作品タイトル不明
182話 勇者の帰還【後編】
霊装。
それは、人間が霊的存在と合体することで、神格を得る奥義。
ぼくは精霊である、不死鳥のカレン、そして神狼のランをその身に取り込む。
翡翠の風と、紅蓮の炎をぼくは身にまとう。
4枚の炎の翼に、長い緑髪。
風が炎をまきあげて、何倍にも威力を上げる。
『 霊王形態(キング・フォーム) ですらないそんな初期の技で、神々が倒せるとでも思っているのか?』
「ああ、この程度の戦力差ならね」
『ほざけクソ猿。おい神々よ! さっさとこの無礼なガキを殺すが良い!』
雪崩のように押し寄せる神々を前にして、ぼくは冷静だった。
「いくよ、ふたりとも【 不死鳥の火矢(フェニックス・アロー) 】」
これぼくが、精霊使いに覚醒して、始めて習得した初期の技だ。
超高密度に圧縮された炎が、矢となって射出される。
……ただし、その速度、威力は、かつてのものとは桁違いだった。
神々は、知覚できなかった。
自分たちが、凄まじい爆風に飲まれて、消滅させられたことを。
『なっ!? そ、そんな……なんだその桁外れの威力は!?』
ぼくの放った矢は音も光も置き去りにして、天上にフタする魔竜の腹をぶち破った。
そして周囲にいた神々は、熱波によって消し炭に変えられた。
『見事な一撃であったぞ、さすがはエレンじゃ!』
不死鳥の力を、100%引き出す。
それは今までのぼくにはできなかった、精霊使いの極致。
世界最高の精霊使い、カルラ母さんすらも凌駕する力。
「ルルイエさんとつながったことで、ぼくは理解したんだ。精霊という存在を。ぼくには、彼らの力を最大限引き出せる」
炎の翼を広げ、ぼくは堂々と宣言する。
「今のぼくは、負ける気がしない。勝負だ神々!」