作品タイトル不明
第159話「次なる方針」
#第159話「次なる方針」
恩方ダンジョンの4階層。
俺たち8人(3人+使役モンスター5体)は、いつもの休憩場所に集まっていた。
そしてルナの提案で“方針会議”を始めた。今後、全体的にどういう形でレベルアップを進めるか、方針を考えようとのことだった。
提案をしたルナが進行役で話が進んだ。
「これから誰を中心に経験値を集めるか――全体の方針を整理しておきたい。これまでは4階層に慣れることを中心に考えていたから特に優先順位は付けていなかったが今後は方針を作って、その方針に従って討伐を進めた方がいいだろう」
確かにその通りだ。適当に進めるよりは何らかの方針や目標を作って動いた方がはるかに効率が良くなるだろう。やる気にも繋がる。
そこで、俺は最初に意見を出した。
「まだ経験値が少ないひより、ロア、ルフ、クーを中心に討伐を進めて、経験値が同じぐらいになるまで引き上げたらどうだろう」
ひより、ロア、ルフ、クーはレベル4になってまだ日が浅い。まだ経験値も少ないし、ここで底上げした方が全体のバランスも取れるだろうと思ったのだ。
ルナが軽く頷いてから全員を見渡す。
「他に意見はあるか? レンの意見がいいということならばその意見どおりにするか?」
すると、ラムが手を上げた。
「意見を言ってもいいでしょうか?」
「もちろん」
「私は、逆に経験値が高い人を優先して上げるべきだと思います。ルナさん、そして次にご主人様を真っ先にレベル5に上げるべきかと」
俺はちょっとびっくりした。俺とはまったく逆の考え方だった。だが、ルナは興味深そうに笑った。
「なるほどな。知能が高いとは聞いていたがラムは本当に頭がいいな。それも一理あると思う。どちらの方針が良いだろうか? 他にも意見はないか?」
少し間を置いて、ひよりが発言した。
「私はラムの意見に賛成かな。経験値が高い人を先にレベル5にした方がいいと思う。レベル5の人は4階層が余裕になるでしょ。そうすれば残った人を引率しての討伐もできて全体のレベルアップが早くなると思うの」
そう言われてみればそうだ。確かにそれは理にかなっている。平均して経験値を上げていくと当面は誰もレベル5になれない。それでは効率が悪くなってしまうだろう。
どうにも俺は頭が固い。平等にして、なるべくみんな一緒にレベルを上げるのがいいと思っていたがそれは良くない。単純に考えすぎた。もっとしっかりと考える癖を付けないと駄目だ。
俺もラムとひよりの意見に同意した。
「そうだな。申し訳ないが俺の意見は取り下げる。そちらの方が圧倒的に効率が良さそうだ。すでに経験値が高い人間にトドメを担当してもらいレベルを優先的に上げて行こう。そしてレベルが上がったら、その人が引率役になればいい」
ルナも頷き、
「他に意見はないかな?」
「では、特に意見が無いならばそれを基本路線にしようか」
今度はリンが口を開いた。
「基本的には賛成ですです。ただし、その前に4人ずつに分かれての討伐に慣れた方がいいと思うです。それぞれルナさんとご主人様がリーダーになって2人に経験値を優先する形にするといいと思うです」
確かにそうだ。今は8人で討伐をすることが多いがこれは凄く効率が悪く、もったいない。
以前は俺とラムとリンの3人(1人+2体)でやっていたのだから、とりあえず4人1組にしても問題はないはずだ。もちろん慣れは必要だけど大きな問題は起こらないだろう。
最終的にはもっと少ない人数での討伐ができればいい。レベル5の人間が出てくればそれも恐らくは可能。
レベル5が1人いればレベル5が1人とレベル4の1人の2人1組でもいけそうな気がする。そうすれば経験値も早く貯まる。
もちろん、いきなり2人1組となると危険も伴う。一気に少人数に変更するのではなく少しずつ慣れていく必要がある。
ルナがまとめに入った。
「ならばそうするか。当面は私とレンがリーダーになり2組に分かれて4人ずつで討伐、グループの中で経験値の多い者を優先しトドメ役に。そうしてレベル5になるものが出たら状況を見て、徐々に3人1組や2人1組へ移行し効率アップを図ろう。もちろん安全最優先で」
全員が頷いた。方針を定めるというのはやはり大切だな。やるべきことがはっきりする。それに向かって今できることを頑張るだけだ。ちょっと楽しくなってきた。
ルナはすでに4階層での討伐を始めてからかなり長い。レベル5の目前だったはず。となると、すぐにレベル5になるだろう。その後に俺、ラム、リンが続く。そこから先は、引率による更なる加速が始まる。
「よし、これで決まりだな。レベル5目指して頑張っていこう! みんなで強くなっていこう!」
――こうして、俺たちは新しい方針のもとで動き出すことになった。
経験値が高いものを優先的にレベルを上げ、そこから目指すは全員のレベル5だ。それをできるだけ効率的に早く達成する。
そしてみんながレベル5になったら5階層にもチャレンジしていこう。