軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

195話 ざまぁされし者たちの怨念【後編】

ぼくたちはクトゥルーからの攻撃を受けた。

けれどぼくにダメージはなく、代わりにルルイエさんは苦しんでいる。

「何をしたクトゥルー!」

「僕の闇の極大魔法【 深淵誘呼声(アビス・コーリング) 】の効果さ。相手に強烈な幻覚を見せる魔法だよ」

「幻覚……だって……?」

「そうさ。しかしただの幻覚じゃない。本人が最も会いたくないと思っている死者の声を相手にきかせ、精神を汚染させる魔法さぁ……!」

「なんて……卑劣な魔法を……!」

クトゥルーは遙か上空から、余裕の笑みを浮かべて言う。

「今頃ルルのやつ、自分が葬り去ったやつらから叱責でも受けてるんじゃあないかい?」

「葬り去った奴らって……まさか、制裁を加えた……?」

「そのとおり! ルルが一番会いたくないのは、消せない過去の汚点! あいつが君に好かれようと消してきたやつらの恨み言さ!」

地面に倒れているルルイエは、涙を流しながら、何度も謝罪の言葉を繰り返す。

「ま、もっとも本人達の声じゃあないんだけどね。けど、今のルルには効果てきめんだろう?」

「くそ……! 自分の妹に、なんて酷いことをするんだ!」

僕はルルイエさんに、霊王の回帰の力を使おうとする。

「無駄さ。それは霊装、つまり 精霊王(ルル) をまとってないと使えないよぉ……」

そのとおりだ。

今のぼくは、ただの人間。

ルルイエさんのいない状況下で、果たして、勝てるだろうか……。

いや、違う、勝つんだ!

「チッ……その顔。非常にムカつくよ。勝負を諦めてない顔だ」

「当たり前だ。ぼくは負けない……ぼくは諦めない! たとえ生身だろうと、まだぼくは戦える!」

と、そのときだった。

「わたしたちも、戦うわ……エレン!」

ザンッ……! とぼくの周りに、彼女たちが降り立つ。

「アスナさん! ティナ!」

「わらわたちもおるぞ、エレン!」「若様!」

アスナさん達だけじゃなく、ランやカレンといった精霊たちも、現れる。

「あびーもいるの!」

「アビー!」

吸血鬼アビゲイルも、無事だったみたいだ。

「事情は把握したわ。エレン……今は、みんなで戦いましょう」

「ルルイエの魔法は、アタシたちが解いてみせる」

「たち……?」

ザンッ……! とクトゥルーの腕を切り飛ばすものがいた。

「アタシたちもいるっつーことだぜ、ベイビー」

「母さん! それに、ふくろうさんも……!」

ぼくの仲間達が、駆けつけてくれた。

ルルイエさんが倒れている、最悪の状況でも、ぼくには仲間達が居る。

「目障りな人間どもめ……!」

クトゥルーは新しい腕を生やし、忌々しげに、ぼくらを見やる。

「みんな……力を貸して。総力戦だ!」