作品タイトル不明
第220話「ミーティングと食事会」
#第220話「ミーティングと食事会」
エリナさんのアドバイスが終わった後、俺たちはそのままミーティングを行った。やはり今の最大の課題は――まだ五階層に慣れていない、これに尽きるかな。他にもいろいろあるけどまずはそこが最重要課題と言えるだろう。
オークはもちろんのこと、その他の雑魚敵をどうやって効率的に倒していくのか?微調整していくしかない。
もちろん慣れだけでどうにかなる世界ではない。だが、最初の一歩としては慣れが何よりも大事だ。
他にも、それぞれに課題はあったが……俺の一番の課題は攻撃の正確性だと思う。
オークの弱点を的確に突けば大きなダメージを与えられるしヘイトも稼げる。だから弱点攻撃はかなり有効なのだ。
でも、俺の場合は、その部分がまだうまく言っていない。正確性を意識しすぎて当てるだけになることが多い、すなわち当たっても威力が大きく落ちてしまう。
これでは弱点を狙っても意味がない。ダメージもほとんど与えることができない。
正確性だけでなく威力も必要、しっかり両立させる必要がある。俺は不器用だからいまだに両立できていない。これは反復練習しかないだろう。
攻撃の選択も重要だ。
真正面からの真向斬りは威力が乗るがリスクが大きいため、基本的には封印したままだ。もちろん最後のトドメぐらいには使っているけどね。
基本的な攻撃の主軸は半身からの袈裟斬りや逆袈裟、それらを繋げた連続技が中心となっている。半身にすることで飛躍的に安全性が高まる、そして連続技にもつなげやすいからだ。
その瞬時の判断が大事だ。普通の袈裟斬りの連撃がいいのか?それとも逆袈裟を組み合わせた方がいいのか?効率と安全性を考え、更には敵の強さを瞬時に見極めての選択が必要になる。
また、その技の選択だけでなく微調整も必要だ。
うまく技を選択して倒せたと思っても、現実には倒せてない場合がしばしばあるし逆に力を入れすぎているケースもある。
技の選択、そしてこの微調整までうまくできれば効率は飛躍的に上がることだろう。
その辺り、俺たちは各自が感じた弱点や問題点などを出し合い、一人ひとりの課題を書き出していった。
そして俺は自分ではまったく気がついていなかったが――
どうやら癖があるらしい。
「レンの攻撃は正直すぎるな。目線と上半身の動きでほぼ次の攻撃が分かる。これは将来的には改善しないと駄目だな」
とルナが指摘してきた。
ルナによると今の相手モンスターは知能が低いから問題ない。
しかし上の階層に行けば、その癖が命取りにもなりかねないとのことだった。
なんとも高度な話だが今は頭にとどめておく程度でいいとのこと。五階層に慣れたら少しずつ改善していけば大丈夫と言われてほっとした。
改善点が多すぎるとさすがに心が折れる。
そして常に次を考えてくれる存在がいるのはありがたい。そう言えばこれまでもそうだった。常に少し先のことも考えてアドバイスをしてくれる。そして訓練メニューを考えてくれる。ルナがいるからこそ、ここまで早く上達できたのだろう。本当に助かっている。
ミーティングを終えた後は――
全員で食事タイムとなった。
俺たちが住む方の部屋に移動し、例によってひよりとロアがメインで料理を担当。
ルフとクーも横で手伝っている。
今回はこれまでになく大所帯。エリナさん、透子さんも加わり10人。そして俺の弟と妹の樹と葵もいるから全員で12人。
なんとも賑やかな食卓だ。
部屋に入って少しくつろいだ後、樹と葵が突然、驚いた声を上げた。
「レン兄! その人、エリナさんじゃないの!? 超有名人の!」
「ああ、そうだよ。ハンターの大先輩だな。そう言えば初めましてになるか。エリナさん、紹介します。こっちが弟の樹、そしてこっちが妹の葵です」
「「初めまして、エリナさん……」」
2人共に有名人と会うということで緊張しているようだな。そこで思い出した。
――そういえば、このマンションがエリナさん所有だという話を、2人にはしていなかった。まあ別に今ではなく後から詳しく教えたらいいか。
「レン兄、いつの間にそんな人脈を……ルナさんだけでなくエリナさんまで知り合いとか凄いよ。もしかしてレン兄は本当に凄いハンターなの?」
と驚く樹。
「そうよ。あなたのお兄さんは凄いハンターよ。尊敬してもいいと思うわよ」
と返してくれた。エレナさんからそう言われるとちょっと照れる。多少“盛っている”感じはあったが、兄としての威厳を守ってくれているようで嬉しい。
尊敬される兄っていい響きだよな。
「ほらほら、樹、尊敬していいんだぞ。凄い兄だと言ってもいいんだぞ」と頭を撫でたのだが、
「もう、レン兄、うざい!」
そう言われて樹には逃げられてしまった。それを見てみんなが笑う。くそっ、まだ尊敬される兄は遠いか。まだまだ頑張る必要がありそうだな。
そうやって楽しい食事を終え、解散した。
まだ五階層は始まったばかりだ。明日からもまた五階層に挑む日々が始まる。とにかくも五階層に慣れてスピードアップする必要がある。
まだまだ強くならないといけない。現時点ではレベル6はまだまだ先で遠い。かなりの努力が必要だ。
みんなで頑張っていこう。