軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第253話「定期報告と、嫌な再会」

#第253話「定期報告と、嫌な再会」

(久しぶりにレン視点です)

五階層の攻略は順調に進んでいた。

まずはルナのレベルアップを最優先……そのルナはもうすぐレベル6だ。このペースなら問題なくあと1か月以内ぐらいに達成できるだろう。

その次は俺のレベルアップを目指す。焦りはしないが、やはり早くレベルアップしたい……そんな気持ちが強くなってきている。

今は一階層~三階層のモンスターの氾濫が問題になっているけど、更に下層のモンスターが氾濫したら大変だ。できる限り早く力を付けたい。

そうしているうちに朝倉さんへの定期報告の日がやってきた。

今回の報告内容は特に新しいものはない……そう思っていたのだけど、朝倉さんから「今回は重要事項の伝達、確認がある」と連絡が来た。

しかもいつものエリナさん透子さんだけでなく黒澤さんも同席するらしい。俺はその辺りのことを皆に伝えた。

「今回の定期報告は黒澤さんも一緒らしいよ」

「そうか。ダンジョン氾濫関連の話があるのかもしれないな」とルナ。

「嫌な予感がするね。変な話でなければいいけど」とひより。

エリナさんと透子さんはいつも定期報告にいるけど黒澤さんも一緒となると……ダンジョン氾濫の話題も含まれるのかもしれない。もしかしたら緊急の話かもしれない。

そう思うとどうにも胸の奥がざわついて落ち着かない。嫌な予感がするけど仕方がない。

軽くそんな会話をしながらルナ、ひより、ラム、リン、ロア、ルフ、クーの8人(3人+5体)でハンター協会ビルへの移動を続けた。

最近はこのメンバーでの移動となっている。全員がダンジョン外に出られるようになったからね。

そうして8人でいつものハンター協会ビルに到着。

それにしてもハンター協会も最近は人が増えたな、と改めて実感する。エントランスには以前より明らかに人が多い。

ダンジョン一階層~三階層の常駐監視が始まったことでハンター増員が必要になったからだろう。

詳しくは知らないけどTVCMでもバンバン流しているらしい。ハンターが増えたことで関連業務も増えているようだ。忙しそうに動き回っている人もいる。

しかもアイドルなど有名人もハンターになって募集呼びかけをしているらしい。以前はもっと硬派な感じだったけど雰囲気が変わって生きている印象だ。そうでもしないと人が集まらないのだろう。

それだけ大変な状況になりつつあるのかもしれない。

ハンター協会ビルの中には確かにアイドルっぽい女性もいて驚く。以前とは違うにぎやかな雰囲気。そんなことを考えながら歩いていると——うるさい奴がやってきた。

「おいレン! なんでお前がこんなところにいるんだ!」

……ああ、いたね。こんな奴も。この声はひさしぶりだ。

「えっと……みやけ、だっけ? ちょっと呼び出しがあってな、先を急いでいるんだ」

「違うわ、 御影(みかげ) だ!!」

怒鳴るように訂正された。ああ、そうだった。あまりにも久し振りで間違ってしまった。申し訳ない。

「司くん、こんなところで騒いでないでアイドル護衛に戻らないと。今回の撮影ではダンジョン外でも一緒だからね」

紗月が呆れ顔で言っている。そして、俺たちのことを見て少しびっくりしているようにも見える。

紗月は相変わらず御影と一緒にいるらしいな。まあ俺には関係ないから、もうどうでもいいけどね。このコンビで仲良くやってくれたらいいだろう。ぱっと見た感じでは、どうやら暴走する御影を紗月が止めているような印象だな。

「くそっ、ふざけんな! お前、俺のこともう忘れたのか!? 俺はいま“アイドルの護衛”で忙しいんだ! うらやましいだろう、テレビにも出演したんだぞ!」

「ああ、頑張ってね」

どうでもいい。軽く返して立ち去ろうとしたら、再び背中に怒鳴り声が飛んできた。

「くそっ、無視しやがって! またルナと組んでんのか! しかもたくさんの女と一緒に居やがって」

「そうだレン、お前は今レベルいくつだ!」

——めんどくさい。

「この前レベル5になったよ」

「なんだと!? とうとう俺に追いつきやがったか……! だがすぐ突き放してやるからな! お前なんかには負けないぞ!」

本当に騒がしい奴だな。まあ勝手に言っていればいい。本当に、何なんだろうなあいつは。面倒だからできれば張り合わないでほしい。

俺はため息をひとつ吐いて、みんなと共にエレベーターに乗った。

「あいつは相変わらずうるさいな、レンはライバル認定でもされているのか?」とルナが笑いながら言う。

「俺も知らないよ。あれは何なんだろうな。会うと、何故か突っかかってくるから面倒なだけだ。できれば無視して欲しいんだけどな」

「こちらが相手しなくても、話かけてくるのはどうしようもないね」とひよりも笑い、呆れている。

その後は上階で降りて朝倉さんのオフィスに向かった。

ドアを開けると、そこには約束通りエリナさん、黒澤さん、透子さんの姿があった。いつもの定期報告のメンバーに加えて黒澤さんも一緒という形だ。

三人とも、いつもより表情が硬いような気がする。透子さんもやや落ち着かない様子だ。

——嫌な予感しかしない。

ダンジョンに何か新しい進展があったのだろうか?それとも、もっと別の問題なのか?何かがあるのは間違いないだろう。

緊張が走る中、俺は席に着き、静かに話の始まりを待った。