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作品タイトル不明

第251話「秘密会議――特殊部隊創設へ」

#第251話「秘密会議――特殊部隊創設へ」

政府や防衛庁で開かれるダンジョン関連の会議はここ最近さらに増えていた。

A国から派遣要請があれば原則派遣は決定的。

しかし、どの国にどの規模で派遣できるのか、そして自衛隊側に本当に余力があるか――それらを慎重に検討せざるを得ない場面が続いていた。

そして今日はそれらとは全く違うダンジョン関連の会議。

人数が絞られた“極秘会議”が開かれた。

会議室に姿を見せたのは、高泉首相、大泉防衛大臣、ハンター協会の朝倉、黒澤、そしてエリナ。

レンの秘密を知る、たった五人だけの会議だった。

切り出したのは防衛大臣の大泉だった。

「……モンスターの氾濫を抑える現場は、想像以上に厳しい状況です。やはり三階層のモンスターは強い。通常のライフルでは抑えることは困難で最低でも重機関銃が必要。状況によっては対戦車ミサイルで対応しています」

「また海外派遣では、相手国軍との協調が難しい。向こうはダンジョンの“本当の危険度”を理解していないケースもある。無茶な指示を出され、同士討ちの危険すらありました」

朝倉も深く頷いた。

「どこの国も余裕がないですよね。そして他国に行けば軍関連で日本が主導権を握るのは現実的に難しいでしょうね」

高泉は続けた。

「そこでレン君たちを頼った場合も想定しました。日本国内とは言え彼らを派遣した場合も同じ問題が起きる可能性がある。単独で討伐するケースだけならばいいが、他の自衛隊と協力するケースも出てくる可能性がある」

その言葉に、室内の空気が重くなった。

レンの存在は様々な均衡を揺らす可能性があった。だからこそ、慎重な運用が必要だった。

となると自衛隊との協力は避けたいところではあるが、現実には避けたままで運用するのは難しい。とてもではないが現地の自衛隊に動くなとは言えない。ダンジョンが氾濫したら真っ先にかけつける部隊になるはずだ。

しかしその現地部隊で足りないケースなどはどうしてもレンたちとの協力が必要になってくるだろう。しかしどうやって協力する?

「……で検討した結果として1つの案を紹介します」

高泉がモニターに映し出した。そこには特殊部隊の設置案が出ていた。同時に極秘資料も配布。

「“ダンジョン対応極秘任務部隊”――10名規模の特殊部隊を新設する案です」

「特殊部隊……?」

高泉首相が資料をめくった。高泉自身も初めて知った内容だ。

「ええ。レン君たちと一緒に同行してもらう予定です。ただし彼らはレン君たちと一緒に戦うというわけではありません。主な任務は彼らのヘリ輸送・他の自衛隊との調整・隠密支援・緊急時の護衛・情報操作などが主な役割です」

「レンたちの補助的な役割をするということね」とエリナが言及した。

高泉が頷いた。

「そうです。なので、レンたちの特殊性は、彼らにも共有する必要があります。そうしないと現場で混乱が起きます」

「でも、情報を知る人間が増えるのは問題では?」と再びエリナが言及した。

エリナの指摘はもっともだ。これまでは情報をできるだけ規制しようという話だったはずだ。それがいきなり10人以上増えることになる。

秘密保持の考え方からすれば愚策である。しかしながら様々な事情があった。

やはり現場を見ている人間からすれば、秘密保持したままで単純にレンを現場に派遣するというだけの現状の方針だけでは無理がありすぎた。

大泉が続けた。

「だが、現状ではどうしても必要でしょう。まずは派遣するにしてもスピードが大事だ、これは最優先と言っていい。それを考えると彼らを現場に向かわせるのにヘリ輸送が必須。日本全国4時間以内での輸送を目指したい」

「また、現地の自衛隊と協力する必要が出てくる可能性がある。そうなると、現地で調整ができる人間も必要だ」

確かに移動スピードは最重要だ。日本のどこでダンジョンの氾濫があるか分からない。現地の自衛隊がまずは対応するとして、そのすぐ後にはレンが到着する形にしたい。そして必要に応じてレンたちが出動するという形だ。

そうなると現地での調整も特殊部隊に任せるしかない。そこで討伐範囲などの調整や確認をする。

レンがそれをするのは不可能。現地のトップと同じぐらいの権限を持つ人間が調整する必要がある。

大泉が更に続けた。

「他にも事情がある。例えば密かに撮影をするような人間が出てくる可能性がある。そういった人間は即座に見つけて撮影機器を押収する必要がある」

「なるほどね。戦闘シーンなどを撮影されたら秘密どころではないわね。適切な運用を考えたら。レンたちに協力する特殊部隊は必須ね」

エリナも同意した。

「仕方ないな。確かに適切な運用を考えたらレンたち8人だけではどうにもならんな。特に移動スピードは致命的だ。特に離島とかだったら飛行機や船を待っている間に大変なことになる」

と黒澤も同意した。

本当はレンたちの秘密は守りたい。だから秘密を知る人間は増やしたくない。

しかしダンジョン氾濫を考えてレンたちを運用するということになれば単純ではない。前もって様々な準備が必要と考えられた。

そして様々なシミュレーションをした結果、特殊部隊の設置は当然と言えた。とりあえず、その場にいる全員の考えが一致した。

会議では次にどのような人員を想定しているかの話に移った。