作品タイトル不明
第160話「ルナのレベルアップと宝箱」
#第160話「ルナのレベルアップと宝箱」
俺たちは4人1組で2組に分かれて、恩方ダンジョン4階層の討伐を進めていた。
すでに3人でも討伐できた階層だ。慣れてくると4人編成では余裕すら感じる。いい感じだ。
今日は俺、リン、ひより、ロアの4人編成。
最大の15体が出てきても余裕だ。
慣れている俺とリンがそれぞれ5体ずつを担当し、ひよりとロアが残りの5体を担当する。それぞれに1体ずつクイックウルフがいるのでそれだけは要注意だ。
そして俺が素早くクイックウルフを含めた5体を倒すと、リンが雑魚を討伐した残りのクイックウルフをこちらに回してくる。ありがたい。それを俺が討伐。
更にはひよりとロアが雑魚を倒した後のクイックウルフを回してきた。こちらも簡単に討伐して終了。
最近は本当に余裕だ。相手によってどう動くか決めているので動きにも無駄がない。どんどん敵を見つけては討伐するという繰り返しになっている。
そして、そのおかげで経験値の貯まりがすさまじい。
今はトドメを刺す役割が俺ということで少し申し訳ない気もするが、俺が早くレベルアップして引率側に回った方が全体の効率は上がる。
それが今のチーム方針だ。だから、とにかく早くレベルアップできるように頑張っていこう。
その日も俺たちの組だけでも500体ぐらいは倒した。
2組で合計1000体近い討伐になる。最初は100体も倒せれば御の字だったのに凄いことだ。
1組500体のうち100体がクイックウルフ。その100体の討伐をほぼ1人に集中させるから1か月で3000体。このペースなら、俺も2か月もすればレベルアップできそうだ。
レベル5――思ったよりも早い。新しい世界がすぐそこにある。どんな感じなのだろう。今からワクワクする。
そうしてその日も討伐を終え、ルナたちと合流した。
彼女の顔が嬉しそうな顔をしているのですぐに分かった。
「ルナ、もしかして……?」
「ああ、レベル5になったよ」
そう言って笑う彼女の姿を見ると俺も嬉しくなってくる。ルナがレベル5一番のりだ。
とは言ってもルナはソロで4階層を討伐できるんだよな。現実には俺たちに合わせてくれているだけだ。ルナなら単独でレベル5になれるだけに付き合わせてちょっと申し訳ない。
「ルナがレベル5になったなら、もう単独でも5階層に行けるんじゃないのか?」と俺が言うと、
ルナは首を横に振った。
「今はまだだな。まずは全員のレベル5を目指そう。もちろん、ソロでの5階層も楽しみたいから次の休みの時に行くけどな」
そう言って笑う。やっぱりルナは戦闘狂だ。休みの日は休めばいいだろうに。まあいいか。俺もきっとレベル5になったらいろいろ試してみたくなってうずうずするだろうし。人のことは言えない。
それから数日、討伐を続けていると久しぶりに宝箱から何かが出た。
中身は靴――いわゆる武具3種類(武器、防具、ブーツ)のうちのブーツの一種だ。
「これは誰が装備する?」
俺が誰が装備するかと聞くと、その場の全員が同時に俺を見た。
「え? なんで俺?」
ロアが胸を張って言う。
「当然、ご主人様の装備だよ! レベルアップを優先する方針だから当然! ご主人様に早く強くなってもらわないとね」
なるほど、そういうことか。確かに方針から言えばそうなるな。ロアの言うことは間違っていない。ちょっと申し訳ないが俺が装備させてもらおう。
俺はそのブーツを装備した。
……軽い。体がふわりと浮いたような感覚がする。ちょっとした違和感。
そして動いてみると、いつもより素早く動ける。ただし分だけ制御が難しい。慣れるまで少し時間がかかりそうだ。
「また一段、強くなったな」とルナが言う。
俺は頷いた。
「まだまだルナは遠いけどな。せっかくレベルだけは追いついていたのにまた遠くなった気分だよ」
「レンもすぐにレベル5だ。すぐに追いつくから心配しなくていいさ」
凄いな。順調だ。よく考えたら1日1000体も討伐していたらその5%で50個ぐらい銅箱が出るんだよな。そう考えると20日ぐらいに1回は宝箱の中身が出る計算になる。
今までロアに渡した武器の剣だけだったけど、もっと出てもおかしくはないんだ。
次は宝箱から何が出るのだろう?装備が出ても、使役モンスターが出ても、財宝でも――基本的には全部“当たり”だよな。嬉しい悲鳴だ。
いや、待てよ。これで使役モンスターが出たらどうしたらいいんだ?さすがに今の方針から考えて育成は厳しいのだが?
でも、まあ出たらその時に考えたらいいか。今はとにかく装備狙いでがんがん宝箱を開けて行こう。全員がフル装備になったらその時に次の方針を考えてもいいだろう。
今後は俺、ラム、リンと次々とレベルアップしていく。更には宝箱からブーツなども出てくる。もしかしたら更に使役モンスターも出てくるかもしれない。何が起きても基本的には強くなる方向だ。
次に何が起きるのか?そこで予想もしなかったことが起きるかもしれない。それもダンジョンの楽しみの1つだ。
着実に前進していこう。