軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第373話「氾濫の鎮圧とまさかの同時発生」

#第373話「氾濫の鎮圧とまさかの同時発生」

山梨県、富士山麓の青木ヶ原樹海ダンジョンでレベル4モンスターの氾濫が起きたということで俺たちは立川駐屯地にすぐに向かい、そこからヘリで現地に向かった。

30分ほどで現地に到着。まずはダンジョン特殊部隊の情報部隊がドローンを展開させた。戦闘用ではなく、偵察用のドローンになる。

上空からの映像がノートPCやタブレットに次々と映し出された。

解析にはAIも使用され、熱源と動体反応などからモンスターの位置が即座に割り出されていく。

その他の情報部隊、そして実行部隊も同時並行で動いていった。次々と佐倉さんに連絡が入ってくる。

「付近の防犯カメラをジャックしました。周辺映像はすべて遮断」

「了解」

「付近にメディア関係者、一般人の姿は確認できません。避難は順調に進んでいると思われます」

「了解」

「敵モンスターは依然として樹海内。総数およそ三百。うち二十体前後がレベル4と推定」

「了解」

「実行部隊は全員、配置に付きました」

「了解」

すでに防犯カメラはジャックしており使用不可。さらにはメディアや一般人の目もないということで秘密が漏れる心配はほぼないだろう。

おれ達は思う存分暴れることができる。

そして敵モンスターの数は三百とそれなりの数になる。とは言え、まだ樹海内にいるのはありがたかった。

樹海内ならば周辺被害を考えずに倒せる。他に制約が特にないなら単純に討伐するだけ。俺たちの敵ではない。スピード優先で都市部へ流れる前に全滅させればいい。今ならば全てのモンスターを樹海の外に出る前に倒しきることもできるかもしれない。

出撃命令が待ち遠しいところだ。

「レン、一応こちらから推定位置を伝える。前回同様、敵モンスターの位置は把握できるか?」

「はい。問題ありません」

「私も大丈夫です」とルナ。

「私も問題ありません」とひより。

俺が感じ取ったモンスターの配置を伝えると、ドローン解析とほぼ一致していた。誤差はわずかなので特に問題はないだろう。

念のため通信端末は持つが自分の感覚で動いても問題はなさそうだ。

そして三チームに分かれて掃討に入ることにした。

■ 第一チーム

レン、ラム(レベル6二名)

■ 第二チーム

ルナ、ルフ、クー(レベル6三名)

■ 第三チーム

ひより、リン、ロア(レベル6三名)

二人ずつの四分割も検討されたのだが、人間を各チームに最低一人配置する方針を優先した。

そして佐倉さんがようやく俺たちの出陣命令を出してくれた。

「では宜しく頼む!モンスターを掃討してくれ」

「では、出発します」

その声で、俺たちは同時に動いた。一気に樹海の中へ。思ったよりも静かだ。

だが、モンスターが潜んでいるのが俺には分かる。ラムの方を見たがやはり分かっているようだ。お互いに頷いてモンスターがいると思われる場所に急いだ。

青木ヶ原樹海内の北西方向、南アルプス市側へ向かおうとしていると思われる群れがいる。

念のため無線でも方向を確認しつつ進むが、ほぼ俺とラムの感覚通りだった。そして視界にもモンスターが見えてきた。

レベル1~レベル3モンスターが前列。その奥にレベル4モンスターもいる感じだ。雑魚が多いが全く問題ない。俺とラムはレベル3までを一気に倒しながらレベル4モンスターに肉薄していった。

そしてレベル4が反応するより早く、首を落とした。

「凄いな……見えなかったぞ」

無線越しに小さな声。もしかしたらドローンで追跡してきたのかな。だが立ち止まらない。

次々とモンスターを倒していった。レベル4だろうと関係ない。数が多いから大変かもしれないと思ったが群れているので助かった。まとめて倒すことができたのだ。

見つけ次第、確実に倒す。恐怖も緊張も特にない。あるのは、流れ作業のような感覚だ。

おそらくルナやひよりのチームも順調だろう。

そして残り、あとわずかとなった。良かった、青木ヶ原樹海内で全て倒しきることができそうだ。

そう思った時だった。

無線が割り込んできた。佐倉さんの声が焦っている。

「レン、ルナ、ひより。状況が変わった。至急討伐を完了させてくれ。今、恩方ダンジョンが氾濫したとの情報が入った。レベル4のモンスターも出ているらしい」

一瞬、思考が止まった。

恩方ダンジョン?俺たちの拠点だ。俺たちが1時間前に出たばかり。確かに普段は俺たちがいるので常時監視員のメンバーは基本的にいない。

俺たちが出た後で氾濫した……そんな偶然があり得るのか?さらに言えば、二か所同時氾濫だけでも日本では起きていないはず。

偶然なのか?それともダンジョンの何らかの意思が働いているのか?

ともかく、それを考えている暇はない。ここで撃ち漏らせば、被害が出る可能性がある。まずは完全に倒しきることが優先だ。

「ラム、急ぐぞ」

「はい」

焦る気持ちを何とか抑えながら最後のレベル4モンスターを倒した。周囲の気配を再確認したがモンスターの残存反応なし。

無線で報告した。

「撃ち漏らしはないと思います」

その後すぐにルナ、ひよりも続いた。

「こちらも問題なし。全て倒し切りました」

「こちらも、敵の全滅を確認しました」

ドローン映像などでも確認。モンスター反応ゼロを再確認した。だが安堵する時間はない。

佐伯さんの声が無線から響く。

「青木ヶ原樹海ダンジョン、掃討完了。レンたちはすぐにこちらへ戻ってくれ」

「即時撤収し、恩方ダンジョンへ向かう」

討伐を終えた。俺たちはすぐに佐伯さんたちのいるところに戻る必要がある。そしてヘリに乗って異動し恩方ダンジョンの氾濫も抑える必要がある。

八王子の人口は50万人以上、街にモンスターが到達すればとんでもないことになる。

何とか間に合って欲しいと願いながら、俺とラムは全速力で戻った。