作品タイトル不明
182話 勇者の帰還【前編】
ぼく、エレン・バーンズは、すべてを終わらせるため、神々との最後の戦いに挑みに来た。
「エレン……!」
「アスナさん、みんな……遅れてごめん」
彼女たちは地上にて、ぼくの帰りを待っていてくれた。
「母さん……」
「エレン、良い面になったじゃあねえか」
母さんはボロボロになりながらも、ぼくに笑顔を向けてくれる。
ぼくが来るまで、勇者の代わりに頑張っていてくれたんだ。
「ごめんね、負担かけて」
「ばーか、子供が何気を遣ってんだよ。親に迷惑かけるのが、子供の仕事みてーなもんだろ……?」
母さんは安心したように笑うと、ふっ……と力が抜けて落ちそうになる。
「何やってるのさ」
それを受け止めたのは、顕現したルルイエさんだ。
「よぉ、ルル……元気そうじゃねえか」
「エレンのおかげでね。……まあ、きみのおかげでも、少しはあるけど」
ルルイエさんは母さんに肩を貸す。
「……ごめんね」
「あん? 何あやまってんだよ?」
「……きみに、迷惑かけたし。それに……ケンカもしたし……その……ごめん」
母さんは慈愛に満ちた笑みを浮かべると、くしゃっとルルイエさんの髪なでる。
「気にすんな。あたしら友達だろ?」
「……うん」
良かった、ふたり、仲直りできたみたいで。
『エレン……それに、ルル……貴様ら……どうしてここに!?』
天上から、クトゥルーの声が聞こえてきた。
ぼくは彼がすべての元凶であると、知っている。
「終わらせに来たのさ、全部を」
ぼくは聖なる剣を取り出し、天井に向けて、切っ先を向ける。
「勝負だ、クトゥルー! ぼくが……不死鳥の勇者エレンが相手だ!」