軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第211話「仲間の覚悟」

#第211話「仲間の覚悟」

朝倉さんとの定期報告ではいつもの報告だけでなく今後の方針の確認をした。今回は情報量が多すぎて、正直まだ頭の整理が追いついていない。本当にとんでもない話ばかりだった。

「俺たちが日本の切り札、か……」

俺がぽつりとこぼすと、ルナが肩をすくめた。

「まあ、そうだな。現状を見る限り、仕方がないと考えるしかないだろう。レンの使役モンスターが頼りという状況であることは間違いない」

「うん。私もそう思うよ。今の状況じゃもう仕方ないよね。覚悟を決めるしかないと思うわ」

ひよりも静かに頷いた。

その言い方が逆に申し訳なく感じてしまい、俺は思わず口にした。

「……なんか二人を巻き込んでしまったみたいでさ。本当に悪いと思う」

ルナはため息まじりに言う。

「何言ってるんだレン。仲間なんだから当然だろう。そもそも私がレンを鍛えたんだ。責任の一端はむしろ私にある」

「そうだよ。レンはもうちょっと私たちを信用した方がいいと思う。私たちは自分の意思でレンと一緒にいるんだよ。嫌だったらすでに逃げ出しているよ」

ひよりも微笑みながら言う。

そのまっすぐな言葉に胸が熱くなった。どうやらしっかりと覚悟ができていないのは自分だけだったのかもしれない。やっぱり女性は強いな。いやこの2人が強いのか。

「……そうか。わかったよ。そういう考え方はやめる。これからもよろしく頼む」

「私たちも頑張りますので!」

横からラムが元気よく加わってきた。ラムだけでなくリン、ロア、ルフも気合が入っているようだ。本当に俺は仲間に恵まれている。

俺には信頼できる仲間がいる、そう思うとなんだか心が軽くなった。しっかりと前を向いて考えていこう。

「そうだな。ならば、まずは全員の変装から考えないとな。更にはいくつかパターンを作っておく必要がある。戦闘時だけ変装すればいいというのは、さすがに想定が甘すぎたよ」

ルナが続ける。

「そうだな。そして次の目標はクーのレベル5到達。そして早急に全員でレベル6を目指そう。やはり私たちが全員で強くなることが一番大切だ」

「やっぱりそうなるよな。まだ五階層は試してないけど、レベル6への道のりがこれまで以上に険しいのは間違いないだろうし。レベル上げの体制作りや計画作りも急務だな」

現実にはまだ五階層には足を踏み入れていない。だからレベル6への道がどれだけ大変なのかは今のところはほとんど何も分からない。

でもそれが現時点では一番大事なことだろう。困難はあるかもしれないけどチャレンジをし続けることが必要だ。これまで通りコツコツ頑張るしかない。

その後は軽く買い物をしてマンションに戻った。

時間的に変装用スウェットなどを買う余裕はさすがになかったので、次のクーのレベルアップ後にまとめて買う予定だ。その方が効率がいいだろう。

帰宅するとまた例の紹介タイムになる。新しくルフが加わったからね。この紹介タイムはどうしてもやや緊張する。

気持ちを引き締めて弟の樹、妹の葵にルフを紹介した。

「樹、葵、新しい知り合いを紹介する。こちらはルフさんだ。やはり俺のハンター仲間になる。隣でラム、リン、ロアと一緒に住むことになる。これから会うことも多くなると思うぞ」

「レンさんの弟さんと妹さんね、宜しくね」とルフが軽く微笑む。

「「はい。宜しくお願いします」」と樹と葵が元気に答える。

と普通に挨拶を終えた。さすがに四人目ともなると慣れたかな?今回は大丈夫だったなと思っていたのだが……。

「……また女性?」という樹の声がぽつりと聞こえた。

うう、それを言われるとつらい。仕方ないじゃん。使役モンスターは女性ばっかりなんだから。俺が悪いんじゃない……よね?

そうだそうだ、先手を打つために言っておこう。

「あともう一人の女性が来る予定だ。おそらく半月以内ぐらいに来ることになるからそのつもりでいて欲しい」

「また女性なの? なんでレン兄のハンター仲間は女性ばかりなの? ハンターって女性の方が少ないのよね」と葵。

「そう言われても何とも言えない。たまたまそうなっているだけだからな。でも次の女性で全員の予定だから、その後はないと思うぞ」

なんとなく弟と妹からジト目で見られているような気もするが本当にこればっかりはどうしようもないんだ。許して欲しい。

その後は使役モンスターが住む部屋に移りルフにいろいろと説明した。新入りのルフは部屋を一通り見渡した後でネットも使った。そして大興奮。

「これがネットというものなのですね! 話には聞いていましたがこれは本当に凄い。これさえあれば何でも調べられますわね」

ラム、リン、ロアはすでに何度もネットを使って慣れており、使い方を丁寧にレクチャーしている。

みんなでわいわいがやがやとこの世界の様々な情報に触れている。

使役モンスター同士で本当に仲が良さそうだ。そうやって、この世界を少しずつ学んでくれると嬉しい。

その後は、ひよりとロアが夕食を作ってくれた。

テーブルに広がる温かい料理、和気あいあいとした会話。

――こんな穏やかな時間が、いつまでも続けばいいのにな。

そんなことを思いながら、俺は静かに箸を進めた。