軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

192話 完全体【中編】

勇者エレンが、クトゥルーのおわす場所へとたどり着いた、一方その頃。

魔竜の背中にて。

「なっ!? なに、この揺れ……!?」

アスナは剣を片手に、周囲を見渡す。

魔竜の体が激しく振動していた。

『アスナ! みんな! そこから降りろ!』

カルラの声が、どこからか聞こえてきた。

「か、カルラ、どうなってるのよこれ!」

ティナが声を張り上げるも、振動が激しすぎて、周りに声が届かない。

だというのに、カルラの声だけは鮮明に聞こえた。

大気中の精霊を経由して、魂に直接、カルラの声を届かせているのだ。

『魔竜が落ちてきてる……!』

「お、落ちてるですってぇ!?」

ティナの叫びを聞いて、邪神イグはニィ……と口の端をつり上げる。

「クトゥルー様! 間に合ったのですねぇ……!」

「どういうことじゃ!」

カレンの問いかけに、イグは勝ち誇った笑みを浮かべる。

「未来神は魔竜の心臓を食らい、竜と同化することで最強の生物へと進化したのです……!」

「魔竜と同化……じゃと……」

「そんな、星をおおうほどの巨大なドラゴンの力を、手に入れたなんて……」

イグはすでに勝ちを確信したように叫ぶ。

「これで世界は未来神様のもの! 震えろ有象無象どもぉ!」

揺れが激しくなり、アスナ達は立っていられなくなる。

「奥方様! 一時撤退を!」

ランが 神狼(フェンリル) へと変化する。

アスナとティナはランの背中に乗って、その場から離れる。