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作品タイトル不明

第255話「本格的な自衛隊との協力」

#第255話「本格的な自衛隊との協力」

いつもの定期連絡において、朝倉さんから自衛隊の特殊部隊を俺達専用に設置する案が出ているという話を教えてもらった。なんと大泉防衛大臣からの提案らしい。

最初はびっくりしたが、確かに必要だろうとは思う。そして朝倉さんはその特殊部隊について説明を続けてくれた。

「その特殊部隊10人の内訳を説明しよう。まずは隊長・副隊長の2人がヘリ運用そして現地自衛隊との調整、君たちの軍事行動の指揮などが任される。あとは戦闘時の君たちの護衛も兼ねる。使役モンスターと違って君たちは現場では一般人と変わらないだろうからな」

「次に情報班に3人の割り当てが想定されている。付近の監視カメラ映像の回収と解析、ドローンでの周辺情報の収集、そして周辺の情報やデータなどを収集するハッカー」

「残りの5人は実行部隊、遊撃部隊になる。例えばスマホなどの電波遮断、メディアや一般人がいたらその対応、その他に君たちが討ち漏らしたモンスターの討伐などを受け持つ」

聞くだけで頭が痛くなるほど本格的だ。

なんと現場に行くのにヘリまで使うのか?でも普通に考えたら当たり前か。移動で時間を使っていては被害が拡大してしまう。

ダンジョンの氾濫ともなると緊急要請になるだろうからヘリでの移動は当然だろう。

「ヘリ移動、そして情報班にはハッカーまで……本気ですね」

ひよりが驚いた声を漏らす。

「そうだな。そのダンジョン特別対策部隊の10名は立川駐屯地に常駐してもらう予定になっている。君たちが恩方ダンジョン、そして陣馬高原ダンジョンをメインで活動しているから一番近い場所として立川駐屯地を選定した。そしてダンジョン氾濫で要請があれば君たちをヘリに乗せて全国どこでも4時間以内に現場到着できる体制を考えている」

なるほど、立川駐屯地ならば近い。恩方ダンジョン、そして陣馬高原ダンジョンのどちらにいても30分以内ぐらいには行けるだろう。そこからヘリでダンジョン氾濫の現場に急行するという形か。

「戦うことも必要なんだが秘密保持も大事だ。現地の防犯カメラ、そしてメディアや一般人による撮影を完全に排除する必要がある。君たちの映像が残ると厄介だからな。その対応は先に説明した情報班の3人が現場周辺の確認、そして実行班の5人が現場対応と割り当てられている」

朝倉さんは苦い顔だ。でもそれはありがたい。俺たち8人ではどうしても瞬時に対応できない部分でもある。

メディアや一般人が戦闘シーンを動画撮影していても、それを俺達ではどうしようもない。何らかの形で排除するにしてもややこしい。そういった面倒ごとに対応してくれるのは素直にありがたいことだ。

動画サイトなどに上がったら一発でバレてしまう可能性もある。

そこで、ひよりが遠慮がちに質問した。

「でも……秘密を共有する人が、一気に増えるってことですよね? その秘密共有はどこまで広げる予定なんですか?」

その質問にも朝倉さんは丁寧に回答しれくれた。

「秘密を保持する人間が一気に11人増えることになる。その特殊部隊10名と、その10人を直接統括する自衛隊トップの人間だな。秘密を持つ人間が増えるのは好ましいことではない。とは言え、現状のままでは運用上に問題が出てくるのは明らかだ。そして何の対策もしなければ、いずれ君たちの姿が撮影され秘密が漏れることになるだろう。それを最優先で防ぎたい」

そこで疑問に思い俺も質問した。

「では、特殊部隊以外の、他の自衛隊員には秘密ということですか?」

朝倉さんは少し考えて説明をしてくれた。

「そうだ。現地では特殊部隊の隊長と副隊長がそこにいる自衛隊と調整する。例えばダンジョンの東側は自衛隊が対応、西側は君たちが対応みたいな感じだな。現地にいる自衛隊に君たちの秘密は基本的に漏らさない想定だ」

「なるほど、そういう形ですか。自衛隊の特殊部隊10人だけに秘密を共有し、その10人が俺たちの秘密が漏れないようにする。更にはスムーズと現地自衛隊と協力ができるように調整すると」

「そういうことだ。現状のままではどうしても無理が出てくるだろうと判断した」

そこで黒澤さんが補足してくれた。

「俺とエリナは大泉防衛大臣から直接話を聞いて、その意見に賛成した。秘密を共有する人間が増えるのは問題だが仕方がないと思う。あとはお前たちがどう考えるかだ。もちろん断るのもありだぞ」

俺たち3人は視線を交わし――軽く頷いた。

「俺はそれでいいと思います。俺たち8人ではどうしても無理があると思っていたので」

「私も同じ意見です。現地の自衛隊と協力するとなると、協力してくれる自衛隊のメンバーはどうしても必要になるでしょう」とルナ。

「私も……賛成です」ひよりが頷いた。

「そういってくれるとありがたい」と朝倉さん。

俺たちが了承すると場の空気が少しだけ緩んだ。まあ個人的には少しもやもやしていた部分でもある。

今後、どうやって現場で戦うのか?想像が困難だったからだ。でもこうやって具体的に考えてもらえているならばありがたい。乗っかった方がいいだろう。

「では――次にダンジョン氾濫があった場合は、連携確認の意味合いもあり現場へ向かう前提で頼む。ただし絶対に戦うという話ではない。あくまでも現地の自衛隊で厳しいと判断された場合のみだ」

「分かりました」と俺たちは頷いた。

「その前に特殊部隊の10人との顔合わせがあると思う。その時にはまた連絡させてもらう。正直なところ、まだその10人の選定も確定していない段階なんだ。君たちの了解が先だと思ってね」

朝倉さんのその一言で少し緊張が解けた。今すぐという話ではないようだ。

とは言え、世界が大きく動いているのは間違いない。

そして、俺たちも地上戦に巻き込まれる時代が少し先にやって来るのも間違いないだろう――その現実を感じざるを得ない話だった。