作品タイトル不明
第379話「新しい戦略と政府管理ダンジョン」
#第379話「新しい戦略と政府管理ダンジョン」
レベル4モンスターの二か所同時氾濫は大きな問題だ。今のままでは対応が困難ということで対策会議が開かれた。
メンバーは自衛隊トップの高倉さん、ハンター協会の朝倉さん、自衛隊特殊部隊の10人、そして俺たち8人(俺、ルナ、ひより、ラム、リン、ロア、ルフ、クー)だ。
まずは俺たちのチームを二つに分けるということが高倉さんから発表された。今後、対応するには当然のことだと思って俺たちは了承。
そして次に自衛隊特殊部隊について話が及んだ。当然のことながら俺たちを補佐してくれる自衛隊特殊部隊も二手に分かれる。
「レンたちが二つのチームに分かれるということで自衛隊特殊部隊についても二手に分かれる。ただしこちらは人員をそこまで増やせないからタスクが増えることになる。かなり大変だが、頑張って欲しい」
まずは佐倉さんと藤原さんがそれぞれのチームで隊長として指揮するということで二手に分かれる。
また情報部隊三人、実行部隊五人もそれぞれ分割する形になる。
ただし情報部隊、実行部隊共にそこまで余裕がない。半分に分けると、どうしても人員不足になる。そのため、さらに情報部隊ならびに実行部隊共に一人以上の人員増強を検討中らしい。
本来ならば二チームということで人数を二倍にしたいところだけど、情報漏洩のリスクがあるので簡単には増やせない。もちろん人材の育成が大変という事情もある。
そのため現時点の人員が、複数のタスクをこなせるように訓練することが基本路線となった。
二チームに分かれることによって人員が減るが、複数タスクをこなせる人員が増えれば作業時間は増えるものの、何とかこなすことができるという判断だ。
ヘリ操縦者についても、基本的には現在の人員の中から増やす。現時点ではヘリ操縦車は隊長の佐倉さんと副隊長の藤原さんのみ。
各ヘリ常に二人以上のパイロットが必要とのことで、情報部隊、実行部隊ともにヘリ操縦できる人を最低でも一人ずつ増やす計画となった。すなわち、最低でも二人が訓練をして免許を取得する方向ということになる。
それによって二手に分かれ機動力を最大化する方向だけど、自衛隊特殊部隊の方は新しく免許を取得したりタスクが増えたりしてかなり大変だ。
高倉さんが自衛隊特殊部隊の方にも確認を取った。
「自衛隊特殊部隊の方は何か意見がないかな?」
「特にありません。当然の決定だと思います」
佐倉さんが代表して答えた。大変だと思うけど、これは仕方がないだろう。現状を考えたら合理的な判断ばかりだ。
こうして今後のダンジョン氾濫対応の体制に大きな変更があったわけだが、俺たちに関してはそこまで大変でもない。二手に分かれる以外はこれまでと何も変わらない。
そして今やるべきこととしてはこれまでと同じくダンジョンでレベルアップを目指すのみだ。
日本のどこかでダンジョンが氾濫した時に全員で討伐に行けないのは少し残念だが、これはもう仕方ない。
また二か所同時が起きたなら、本来は三か所同時も考える必要がある。
しかしながら、こちらは今後の検討課題とすることになった。さすがにそこまでは今すぐ対応できないからだ。
後手に回っている感はあるが、できることから積み上げるしかない。
そしてチームの班分けの話の後は、恩方ダンジョンについての話もあった。ダンジョンに直接かかわる話ということで、今度は朝倉さんが話を始めた。
「恩方ダンジョンは政府管理ダンジョンになる予定だ。基本的にレンたちのみが使用するダンジョンとする」
「俺たち専用のダンジョンということですか?」
「そういうことになるな」
朝倉さんは軽く笑った。どうやら俺が顔を見て喜んでいることを把握したようだ。そりゃ嬉しいよね。恩方ダンジョンが俺たち専用ダンジョン扱いになるんだ。これまでは多少なりとも他人の目を気にしていたけどそれが不要になる。
一般人は基本的に立ち入り禁止のプライベートダンジョンのようなものだ。
ちなみに政府管理ダンジョンになる理由は研究目的という名目だが、現実には俺たちの存在を隠す意味合いが強い。
何もなしに政府管理ダンジョンにすると、そこに何かあるのか?疑いの目で見られる注目されるので逆効果。今ならば氾濫が起きたダンジョンの研究目的という大義名分が立つ。不自然ではないので絶好のチャンスと判断したらしい。
「今回恩方ダンジョンの氾濫鎮圧に貢献したクアンもまた恩方ダンジョンで活動してもらう予定だ」
「なるほど……」
クアンは今回の恩方ダンジョンの氾濫鎮圧に貢献したということで一定の自由が認められるようだ。もちろん、もともと他国のテロ組織の人間なので完全な自由というわけではないけどね。
そして、クアンとレイラも、恩方ダンジョンで活動を進めることになった。これも合理的と言えるだろう。クアンが他のダンジョンで活動していたら、外国人ということでどうしても目立つ。そうなると秘密の戦力がバレる可能性が高くなる。
俺たちと共に専用ダンジョンで活動するのはいいことだろう。
そして、クアンとレイラが恩方ダンジョンで活動することが、俺たちが不在時の対策にもなる。
俺たちが不在の時もレベル4のクアン、レイラが恩方ダンジョンで活動すれば氾濫は起きる可能性が低くなる。すなわちいつもはレベルアップのために討伐を進めるが、いざという時に常時監視の役割なる。
もちろん、夜間については俺たちが活動していないということで常時監視メンバーのみが入る。そういう意味では完全な専用のプライベートダンジョンではないが、それぐらいは仕方がないだろう。
こうして体制は大きく変わった。とは言え、俺たちのやることは変わらない。レベル7に向けて強くなる。ただそれだけだ。
現時点では……世界がどう動こうと、ダンジョンに意思があろうとなかろうと関係ない。
俺たちが強くなり、負けなければそれでいいのだ。
ダンジョンの活動が更に活発化する可能性がある。できる限り早くレベルアップしたいところだ。