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作品タイトル不明

第210話「ばれないための今後の対応策」

#第210話「ばれないための今後の対応策」

リンが陣馬高原から氾濫したモンスターを討伐する映像をごまかすために政府が情報操作までしてくれていると聞いてびっくりした。

しかしながら、今は誰でもスマホで動画撮影できる時代だ。完全に誰にも見られない形での討伐というのはさすがに無理。

情報操作ぐらいやらないとすぐにばれるだろう。一応は対策したつもりだったが俺たちの想定は少し甘かったようだ。

朝倉さんからは更にいくつかの情報と対策について話が出てきた。

「それと、現地の監視カメラで変装の着替えのために君たちがトイレに入った時の映像もあったが……それはこちらで削除しておいた」

朝倉さんはさらりと言うが監視カメラの映像を勝手に消すとか警察トップの話では?

――政府、本気で俺たちを守ろうとしてくれているようだ。

「だから変装する時にはできるだけ早く私に知らせて欲しい。そうすればすぐに周辺の防犯カメラ映像を削除するなり操作するなりできる」

「分かりました。変装をする時にはその場所をできるだけ早く連絡させていただきます」

そりゃそうだよな。俺たちがいくら隠れて変装すると言ってもどうしても無理がある。トイレで着替えるにしてもその前後で周辺の防犯カメラに映っていたらすぐにばれる。この辺りは俺達ではどうにもならない。ここは政府に対応してもらうしかないだろう。

「あとは君たちにも“変装”を強化してほしい」

続く提案は俺たちの危機管理に関するものだった。

「まず使役モンスターだけ変装しても意味がない。レン君、ひより君、ルナ君も使役モンスターと一緒に行動するならば一緒に変装しなければまずい」

「分かりました。それは盲点でした。変装について戦闘時しか考えてなかったです」

確かにそうだよな。使役モンスターは戦闘時だけ目立つわけじゃない。

戦闘などをおっかける人間は当然のことながら、戦闘後にも注目するだろう。使役モンスターが俺たちの元に戻ってきて一緒に行動すれば、そこから正体がバレてしまう。撮影されてSNSに上げられたらすぐに特定されるからな。

常に使役モンスターと一緒に行動する以上は俺たちも何らかの変装をしないとまずい。

そうしないと何のための戦闘時の変装か分からないよな。使役モンスターを変装させるときは俺たちも変装が必要ということは覚えておこう。

「あとは変装パターンも複数用意してほしい。同じ格好ばかりでは特定されるリスクが高いからね。事前に教えてもらえれば、こちらも“流行づくり”などで偽装を支援できる」

……さすが政府、やることや考え方が徹底しているな。

確かに1つのパターンだけではばれる可能性は高くなる。いくつかパターンを作っておけばばれる可能性は低くなるはずだ。

「もちろん、それ以外にもバレないような工夫は必要だ。戦闘前後は細心の注意を払って欲しい。例えば知り合いと一緒に行動している時などは危険だな。バレる可能性が高くなる」

「分かりました。できるだけ注意します」

そうだ。一番気を付けるべきなのは俺たち自身の行動だろうな。気を抜けば一瞬でバレる。変装した後でも知り合いが近くにいればバレる可能性がある。それは避けたいところだ。

この辺り様々なケースを想定して予めシミュレーションした方が良さそうだ。

続いて、全国的にダンジョンの1~3階層の常時監視が正式に決まったという話に移った。ただし常時監視は厳しいようで一部ダンジョンは夜間だけだという話だ。

「以前、君たちにダンジョン三階層の常時監視を手伝ってもらう案を伝えさせてもらったが……それは正式に無くなったと考えて欲しい」

「え? 要請があれば受けますが?」

「その理由は簡単だ。君たちには――ひたすらレベルアップに専念してほしい。首相も大臣も君たちのレベルアップが防衛の要と考えている。三階層の常時監視は他の人間でもできるが氾濫したモンスターを倒すのは君たちしかできない」

なるほど、今はまだダンジョンの一階層~三階層の氾濫しか起きていない。

しかしいつ四階層、五階層、あるいはもっと深層のモンスターが地上に出るか分からない。

これまでは一階層~三階層のモンスターを定期的に討伐すればダンジョンの氾濫は起きないというのが定説だった。その定説が崩れた以上、更なる変化が起きても何ら不思議でもない。それにできるだけ備えるのは必要だろう。

三階層の監視の代わりはそれなりにいるけど、ダンジョンの外で戦える使役モンスターの代わりはいないから俺たちがレベルアップに専念するのは当然のことと言える。

モンスターの氾濫時に俺たちが動けなければ大量の被害が出る可能性がある。朝倉さんの判断は合理的だ。

「……分かりました。全力でレベルアップを進めます。三階層の監視の話はひとまず忘れます」

「ああ、そうしてくれ。できるだけ早いレベルアップを期待する。しかし矛盾するようだが、絶対に無理はしないでほしい。君たちが戦力ダウンするようだと、それはとてつもなく痛い」

「それは今まで通りとします。安全マージンを確保しつつレベルアップを目指します」

「ああ、そうして欲しい」

これで俺たちのやることはほぼ決まったな。まずは、いくつかの変装パターンの考案、そして俺たちも変装する必要があるからその服装も考えよう。

そして安全マージンを考えながらのレベルアップは急務、最優先だ。

――俺たちの責任は重い。

でも、それだけ期待されているということでもある。今できる最大の貢献をやっていこう。