軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第七十七話 奇襲(前編)

作戦のゴールはシンプルだ。

——俺を国王フリードリヒの前まで連れて行く。

「反断罪戦線」の冒険者たちは強いが、質と数と地の利を考えると、 王国騎士団(ロイヤル・ナイツ) や宮廷魔導士を殲滅し、武力革命まで起こすのは現実的ではない。それに、俺たちは人を殺したくない。

だからここは、俺が国王の御前まで行くための道を切り拓いてくれるだけでいい。

俺は横のクローデリアに視線を送る。

「クローデリア様、俺たちは最後まで一緒です」

クローデリアが頷く。

俺たちの最高戦力で、王城の奥まで入ったことのあるクローデリアには、最後までついてきてもらう必要がある。

「あなたたちに加護を与えるわ」

そう言ってエリシアが詠唱を行う。

「 聖女の加護(ディバイン・グレイス) 」

エリシアの 強化(バフ) 魔法の光が、俺たち主力部隊のメンバーを包む。

主力部隊のメンバーは、俺以外に「剣姫」クローデリア、斥候のリネット、重戦士ガルド、神官セシル、魔導士ノクティアで構成されている。

かつて断罪迷宮デスホールに挑んだ馴染みのあるメンバーだが、あのクソ迷宮に比べれば、王城など取るに足らないだろう。

「そこまで長くは保たないので、気をつけてください。ご武運を祈ります」

エリシアが慈愛に満ちた笑顔で言った。

「こりゃすげえ。信じられない力が漲るぞ。聖女様の加護を直接受けられる上に武運まで祈ってもらえるとは何という幸せ」

熊のようなガルドが言う。

他のメンバーも口々にエリシアを讃える。よほど好かれているらしい。

冒険者ギルドにあまりに多くの冒険者が集まってしまうと怪しまれる可能性があるため、主力部隊の俺たち以外は、王都の各所に散らばっている。

「聖女の加護」を受けさせてあげられないのは申し訳ないが仕方ない。

「さあ、時間だ。始めよう」