軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

186話 魔竜の背へ【前編】

回帰(リバース) の力で、ぼくは母さんを助けた。

ぐーぱーと手を開いたり閉じたりしながら、母さんが嬉しそうに言う。

「やるじゃあねえかエレン。え? 立派になったなぁおい」

カルラ母さんがニッと笑って、ぼくの頭をくしゃくしゃとなでる。

「さすがアタシとダーリンの息子だ。誇らしいぜ。なぁ、ダーリン」

アドラ父さんは「ええ、そうですね」と静かに微笑んでいる。

「んだよー、愛しのハニーが復活したって言うのに、リアクションがうすくねーの?」

「子供が居る前で大はしゃぎするほど、私は子供ではないのですよ」

「ハハッ、つまり、めっちゃうれしいってーことだろ?」

「当たり前です」

父さんは微笑んで、ぼくに言う。

「ありがとう、エレン。私の二番目に大事な人を生き返らせてくれて」

「父さん……」

「んだよー、アタシは二番かよー」

「ええ、一番はエレン、君ですからね」

「ま、アタシもそれにゃあ同意見だわな」

……最初、ふたりともに、ぼくはどこか他人のような感じを覚えていた。

物心ついたときには、おじいさんとランしかいなかったから。

最近になって本当の父さんと母さんと出会えたとき、うれしさよりも、戸惑いの方が大きかったんだ。

けど……今は、ふたりと一緒に居ると、とても嬉しいんだ。

無条件で、幸せな気分になれる。

これが……家族なんだなぁ。

「さてっと。エレン。おめーには最後の仕事がある。わかってんな?」

「うん。あれを倒すことでしょ?」

この星を覆うほどの、巨大な魔竜タルタロス。

ぼくはこいつと、未来神クトゥルーを倒す。

それが、勇者であるぼくの使命。

「クトゥルーのバカのことだ。おめーに嫌がらせしようと、地上に神々をまいて、魔竜に接近させないつもりだろうよ。けど……気にすんな」

バシッ、と母さんがぼくの背中を叩く。

「雑魚はアタシらに任せて、美味しいところは全部もっていきな、エレン!」

ぼくはうなずいて、ふわりと飛び上がる。

「エレン、しっかりね!」「若様ー! ふぁいとー!」「がんばるんじゃぞエレン!」

地上で、みんなが応援してくれる。

「エレン」

「アスナさん」

彼女はぼくを見上げて、にこりと微笑む。

「待ってるわ。必ず帰ってきてね」

「うん! いってきます!」

ぼくはルルイエさんとともに、魔竜のもとへと向かうのだった。