作品タイトル不明
184話 完全なる霊王形態【中編】
ぼくは一度、霊装を解く。
ルルイエさんが隣に立つ。
「エレン、これが最後だ。死力を尽くそう」
「そうだね、ルルイエさん」
きゅっ、とぼくらは手をつなぐ。
「……ごめんね。僕は、色んな人に、色々迷惑をかけた。君たちにも。ごめんね」
ルルイエさんはカレン、そしてランに頭を下げる。
娘(カレン) は、首を振る。
「母上。もう良いのです。過ぎたことです」
「カレン……」
「貴女が昔からちょっとアレなのは、よくわかってましたし」
苦笑するカレンに、同調するように、ランがうなずく。
「好きな人のために暴走してしまうのはよくわかります」
「犬っころ……」
「犬ではありません! わたしは神狼! 若様の相棒でございます!」
ぼくはランのことを抱きしめる。
「ルルイエさんを許してあげて」
「仕方ないなぁ~♡ 若様がそーゆーなら許してあげますよぅ~♡」
「「ちょろっ!」」
精霊の皆が許してくれた。
ぼくはルルイエさんを見やる。
「ほらね、ルルイエさん。皆許してくれたでしょ」
「うん……そうだね……世界って、暖かいんだね」
ぼくは笑って言う。
「人が思うよりも少しだけ、世界は優しくできてるんだ。いつだって世界を厳しい、冷たいものだって決めつけるのは、ぼくたち人間だと思う。それはすごく、もったいないよ」
ルルイエさんの両手を、ぼくは掴む。
ふたりで、額を付き合わせる。
「皆を守る手助けをして、ルルイエさん」
「わかったよ、エレン」
ぼくらは……一つになる。
「「霊装展開」」