軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第252話「特殊部隊の中身」

#第252話「特殊部隊の中身」

レンたちがダンジョンの氾濫において、適宜対応することはすでに決まっている。それは本人たちにも確認が取れている。

しかしながら実際に運用するとなると様々な問題があることは容易に想像できた。特に自衛隊を海外に派遣した現場の話を聞いた大泉としては彼らの運用について様々なケースを想定する必要があると感じていた。

そして、どうしても特殊部隊の設置が必要という結論に達した。会議に出席した5人全員がその点については同意した。もちろんレンの確認を取ってからの話にはなるが。

また、その詳細についての説明が続いた。

大泉が再び説明を開始した。

「特殊部隊は立川駐屯地に常駐させる予定です。そこならばレン君たちが常駐していると言われている恩方ダンジョンや陣馬高原ダンジョンにも近い。そこからヘリで日本全国、4時間以内の出動を想定しています。もちろん、関東圏ぐらいであれば車移動の方が早いので状況に応じてという話になります」

「モンスターを討伐する現地では、他の自衛隊部隊からできるだけ距離を置く配置にさせます。現地の自衛隊員にも、レン君たちの“存在そのもの”を知られないようにする運用です」

「メディア規制も必要では?」

黒澤が言及した。

「はい。それも想定しています。メディアが出てくるのを確認したら特殊部隊が撮影機器を取り上げます。また、スマホ通信を遮断する電波障害装置なども特殊部隊は使う想定です」

「自衛隊がメディから撮影機器を取り上げたら問題ではないの?」とエリナが質問した。

「そこは特殊部隊なので……自衛隊とは別の特別な服装をさせます。まあ見る人間が見れば自衛隊と分かるかもしれませんがそこはごまかします」

「なるほどね。確かにメディア対応も考えたら特殊部隊がいた方がいいわね」とエリナは納得した。

特殊部隊はレンたちの移動を補助するだけでなく、現地自衛隊との折衝、更にはメディア対応もするということでその任務は多岐に渡る。そう考えると10人では足りないかもしれないが増やし過ぎると秘密保持の問題が出てくるので難しいところだ。

しばしの沈黙の後、再び大泉が続けた。

「まず派遣時には隊長と副隊長の2人が、常にレン君に同行する予定です。そしてこの2人が戦う使役モンスターへの指示を出してもらう。もしくはレン君経由で支持を出してもらう形を想定しています。更に護衛にもなってもらいます」

「すなわち使役モンスターが戦っている間に、レン君の護衛兼指示出しするのがこの2人ということ?」とエリナが質問。

「そうか。使役モンスターが戦っている間はレンたちの防御の問題もあるな。防御に使役モンスター1人かけるのはもったいないと思っていたが……自衛隊の人間が常に付いているならば不要だろう」と黒澤が言及した。

「その他に情報分析官を2人ないし3人配置予定です。電波をできるだけ傍受し不審な連絡がないかの確認、また現場付近の監視カメラ映像などをできるだけ瞬時に集めて付近にメディアなどがいないか確認、更にドローンを飛ばしての現場周辺チェックなどもします」

「その人達はレン君たちが世間にばれないように徹底する人達ね」と高泉が言及。

「そういうことになります。情報分析官は各種情報を集めて適宜、隊長に情報を上げるという形になります」

「そして残りの5人程度は実行部隊です。メディアなどがいれば妨害活動、スマホなどが使えないようにする妨害電波発生装置の運用。他にもレン君たちが討伐できなかったモンスターの討伐などを担当します。本当はもっとたくさん人員を割きたいところですが秘密保持を考えての人数です。どうしても足りないという話になれば追加も検討する必要があるでしょう」

現場を見てきた大泉防衛大臣の意見は確かだろう。レンたちの運用をするには特殊部隊の設置は必須と言えた。

しかし本当にそれでいいのか?という考えもあり沈黙が続いた。

高泉首相が小さく息を吐く。

「……レン君たちに協力を求めるしかないわね。本人たちの了承は必要不可欠」

「仕方がないわね。レンの力を借りるならば自衛隊の協力も必須ね。後は本人次第。本人が問題ないと判断してくれれば、その方向で行くしかないと思うわ」

エリナが苦笑を浮かべる。

「秘密を守る人間は増えるが状況を考えれば仕方ないだろうな。世界ではダンジョンの氾濫が日に日に増えている。日本もいずれそうなる。レン君たちに早めの確認が必要だろう」

朝倉も同意を示した。

「特殊部隊の10名はレン君たちの能力を把握した上で最少限の運用にする予定です。とは言え、次のダンジョンの氾濫には同行させたい。やはり何度か運用して問題があれば修正していく必要がある。なのでレン君たちの確認を早めに取ってもらいたい」と大泉。

「分かりました。レン君たちを交えた会議をします」と朝倉が答えた。

こうして、新たな極秘部隊が動き出すことがほぼ確定的となった。もちろんレンたちの同意は必要な話ではあるがエリナも黒澤も正義感の強いレンならば断らないと考えていた。