作品タイトル不明
190話 駆けつける者たち【前編】
エレンが魔竜の腹の中へと侵入した、一方その頃。
「チャンスだ……!」
地上では、外なる神々と、カルラたち勇者軍が戦っていた。
「アスナ、行け……! 魔竜が動きを止めてる! 今のうちに魔竜を殺すんだ!」
カルラは神々の攻撃を捌きつつ、上空の様子をうかがっていた。
おそらくは魔竜の動きを、エレンが止めたのだろう。
であるなら、エレンに加勢して、一気にたたみかけるべきだ。
「け、けどカルラさん。地上は?」
「アタシとだーりんとふくろうに任せろ! ティナとアスナは、ランとカレンに連れてってもらい天上へ向かえ!」
アスナ達は戸惑う。
カルラはいくら強いとは言え、相手の外なる神はカルラに匹敵するレベルの強敵。
「アスナさん! 行ってくださいまし!」
「ふくろうさん……」
「エレン様が作り出した千載一遇のチャンス! ここが攻めどきです!」
しかし、と思いとどまる。
カルラたちがまたピンチになるようなマネは……とそのときだった。
「カルラさーん! 助っ人に来ましたよー!」
守護天使サンダルフォンが、遠くからカルラの元へとやってきた。
「遅くなってすみませぇん!」
「でかした! アスナ、大丈夫だ。援軍が来たぞ!」
「援軍……? って、あなたは!?」
アスナは、サンダルフォンが連れてきた【彼ら】を見て目を丸くする。
「なんで……彼らが……?」
「みな、エレンさんのために、力を貸したいとおっしゃってましたぁ」
【彼ら】はこくり、とうなずく。
「アスナ。行ってくれや。アタシはこの援軍とともに地上を守る」
「…………わかりました」
アスナは、援軍の中に【彼ら】を見た。
「あと、お願いね」
「おう、さっさといけや」
【彼】は、エレンが倒したはずだった。
彼の隣には、【彼女】もいた。
見知った顔が何人もいた。
「ティナ。しっかりね」
「……わかったわ、【姉さん】」
ティナはうなずくと、風の魔法で体を浮かせる。
「アスナ、行くわよ!」
「ええ……!」
ティナに手を引かれて、アスナはラン、カレンとともに、天を目指す。