後のアイテム争奪フェーズへ!!」

「今度は赤チーム全員参加!! 青チームも五人を投入!!」

「赤チーム、最後の希望すら青チームに残す気がありません!!」

「青チームもこれが最後のチャンスだと理解している!! 全力です!!」

「見事な剣技!! 見事な魔法の軌道予測!! 青チーム全員が過去最高のパフォーマンスを見せています!!」

「行ける!! 行けるぞ!! アイテムに届く!! 頑張れ青チーム!! あと一メートルだ!!」

「なにぃぃ!?」

「赤チームの金髪女性、中級魔法を発動!!」

「まずい!! 青チーム全員まとめて吹き飛ばされた!!」

「アイテムボックス……赤チームが再び最重要アイテムを獲得です!!」

「最後の希望まで失った!! 青チームの面々、完全に意気消沈!! 戦意を喪失しています!!」

「それでも赤チームは容赦しない!! 獲得したアイテムを即使用!!」

「その内容は――」

「妨害系アイテムだ!! 『呪いの弾を発射し、命中した青チームメンバーの攻撃力を百倍低下させる』!!」

「赤チームの標的は、青チーム最高火力の剣士隊長!!」

「待って……」

「なにぃぃぃぃぃ!?」

「誰も気にしていなかった青チームの食いしん坊が、自ら飛び出した!!」

「アイテムを受け止めた!!」

「口で!?!」

「なんと口で受け止めたぁぁぁ!!」

「しかもフライドフィッシュとカレーオムライスを一緒に頬張りながら!!」

「彼女は……一体何をするつもりなんだ!?!」

「おおおおお……!!」

「親指を立てた!!」

「――うまーーーーい!!!!」