作品タイトル不明
190話 駆けつける者たち【後編】
邪神イグの手によって、魔竜は再起動した。
「そんな……アタシたちで魔竜の相手なんて無理よ」
諦めかけるティナだが、アスナは首を振る。
そこへ、魔竜の首が突っ込んでくる。
「ラン、風を!」
「お任せあれ、奥方様!」
フェンリルのランが起こした風を、アスナが剣に纏わせて斬撃を放つ。
つむじ風となって、魔竜の頭を弾き返した。
「魔竜の動きが明らかに鈍い。精霊王の魔力じゃなくて、邪神の魔力で動いているのかもしれないわ」
ティナの分析に、アスナがうなずく。
「みんな、チャンスよ。敵のボスはエレンが必ずたおしてくれる……だから、私たちはそれまで、この竜を削るだけ削るの!」
「「「おう!」」」
たんっ……! と散開し、アスナ達は魔竜に攻撃を加える。
斬撃、魔法、どれもカルラの修行によって強化されている。
精霊達の力もまた同様だ。
魔竜の鱗を、肉を、そぎ落としていく。
『こしゃくな虫どもめぇ!』
イグの命令で魔竜がブレスを放つ。
それをランとカレンが、炎の盾で防いだ。。
衝撃波でバラバラになりそうになりながらも、彼女らは意思の力で耐え忍ぶ。
「若様が、みなさんと過ごすこの星を、食わせないぞ魔竜!」
「エレン達を守るのはこのわしらじゃ! うぉおおお!」
竜のブレスをかき消す。
その隙にアスナとティナが魔竜の眼前まで接近していた。
「せやぁああああああああ!」
ティナがアスナの斬撃を魔法で強化し、一撃を与える。
目をつぶすことに成功する。
「この星は私たちが守る!」
「だから引っ込んでなさい、トカゲのぶんざいで!」
エレンの女達はみな、彼に守られてきた。
だから、今度は自分たちは、エレンのために何かをして返す番。
死力を尽くし、彼女たちは決戦へと挑む。