作品タイトル不明
191話 竜の体内の奥深くへ【前編】
ぼくたちは魔竜タルタロスの奥にいる、未来神クトゥルーを倒しに向かっている。
竜の体内、ということで、様々なトラップが仕掛けられていた。
『強酸の海だね』
眼前に広がるのは酸の海。
向こう側に渡るためには、ここを超えないといけない。
「飛んでいけないかな」
『気化した酸で体を溶かされてしまうだろうね』
「でも……問題ない」
僕は霊王の鍵を手にして、酸の海に向かって【 回帰(リバース) 】の力を使う。
酸が体内に分泌される前の状態にまでもどすことで、酸をすべて消し去る。
『なるほど、考えたねエレン』
「いこっか」
僕らは酸のプールの跡地を抜けて、さらに奥へと進んでいく。
『竜と言っても人間や生物とは異なる構造をしているみたいだね。器官は同じだとしても』
「じゃあ心臓部分も、胸の中心にないのかな?」
『そうだね。かすかに感じるあのバカ兄貴の魔力を辿っていくしかない』
「そんな悠長なことしてられるかな」
『大丈夫さ。外には君の仲間達がいるのだから、ね?』
そうだ、今は外のことを彼女たちに任せ、これを終わらせることに注力しないと。
「行こう」
不安はある、けどそんなことずっと気にしてもしょうがない。
今は勇者としての役割をこなすほかないのだ。