軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第264話「緊急訓練の要請」

#第264話「緊急訓練の要請」

自衛隊特殊部隊との顔合わせから数日後――

朝倉さんから再び連絡が入った。会ってからすぐの連絡だったからなんだろうと不思議に思っていたら自衛隊ダンジョン特殊部隊からの訓練要請の件だった。

「先日君たちが会った自衛隊のダンジョン特殊部隊10名から連絡があった。一度、“緊急出動訓練”を一緒にやりたいとのことだ。お願いしたいがどうだろう。依頼料は300万円になる」とのことだった。

話によると「ダンジョンで討伐中に急な要請→俺たちは即ダンジョンから外へ→緊急車両で立川駐屯地へ→そこからヘリで移動し討伐」という流れをシミュレーションするらしい。

今回のダンジョン氾濫の想定場所は四国。現地のモンスターを討伐をした後に、給油して折り返し戻るというところまでを進める、本格的な訓練になるそうだ。

俺は当然、必要な訓練だと思って朝倉さんに了解の旨を伝えた。その後は朝倉さんから連絡があったことをひよりとルナに伝達した。

「ひより、ルナ、俺たちはヘリに乗って四国に行くことになるらしい」

「どういうことだ? 何で私たちが四国に行くんだ? レンは肝心な部分を省略するから全く意味が分からない。分かりやすく説明しろ」とルナ。

確かにそうだな。ヘリで四国とだけ言われても分からないだろう。そこで先ほど朝倉さんから電話連絡を受けた訓練の流れを説明した。

俺たちがダンジョンで討伐中に連絡が入ること。その後は緊急車両で立川駐屯地に向かい合流、ヘリで四国に向かうといいう話だ。

「確かにそういった訓練は必要だな。それならば依頼を受けて当然だ。いきなり実践で立川駐屯地に向かいヘリに乗るとなると戸惑うだろうからな」とルナ。

「それはそうよね。いきなり実践だと困りそう。そういった訓練は必要だと思う」とひより。

俺は独断で朝倉さんに自衛隊との訓練について了解の旨の返事をしたけど問題はなさそうだ。ひよりもルナも訓練は当然のことだと言ってくれた。

それにしてもヘリに乗る――それは俺にとって初めての経験だ。そもそも飛行機にも乗ったことがない、すなわち空を飛んだことがない。

そして俺はつい口走ってしまった。

「ヘリか、どうしよう?……俺、パスポートもないんだけど?」

横でルナが額に手を当てた。

「落ち着けレン。ヘリで四国に行くのにパスポートはいらない。パスポートが必要なのは外国に行く時だけだ。国内ならばどこでも不要だ」

「やっぱりレンね、どこか抜けている。そこがレンらしいけどね」とひよりがくすくす笑った。

そりゃそうか……空を飛んでも外国に行くわけでもないからパスポートは不要だよな。ちょっと恥ずかしい。

「そう言うひよりとルナはヘリに乗ったことはあるのか? 海外の経験もあるのか?」

「私はヘリに乗ったことがあるけど、街を見る観覧用だったから自衛隊のヘリとは全く違うと思うよ。あと飛行機にも乗ったことはあるよ。家族で海外に行ったからね」とひより。なんと何度も空を飛んだ経験があるらしい。そして海外経験もあるらしい。

「私は飛行機だけだな。海外にも行ったことはあるが飛行機と自衛隊のヘリとは全く違うだろう。基本的にはレンと同じく初めてのようなものだ」とルナ。やはり空を飛んだ経験があるらしい。海外経験もある。

2人共に落ち着いているのかな。

となるとこの中で空を飛んだことがないのは俺だけか?だから俺だけパスポートは?なんて変なことを言ってしまうのか?ともかく初めてづくしで戸惑うばかりだ。

でもよく考えたら使役モンスターのみんなはヘリにも飛行機にも乗ったことはないはずだ。

「自衛隊のヘリに近いうちに乗ることになるだろう。空を飛んで現地に向かうことになる」と言うとみんな喜んだ。

どうやらこの前の顔合わせでヘリの話が出ていたからネットで自衛隊のヘリについても調べていたらしい。もう乗る気満々、もしかしたら俺よりも詳しいかもしれない。

「私達も一緒に空を飛べるのですか? 楽しみです」とラム。

「早く飛んでみたいです。ヘリに乗ってみたいですです」とリン。

「空飛ぶやつ、楽しみ!」とロア。

「ダンジョンの外に出てから初めてのことばかりで嬉しいね」とルフ。

「俺も早く空を飛んでみたい! 待ち遠しいな!」とクー。

みんなワクワクしている。どうやら変に緊張しているのは俺だけのようだ。

「数日中に緊急の連絡が入ると思う。訓練の連絡が来たら、すぐにダンジョンから出て緊急車両で駐屯地に向かうことになる。そこからヘリで四国に移動。軽い訓練をした後に再びヘリで戻る想定らしい」そう言うとみんなが頷いた。

何か俺だけ変に緊張しているのは納得できないけどまあ仕方がない。自衛隊から連絡が来たら来たら行くしかない。心づもりをしておこう。

そして数日後、ダンジョンで五階層を進んでいたところ、専用端末に連絡が入った。

《緊急訓練開始、四国のダンジョンで氾濫が起きた想定だ。至急立川駐屯地にせよ》

すぐに現地に向かわなければいけない。今回は訓練だが真剣に対応しないといけないだろう。

俺は少し緊張しながらもダンジョンの外に向かった。